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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
BMWらしいコンパクトサイズのSUVスタイルも走りも魅力的なX1……

【本記事は2010年6月にベストカーに掲載された記事となります。】BMWのXシリーズの末っ子として登場したX1は、名前とはちょっと違って3シリーズをベースとしたクロスオーバーSUV。「全幅1800×全高1575mmだから立体駐車場に入ります!」というのがウリで、1シリーズ一族を名乗っているのはお手頃サイズを強調するための方便といえる。
安定したステアフィールや、重量感のある乗り心地

エンジンは3L、直6と2L、直4を採用。写真の3L、直6は218ps/28.6kgmを発生する
さらに、価格もまた1シリーズ基準だからお買い得だ。バリエーションは3L直6のxDrive25iと、2L直4のsDrive18iの2種類だが、25iが480万円、18iが363万円というプライス。18iは3シリーズのベーシックモデルより36万円も安く、中身が“3”ということを考えるととってもコストパフォーマンスが高い。実際、走ってみるとキャラクター的にはXシリーズのなかでももっともオンロード指向で、走りでSUVを意識させる部分はほとんどない。走り込むにつれて「日常の足にするには3のセダンより使い勝手がイイかも?」って思えてくる。もちろん、車高が高く重量もあるから、ワインディングをヒラリヒラリと駆け抜けるような軽快感はないけど、逆に安定したステアフィールや、重量感のある乗り心地は、「こりゃ3シリーズセダンより上質ですよ」と感じる人も少なくないと思う。

インテリアは、センターコンソールがわずかにドライバーに向けられており、ドライバー重視のコンセプトを採用
ただし、速いクルマがお望みな人には、残念ながらあんまりおすすめできない。3L、218psの25iでも動力性能は“並”というところで、もちろん普段はスイスイ活発に走るけど「いざ全力加速!」になると、アレッ? と拍子抜けするくらいパンチが弱い。325iよりジャスト200kg重いから、まぁしようがないといえばしようがないのだが、最近のBMWの直6NAはなんだかトルクが細くなったように感じるのは気のせいだろうか。この「速くない」というキャラは18iも同様で、2WDゆえに重量ハンデは100kgほど軽くなるものの、絶対的なトルク感が希薄な点は同様。よーいドンをすると、たぶんデュアリスやRVRには負ける。
都会でも使い勝手のいいオシャレなコンパクトSUV

BMWのモットーは「駆け抜ける喜び」だけど、なかには「ボクはそんなに駆け抜けなくてもイイ」という人もいる。そういう穏健派で、都会でも使い勝手のいいオシャレなコンパクトSUVをのぞむ人には、X1はうってつけ。いまの日本では、むしろこういうキャラクターのほうが先進的だと思います。