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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
BMWらしい高いクオリティが凝縮された走りの5シリーズ エンジンも足回りもすばらしい完成度
“5シリーズグランツーリスモ”を発売

リアが2パターンで開閉するハッチドアになっているのがBMW5シリーズグランツーリスモの特徴
【本記事は2010年3月にベストカーに掲載された記事となります。】BMWは、新型5シリーズセダンの発売を前に、そのコンポーネンツを使った新コンセプトの5ドアモデル“5シリーズグランツーリスモ”を発売した。これは、セダンやワゴン、クーペ、SAV(スポーツアクティビティビークル/BMW特有のSUVをさす言葉)の要素を融合させた、まったく新しいジャンルのモデルというわけ。
重厚感溢れる堂々としたフォルム
5000×1900×1565mmのサイズは全長、全幅に限っては、現行5シリーズセダンよりも7シリーズに近いサイズだが、注目は5シリーズより100mmほど増した背の高さ。これでグランツーリスモのフォルムは重厚感溢れる堂々としたものとなった。キャビンの広さは当然ながら余裕しゃくしゃくといった感じで、さらにリアシートの快適性はこのクルマの大きなアドバンテージだろう。もうひとつ、パッケージングで注目すべきは、リアがハッチドアとなっており、さらにツインゲート構造によりトランクだけ開けることできることだ。ワゴン機能を持った高級5ドアモデルといえば、アウディA5スポーツバックやポルシェパナメーラがあるが、どちらも背は低い。その点ミニバンではあるが、背の高さを誇るベンツRクラスあたりがグランツーリスモのライバルとなるのだ。それだけ個性的な存在なのである。
燃費性能が大幅に向上した新世代エンジン

先に7シリーズに投入された407psの4.4L、V8を550iに採用する
エンジンは550iが407ps/61.2kgmを発生するV8、4.4Lツインターボ(7シリーズで先に採用)。535iが306ps/40.8kgmを発生する新開発の直6、3Lターボだ。注目は3Lターボで、これまでのツインターボよりレスポンス、燃費性能が大幅に向上した新世代エンジンだ。トランスミッションも新しい8速ATで、アルミ素材を多用したボディでも2tを超えるが、このエンジンとATでパフォーマンスに不満はない。

乗り味は5シリーズより重厚な7シリーズに近いのだが、より大きな車重と背の高さで、機敏性、安定感といった面でやや劣るというのが率直な感想。とはいえ、BMWならではの卓越したシャシー性能で不安な振る舞いはまず見せない。それよりも上質で重厚な乗り心地がすこぶるよかった。価格は3Lモデルが4.4Lモデルで1114万円となっている。