中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
タイ製マーチ 国沢チェック!
新型マーチをライバル・フィットと装備を比べてみた

アレコレ心配ごとをテストしてみた
【本記事は2010年9月にベストカーに掲載された記事となります。】結論から書くと「ECOカー補助金が間に合わないのであれば、もう少し待ってみたらいかがだろうか?」。というのも新型マーチ、詳細をチェックすると決して安くないからだ。現在コンパクトカーで最も売れているフィットの1.3Gグレード119万7000円と比べてみれば明々白々である。99万9600円という新型マーチの最廉価グレード12Sは、日産もいっているとおり、ビジネスユースを強く意識した装備内容。

Sはプライバシーガラスがつかないから「丸見え」
運転席+助手席用の窓ガラスにUVカットを採用してない、というあたりをみても相当割り切ってます。女性ユーザーとかだと素ガラスなんてあり得ない。イマドキ軽自動車ですらUVカットガラスですから。インテリアやエクステリアもショッパい感じ(ドアハンドル回りもボディ同色じゃないし)。実際、売れてるの、圧倒的に122万9550円する中間グレードの『12X』だという。
このグレード、装備内容を見るとフィットの最廉価モデルである『1.3G』(119万7000円)と同等。装備上の優位点はアイドリングストップだけといってよかろう。しかもマーチのアイドリングストップ機構って、これといったコストのかかるパーツを使っていない。セルモーター稼働時の電圧を維持するためのDC-DCコンバーター、耐久性の高いセルモーターくらい。まぁそれもせいぜ2万~3万円か。つまりフィットと同等の価格設定ということです。そう考えるとクルマそのもののクォリティが違いすぎて驚くばかり。そもそもボディサイズはカンペキにひと回り違う。フィットの場合、欧州だと『B+』セグメント。少し大きくなった新型マーチでもBセグメントとしちゃ小さい部類。ここで10万円くらいの金額差があって不思議じゃありません(実際、タイや中国を筆頭に海外では10万円以上の差がある)。
エンジンもワンランク違う

走り出せばまったく気にならない
軽自動車のようにシンプルなマーチの3気筒に対し(1.2Lが上限)、フィットは1.5Lまでラインアップする4気筒。アイドリングから2000回転くらいまでのスムーズさで大きな差が出てくる。そもそも100cc排気量違えば10万円くらい高くする、というのが日産も行なってきた価格戦略であります(キューブでは100cc違いのエンジンを載せていた)。さらにフィットのタイヤは日本製(けっこうグレードの高いタイヤを奢ってます)。ボディパネルの仕上がりや、インテリアの質感、シートの座り心地、同じUVカットガラスながら、UVカット率が圧倒的に違うなど、随所にマーチよりクオリティの高いパーツを使っている。
マーチを買うなら落ちついてからが正解

CVTの味つけが不満だ
ここからが本題である。信号待ちのある通勤モードでフィットの燃費を12.0km/Lくらいだったとしよう。マーチのアイドルストップなら14.0km/Lくらい走ると予想する。1万km走るごとに、マーチのほうが1万円程度ガソリン代を浮かせられる計算。現在購入するとなると値引きなどの差で、フィットはマーチより10万円以上安く買えます。だとするとガソリン代を含め引き分け。価格以外にもうひとつ。初期型のマーチ、どうやら製品にバラつきがあるようだ。以前試乗した広報車のCVTは滑らかに機能していたものの、今回試したレンタカーのCVT、変速が敏感過ぎて気持ち悪かったです。アクセル踏み込むと滑らせて回転を上げにいき、戻した瞬間、つかみにいくのだ。こういった初期の仕上げの悪さは、今後徐徐に解消されていくに違いない。同時にマーチの値引き幅も拡大してくるだろうから、そうなるとフィットに対する価格優位性だって出てくることだろう。もしもECOカー補助金を得られないなら、少し待つべし!