オンロードの走りを極める4ドアインプレッサSTI

【本記事は2010年8月にベストカーに掲載された記事となります。】この日を待ってました！ と待ちわびた読者も多いと思う。7月1日、インプレッサのビッグマイナーチェンジで、STIに4ドアセダンが追加されたのだ。新井敏弘選手も興奮気味だ。「予想以上にカッコいいですね。車重が10kg重くなっているぶん、リアにトラクションが増して、バランスが5ドアよりいいような気がします。まだ乗っていませんが、4ドアセダンのほうがいい！」

さっそく、その詳細を解説していこう。気になるのは5ドアとの棲み分け。スバルによれば「5ドアSTIはリアオーバーハングを短くし、回頭性を重視したラリーパッケージ」いっぽう4ドアSTIは「オンロードでの空力が有利なサーキットスポーツ」。つまり、5ドアはラリー、4ドアはオンロード、サーキット重視というコンセプトだ。詳細なCd値は明らかにされていないが、5ドアより4ドアのほうが約5％空力がいいという。ちなみに4ドア、5ドアともに整流効果の高い大型のアンダーカバーが新たに装着されているのもポイント。ただ5ドアに装着されているディフューザー機能付きリアバンパーは4ドアに装着されていない。

前後オーバーフェンダーは5ドアと同じ形状だが、5ドアよりもリアバンパーが長いため、5ドアのほうがより自然に見える。ブラック基調のフロントグリル、フォグランプ回りを強調し開口部を大きくしたフロントバンパーは、今回のマイチェンで5ドアSTIも変更になったポイント。さらに6MT専用の大型リアスポイラーと、歴代STIモデルを見るかぎり、この迫力は歴代ナンバー1！！気になるボディサイズは、全長4580×全幅1795×全高1470mmと、5ドアと比べ全幅、全高は同じだが、全長は4ドアSTIのほうが165mmも長い。車重は5ドアSTIより10kg重い1490kg。

新型STIはニュルブルクリンクや国内サーキットで試験走行を繰り返し「意のままに操れるクルマ」として基本性能に磨きをかけたという。開発にあたっては、まずフロントサスペンションのさらなる性能強化に着目し、フロントサスペンションのロアアームにピロボールブッシュを採用。このピロボールブッシュによりタイヤの接地性を高め、ステアリングの応答性が向上。またフロントの性能向上に合わせ、リアの足回りも強化。サブフレームブッシュをよりハードなものにし、追従性も高めている。車高は5mm落とされ、さらにダンパーやスプリング、スタビライザーのチューニングによりロール剛性を最適化。サーキットなど特別な場所でなくても走り出しでちょっとステアリングを切っただけで高い応答性としっかりとした手応えが感じられるという。

6MT車に搭載されるエンジンは5ドアSTIと同じ2L水平対向4気筒ツインスクロールターボ。308ps／43.0kgmのスペックに変更はない。4WDシステムはこれまでと同様、ドライバーズコントロールセンターデフ方式AWDで、フロントにはヘリカルLSD、リアにはトルセンLSDを備える。価格は4ドアSTI（6MT）が373万8000円。5ドアSTI（6MT）に比べ、わずか5万2500円のアップだ。メカニズム面では差がない4ドアと5ドアのSTI。さて、あなたはどっちを選ぶ？

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