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更新日:2019.01.06 / 掲載日:2017.12.02

FJクルーザーようやく日本導入!

【本記事は2010年12月にベストカーに掲載された記事となります。】エクステリアは、コンセプトカーから考えれば7年以上経過しているにもかかわらず色あせない魅力を持っているが、日進月歩のクルマ界にあって、機能面はどうなのか気になるところ。しかし、この点はまず心配なし。FJクルーザーは北米で販売を開始した時点では、旧型プラド(120系)とプラットフォーム、パワートレーンを共用していたが、日本に導入されるモデルは、現行プラド(150系)同様にプラットフォームが強化され、4L、V6DOHCエンジンも276ps/38.8kgmと最新スペックのものを搭載。古いが中身は新しいのだ。白のみモノトーン。そのほかはすべてルーフが白のツートーン FJクルーザーはボディカラーによって印象が大きく違う。ポップなイエロー、ブルーで個性を主張するか、シブめの色を選ぶか迷う。主査はベージュが一番好きらしい

思い なぜ今FJクルーザー日本導入なのか?

なんで今頃? これがFJクルーザー日本導入に対するBC読者の偽らざる思いじゃないだろうか。これはBCも同じ。FJクルーザーは、’03年のデトロイトショーにFJクルーザーコンセプトとして出展→’05年シカゴショーでプロトタイプ発表→’06年3月から北米で販売開始。日野自動車の羽村工場で生産していたこともあり、日本導入を切望されていたが、実現するのに4年半もかかった。その間に若者向けSUVとして栄耀栄華を誇ったハイラックスサーフも日本での販売は終了……。当時、トヨタは、FJクルーザーを日本で販売しないことに対し、「FJクルーザーは北米専用車だから日本導入予定はない」の一点張りだったが、その裏には、北米での人気が高く、日本での販売分を確保できないので売りたくても売れない、という事情もあったという。そのトヨタが11月25日についに日本でFJクルーザーを正式発表(販売は12月4日から)。FJクルーザーの開発主査の西村昭夫氏は、FJクルーザーの日本導入理由について、「今は景気が悪く、若者だけでなくクルマ好きがクルマを買わない時代になっている。新規のクルマを作ることもできるが、トヨタにはFJクルーザーがあるじゃないか、と。こんな時代だからこそ、FJクルーザーのようなクルマでクルマ好きを元気にし、活性化したいと考えた」と、熱~く語った。

こんなところまで走れちゃう アプローチアングル34°、ディパーチャーアングル27°、ランプブレークオーバー28.5°という余裕のある3アングルに加え、最低地上高230mmの威力を岩場で遺憾なく発揮。

こんなところまで走れちゃう アプローチアングル34°、ディパーチャーアングル27°、ランプブレークオーバー28.5°という余裕のある3アングルに加え、最低地上高230mmの威力を岩場で遺憾なく発揮。

FJクルーザーは、かつての名車FJ40型ランドクルーザーをモチーフとしたエクステリアデザインを採用。MINI、チンクェチェント、マスタングなどに通じる、昔の姿を知っている人も知らない人も見ただけでユーザーが食指を動かすパワーを持っている。こんな日本車はこれまで存在しない。マニア及びそのスタイルに惚れ込んだ人が並行モノを購入し、街中でその存在感をアピールしてくれたのもトヨタにとって有益に働いたことも事実。そして314万~332万円という戦略的価格も魅力。ランクルプラドのように電子制御のハイテクデバイス満載ではないが、4L、V6エンジンもプラットフォームもプラドと同じで50万円以上も安い!ある意味エコ時代に逆行しているようにも見えるFJクルーザーだが、個性的なエクステリアという飛び道具があり、それだけで幸せな気分にしてくれそうな気になるのもいい。疑問が解消したところで、詳細を見ていこう。

ボディサイズ

観音開きで使い勝手良好! ピラーがないのでリアシートの乗降性はいい。ただしリアドアは単独で開閉できない

観音開きで使い勝手良好! ピラーがないのでリアシートの乗降性はいい。ただしリアドアは単独で開閉できない

全長4635×全幅1905×全高1840mm、ホイールベースは2690mm。レクサスRXより大きくプラドより小さいといった感じ。全幅は1905mmあるが、全長が短く、フェンダーラインがよく見えるので扱いやすく大きさを感じさせない。ただ、最小回転半径がプラドの5.8mに対し6.2mと長いのが難点。

パワートレーン

エンジンは4L、V6DOHC プラドと同じ3955cc、276ps/38.8kgmをマークするV6は静粛性も高い

エンジンは4L、V6DOHC プラドと同じ3955cc、276ps/38.8kgmをマークするV6は静粛性も高い

前述のとおり、4L、V6DOHCは276ps/38.8kgmをマーク。車重は1940kgあるが、スペック的に不満ゼロ。気になる10・15モード燃費は8.4km/L(+5%達成)で、排ガスレベルは★★★なので残念ながらエコカー減税の対象外。トランスミッションは北米では5MTのFRもラインアップしているが、全車5AT+パートタイム4WDとなる。

インテリア「手袋を装着した状態で操作ができるようにした」(西村主査)

ラゲッジも自在に使える リアゲートは横開き。リアシートをたためば、ラゲッジは自転車も積載可能な充分な広さ

ラゲッジも自在に使える リアゲートは横開き。リアシートをたためば、ラゲッジは自転車も積載可能な充分な広さ

というとおり、ドアノブ、シフトレバー、操作系スイッチ類などすべてが大きく設計されていて、使いやすさは抜群にいい。見た目も豪快。最近いろいろなスイッチが並んだコテコテしたデザインのインパネが主流になっているなか無骨なまでにシンプルで、これが逆に新鮮で好感度アップ。ボディ同色のセンタークラスターもオシャレ。カラーパッケージのみドアトリムもボディ同色パネルがあしらわれる。両側ピラーインタイプの観音とびらを採用し、リアシートの乗降性もいい。リアドアのみを開閉することができない(リアドアにフロントのシートベルトが取り付けられている)不便さもすぐになれるハズ。実際にリアシートに座ってみたが、閉塞感もなく大人が充分くつろげる空間だった。インテリアはヘビーデューティにも耐えるように、フロア&デッキ防水カーペット、撥水・防水ファブリックシート表皮を採用しているのも見逃せない。リアシートは6:4分割可倒式&ダブルフォールディング機構付きだから、自在に長尺もの、自転車なども積載できる。

グレード&価格

ツートーンイエロー

ツートーンイエロー

基本は1グレードだが、標準(314万円)のほかにカラーパッケージ(324万円)、オフロードパッケージ(332万円)を設定。

装備

シフトレバー、操作系のスイッチ類などすべてが大きくデザインされていて使い勝手は抜群にいい。一見無骨な感じのするデザインだが、ボディ同色のセンタークラスターがいいアクセントとなっている。

シフトレバー、操作系のスイッチ類などすべてが大きくデザインされていて使い勝手は抜群にいい。一見無骨な感じのするデザインだが、ボディ同色のセンタークラスターがいいアクセントとなっている。

カラーパッケージは前述のとおり、ドアトリムがボディ同色となるほか、本革巻きステアリング、シフト&トランスファーノブがメタルカラーとなり、クルーズコントロール(2万7300円)が標準装着される。オフロードパッケージは、リアデフロック(5万2500円)、ビルシュタイン製ショックアブソーバーなど走りの装備が充実。今や必須アイテムのカーナビはメーカーオプションの設定がなく、販売店オプション(価格は販売店に要問い合わせ)。気になる走りの実力は、次ページで全日本ラリーチャンピオンの勝田範彦選手が突撃チェック!

興味 FJクルーザーの走りの実力はどうなのか?

日本で一番ダートでも速い勝田範彦です。いや~、ビックリ。ラリーで林道やオフロードを走っているけど、今回FJクルーザーで走ったコースはハンパじゃなかった。道じゃないんだもの(編集部註・FJクルーザーの走破性に自信満々のトヨタは、強烈にハードな特設コースを用意)。パリ・ダカやクロスカントリーラリーに出ている人と違って、ボクにとってまさに未知の世界だったけど、楽しかったなぁ。ラリーも同じだが、路面コンディションが悪い時は、いかにトラクションを得るかが重要。でもモーグル路面ではタイヤが浮いたり、車体が大きく傾いたり、コブを乗り越えたりするから、簡単に対角線スタックを起こして、タイヤが空転するだけでまったく前に進めなくなる。こんな時FJクルーザーのアクティブトラクションコントロールが威力を発揮。これは空転したタイヤにブレーキをかけ、残りのタイヤに駆動力を配分してくれるので、対角線スタックを起こすことなく、誰にでも簡単に本格的なオフロード走行ができるという優れもの。それでもダメな時にはボタン操作ひとつでリアデフロックもできる。ラリーの競技などではトラクションを得るためにLSDを使う。LSDはレーシングスピードではいいが、街乗りスピードで曲がりにくかったり、騒音が大きくなったりとデメリットがあるのに対し、アクティブトラクションコントロールはいつでもどこでも効果絶大なのが凄い。急勾配のオフロードの上り下り、岩場の上り下りなど、日常ではあり得ないような状況をいろいろ経験して、FJクルーザーの走破力の高さを実感。同時に競技ではスピードを追求しているボクも、クルマの違う楽しみ方を再発見できて感激。デザインはナンパっぽいのに、ハードな走りをこなすギャップもFJの魅力。314万円からという価格も魅力的で本気で欲しくなった。乗り心地はソフトではないが、不快感はまったくなし。今回は試すことができなかったが、4L、V6で音も静かだから、高速道路などのクルージングも快適だろうね。こんな試乗会を一般ユーザー向けに向けにもやってもらいたい。そうすれば、このクルマの魅力をいろいろな人にアピールできるハズ!

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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