バルブマチックエンジン搭載でエコ度アップ　プレミオ／アリオン

【本記事は2010年7月にベストカーに掲載された記事となります。】プレミオ／アリオンのマイチェンの目玉は、1.8Lエンジンをバルブマチック2ZR-FAEに変更したこと。ご存じのとおり、バルブマチックは吸気バルブのリフトを連続可変させて燃費効率を向上させるメカニズムだが、これのみで劇的な効率アップが実現するかというとちょっと微妙。ポンプロスやパーシャル時のフリクション低減などメリットも少なくないんだろうけど、それなりにコストと手間がかかる。元祖BMWも最近はバルブマチックにちょっと距離を置きつつあるという感じだもんね。

にもかかわらず、トヨタがこのエンジンを普及ゾーンにどんどん拡大してきているのは、主力車種の燃費向上に“本気”である証明といえる。このエンジンはそれ単体ではなくCVTのセットで実力を発揮するタイプで、CVTの制御がかなり実燃費向上のカギを握っている。

試乗してみるとすぐわかるのだが、かなり大きめのアクセル開度までCVTは高めのレシオを維持して粘る感覚で、加速が必要な時にもなるべく低回転でスロットル（は存在しないけど）を開け気味に走らせるセッティングとなっている。エンジンの低速トルク特性がいいから、こういう制御でもカッタルい感じはほとんどなく、これで日常的に使うレンジでの燃費をそうとう稼いでいる印象なのだ。数値的にも、1.8Lの10・15モード燃費は1.5Lと同じ18.6km／L。こりゃやっぱり技術の勝利ですよね。

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