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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.02

トヨタ SAIってどんなクルマ

12月7日より発売を開始したトヨタSAI

SAIは基本プラットフォーム、ドライブトレーンを先に登場したレクサスHS250hと共用しながらも、レクサス車とは違う、SAIならではのボディと走りのテイストを備えている。

SAIは基本プラットフォーム、ドライブトレーンを先に登場したレクサスHS250hと共用しながらも、レクサス車とは違う、SAIならではのボディと走りのテイストを備えている。

【本記事は2010年1月にベストカーに掲載された記事となります。】2.4Lエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車で、基本的なハイブリッドメカニズムは先に登場したプリウスと同じTHS II。このハイブリッドシステムと基本プラットフォームは7月に登場したレクサスHS250hと共通で、いわばSAIとHS250hは兄弟車といえるのだ。SAIのエンジンは2.4Lで150ps、19.1kgm。組み合わされるモーターは143ps、27.5kgmを発揮し、プリウスの1.5倍程度パワフル。システム出力は190psを発揮し、動力性能的には2.5Lクラスのミドルサルーンのレベルといっていいだろう。10・15モード燃費は一般的な2.4Lクラスのガソリンエンジン車の約2倍となる23.0km/L。

ボディサイズは全長4605mm、全幅1770mm、全高1495mmでプリウスよりもひと回り大きく、サイズ的にはギャランフォルティスに近い。マークXと比べるとちょっと小さいサイズとなる。価格は338万円となるが、この最廉価グレードでもカーナビ、オーディオが標準装備で、装備の充実度は高い。

SAIの魅力、プリウスの説得力 どっちがいいの? 究極のハイブリッド対決

12月7日よりトヨタSAIが販売を開始した。SAIの発表は2カ月近く前の10月20日だったが、このタイミングで発表はしたものの、生産などの都合もあり、発売開始は12月7日となっていた。SAIはすでに大量の受注を獲得しており、月販目標数3000台に対して発表から1カ月後の11月19日現在ですでに1万4000台の受注となっており、12月上旬には1万5000台を超える勢い。すでに納期は早くても4月という状況で、新車購入補助金については、延長が決まらなければすでに受けられない、ことになる。プリウスも相変わらずの大人気で、いま注文しても工場出荷が6月上旬(つまり、納期は6月下旬から7月になるということ)、レクサスHS250hも同じく納期が遅れており、11月27日現在の情報では5月下旬以降の工場出荷予定。トヨタのミドルクラスハイブリッド車は軒並み大人気となっている。

SAIの10・15モード燃費はたいしたことないの!?

ボディサイズは全長4605mm、全幅1770mm、全高1495mmのSAI。サイズ感としてはギャランフォルティスなどに近い印象。ワンモーションフォルムのボディフォルムがスタイリッシュだ

ボディサイズは全長4605mm、全幅1770mm、全高1495mmのSAI。サイズ感としてはギャランフォルティスなどに近い印象。ワンモーションフォルムのボディフォルムがスタイリッシュだ

SAIは基本プラットフォームやハイブリッドコンポーネンツを先に登場したレクサスHS250hと共用するミドルサイズセダン。ボディサイズは全長4605mm、全幅1770mm、全高1495mmでプリウスよりも全長が145mm長く、全幅は25mm広く、全高は5mm高い。車重はプリウスの1350kg(Sグレード)に対してSAIは1570kg(Sグレード)で220kgもSAIが重たい。ボディサイズからもわかるように、SAIは明らかにプリウスよりも1ランク車格が上だ。エンジンは2.4Lで、1.8Lのプリウスよりも大きく、モーターの出力も75%程度も大きく、2.5~3Lクラスの動力性能と考えればいいだろう。システム出力はプリウスの136psに対しSAIは190psと大きく、10・15モード燃費はプリウスの35.5km/L(Lグレードのみ38.0km/L)に対してSAIは23.0km/Lと約65%程度となる。

手前がSAI、奥がプリウス。

手前がSAI、奥がプリウス。

やっぱり燃費をとことん追求したプリウスに対し、SAIはどうしても分が悪く感じてしまうが、SAIは2.4Lエンジンを搭載している。一般的な2.4Lガソリンエンジン車の10・15モード燃費が11~12km/L程度ということを考えれば、SAIの23.0km/Lはほぼ2倍の数字をたたき出している。プリウスが一般的な1.8Lクラスに対してやはり倍程度(カローラ1.8L=17.2km/L、プレミオ1.8L=17.0km/L)ということを考えると、SAIの燃費は車格を考えると充分「いい燃費」なのである。ただ、絶対的な燃費の数字がユーザーには大きく気になるポイントとなってくるので、どうしてもプリウスの圧倒的な燃費値の前には、ほかのどんなクルマをもってきてもかすんでしまうのはやむを得まい。

価格とバリューでSAIとプリウスを比べる

センターパネルが斜めに橋のように手前に伸びているインパネはSAIの特徴。これはレクサスHS250hと同じ形状だが、表面の素材や色遣いなど、独自の仕上げとなっている

センターパネルが斜めに橋のように手前に伸びているインパネはSAIの特徴。これはレクサスHS250hと同じ形状だが、表面の素材や色遣いなど、独自の仕上げとなっている

SAIの価格はボトムの「S」が338万円だが、この「S」でもカーナビは標準装備だし、オーディオも6スピーカーのCD、MD付きラジオが標準装備となっていて、充実度に不満はない。プリウスは最も売れ筋の車両本体価格220万円の「S」グレードだとカーナビがメーカーオプション(30万8700円)となってしまったり、クルーズコントロールが装着できない(プリウスでクルコンを付けたい場合はツーリングセレクションを選ばなければダメ)など、どうしても装備の見劣り感がある。 とはいえプリウスはVSCは標準装備だし、エアバッグも運転席&助手席はもちろんのこと、サイドエアバッグ、カーテンシールドエアバッグなどすべて標準装備となっており、必要な装備はすべて付いている。カーナビは後付けでいい、という人にはむしろ「これで充分」といえる装備内容。SAIは上級ミドルセダンとしてのプラスαの装備を充実させている、という印象。ディスチャージヘッドランプや本革巻きステアリングなどはSAIでは最廉価グレードでも標準装備となっている。 コスト・フォア・バリューという目で両車を見比べると、価格差118万円は、排気量の差、動力性能の余裕、リアシートの居住性の差(プリウスはSAIと比べるとちょっと頭上スペースがきつい)などに装備の充実度なども含めて比較したとしても、プリウスのバリュー感が一歩リードするというのが正直な判断。プリウスがあまりにも格安すぎるのだ。

乗って走ってSAIとプリウスを比べると!?

プリウスは最廉価の「L」グレードだと正直、タイヤの接地感が乏しかったり走行ノイズが室内に少なからず入り込んできたりして、ちょっと安っぽさを感じたものだが、これは軽量化と燃費の追求のためタイヤがワンサイズ細い185/65R15だったり、遮音材となるアンダーコートの量が少なくなっていたりするため、ある程度やむを得ない部分もある。また、操安性の面でもステアフィールにちょっと曖昧な部分があるが、Lグレードだけ電動パワステのモーターが旧型という違いがあるため。Sグレード以上だと、これらの弱点は大幅に改善されており、しっかりしたステアフィールとタイヤの接地感があり、室内のノイズも抑えられている。

しかし、SAIに乗るとやはりワンランクもツーランクも車格が上だな、と実感させられる。しっとりとした乗り心地、プリウスとは比べものにならない静粛性など、プリウスが基本的にはカローラクラスなのに対し、SAIはマークXクラスなのだということがよくわかる。ただ、総合的なドライブフィールはプリウスと大きく違うことはない。モーターでスルスルと発進し、アクセルを開くとエンジンがかかり力強さを増す。このあたりの雰囲気はSAIもプリウスも同じ感覚なのだ。プリウスを知っている人にとっては新鮮味を感じることはないだろう。動力性能でも、プリウスで実用上まったく不満はないけれど、SAIに乗ると「余裕」を感じる。この余裕との引き替えが燃費ということになる。燃費と動力性能のテスト結果は次ページで詳しくお伝えする!!

SAIプリウス実際走って燃費は/走りは?

これが実際に走行した直後の車載燃費計の記録である。

これが実際に走行した直後の車載燃費計の記録である。

さてさて、SAIの燃費はどの程度なのだろうか!?試乗会場となった河口湖周辺の一般道を約30kmほど走り、車載の燃費計で実走行燃費を計測した。同時にプリウス(Lグレード)も走らせて、SAIとの燃費を比較した。結論から言おう。SAIの燃費は17.1km/L、対するプリウスは23.7km/L。当然ながらプリウスが勝ったのだが、10・15モード値に対する達成率はプリウスが62.3%にとどまったのに対しSAIは74.3%と大健闘。都内などとは違い、一般道とはいえストップ&ゴーが少ないこともあり、プリウスの伸びがイマイチにとどまったということだろう。それにしても、プリウスと比較してしまうとSAIの燃費は「こんなもんかぁ~!?」と感じてしまうのだが、まったく普通に走ってシレっとリッター17キロをマークしてしまうのって、実はものすごいこと。2.4Lエンジンを搭載したミドルサイズの4ドアセダンですからね、SAIは。ハイブリッド車でなかったら、10km/Lにも届かない。ただ、どう走っても軽くリッター20キロを超えるプリウスが凄すぎる、ということ。動力性能に関しては、非常に興味深い結果となった。ゼロ発進加速はプリウスがSAIをリードし、50→80km/h追い越し加速はSAIがプリウスを上回った。発進加速では220kgの車重差が影響したのだろう。どうしてもSAIはプリウスほどスッと加速が立ち上がらない印象だった。いっぽう追い越し加速ではモーターのパワー差が動力性能の差となって表われた。モーターがグイグイと引っ張る印象だった。

SAI&プリウス購入シミュレーション総額おいくら必要?

本文中でも触れているように、SAIは10月20日の発表以来、受注がグングン伸び、発表1カ月後の11月19日時点での受注台数は1万4000台。すでに2万台に迫る受注台数となっており、都内の販売店では3月までの納車は無理で、早くても4月以降の納車となるという話。ちなみにSAIはプリウス同様全店扱い。販売会社によって多少の納期の違いはあるが、大きな差にはならない模様。都内販売店でプリウスS(220万円)とSAI・S(338万円)の見積もりを取ってみた。両車ともにハイブリッド車なので自動車取得税、重量税は100%の免税となる。プリウスSは15万900円、SAI・Sは22万400円が免税される税金の額。これに新車購入補助金10万円が交付されるのだから、かなりお買い得。両車ともに納期は3月を超えてしまうが、購入補助金に関しては、3月以降も継続の可能性が高まってきた。SAIの総支払額は358万9800円、プリウスは236万2135円という見積もり結果。両車ともにフロアマットなどの必要な付属品を含めた額とした。プリウスにはカーナビがオプション装着となるが、今回の見積もりにはカーナビは含めておらず、メーカーオプションで装着するなら30万8700円が加算される。いっぽうSAIではカーナビは標準装備。ほぼこの見積もり額のままでOKだろう。値引き額については、プリウスは最大で5万円、SAIについては当面値引きゼロで対応しているという。ディーラーオプション品については10%の値引きがあるようだが、最大でも5万円まで。バックオーダーを抱える両車の値引きは当然に渋いという結果となっている。

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グーネットマガジン編集部

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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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