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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
インプレッサSTIの魂ここにあり 史上最速のロードスポーツ
ただ速いだけではない、R205

空力はフロントアンダースポイラーに加え新開発のリアアンダースポイラー、ブラック塗装の大型スポイラーを装着し、空力特性をバランスさせている。タイヤはR205専用開発のBS製ポテンザRE070(245/40R18)、アルミホイールはSTI製8.5J×18インチを履く
【本記事は2010年2月にベストカーに掲載された記事となります。】今の世の中、速いクルマはいくらでもある。しかし、ただ速いだけでなく、気持ちよさや心地よさを備えたプレミアムなスポーツモデルは数少ない。今回デビューしたSTIのコンプリートカー、R205はまさにそんなクルマだった。
強靱でしなやかな走り

トランスミッションは6MTのみ。R205専用のシリアルナンバープレートはコンソールに、サイドシルにはR205のプレートが装着されている
S203、S204と進化してきたインプレッサのSシリーズだが、今回のモデルから、公道で最高のドライビングが味わえるという意味を込めてロードスポーツの意味する“R”と名付けている。ベースモデルはインプレッサSTIシリーズで最もアグレッシブなスペックC。STIがこのスペックCをさらに「強靱でしなやかな走り」に磨きをかけている。

STIの刺繍入りバケットタイプ(合成皮革/ファブリック)が標準。オプションでレカロ製バケットシート(本革/アルカンターラ)も選べる
まず、専用のボールベアリングターボや専用チューニングのECU、低背圧スポーツマフラーなどを装着した2Lフラット4ターボ。スペックCに比べ12ps/1kgmアップの320ps/44kgm。高回転もさることながら、低中速のトルクとレスポンスがすばらしい。SI-DRIVEをS♯にして走ると、それこそ「意のままのアクセルコントロール」が可能。ちなみにDCCDをマニュアルにしてツィスティなワインディングを攻めてみたところS♯なら姿勢コントロールもラクにできる。
“辰巳マジック”シャシーチューニング

車体剛性を高めるフレキシブルタワーバー(左)やより大きく操舵した時の切れ込みのよさを過不足なく実現する新開発のロースティフナー(右)
そして、STI車両実験部長、辰巳英治氏による“辰巳マジック”というべきシャシーチューニング。STI製のフロント倒立ストラット、リアダンパー&スプリングをはじめ、ハンドリングや乗り心地を進化させるフレキシブルタワーバー、フロントのサスペンションアームの付け根とサブフレームをロッドで連結し、スプリングで引っ張る力をあらかじめかけておく役目の新開発フレキシブルロースティフナーなどを装備。スペックCのハンドリングも一流だが、R205では安心感があり、スペックCが“剛”ならR205は“柔”のハンドリングで限界時の挙動も穏やかで、とても気持ちいい。
補強パーツ「フレキシブルシリーズ」

STIがチューニングしたブレンボ製のモノブロック対向キャリパー&ローター。フロント(右)は6ポッド、リアは4ポッドでシルバー塗装となる
乗り心地のよさにも驚かされた。これは専用開発のタイヤもあるが微低速域特性を中心にチューニングしたダンパー、チューニングのハイライトである「フレキシブルシリーズ」の補強パーツでもたらされたものだ。ブレーキはフロント6ポッド、リア4ポッドのブレンボ製で効き、フィールともにごきげんだ。
ニュルブルクリンクでの走り込みを重ねてセッティングを行なったR205。ドライバーの意のままにコントールできる操安性、しなやかな乗り心地。STIから約105万円アップの473万5500円はちと高いが、中身からすれば安い!