中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
「先代から受け継いだ癒し系のデザインのカングー フランス車ならではのソフトな乗り味が魅力」
「遊びの空間」を意味する造語

全幅と全高が同じというスクエアなスタイリングは、先代の魅力を引き継いだデザインとなっている
【本記事は2009年10月にベストカーに掲載された記事となります。】これまで全世界で250万台以上も販売され、日本でも’02年の導入以来累計9000台以上を売り上げた人気のハイトワゴン、ルノーカングーが約10年ぶりにフルチェンジした。商用モデルをベースとした広い室内空間と高い機能性から、欧州で「ルドスパス」として親しまれてきた先代モデル。これはラテン語で遊びを意味する「LUDOS」と、フランス語で「空間」を意味する「ESPACE」を組み合わせた造語で「遊びの空間」を意味する。
増加するラゲッジはかなり便利

シンプルで親しみやすい内装デザイン。収納に優れ、使いやすさが追求された
新型もこの「ルドスパス」をコンセプトに大きく進化。ルノーセニックをベースとしたボディは一気に拡大し、先代の5ナンバーサイズから3ナンバーサイズへ。全長4215×全幅1830×全高1830mmは堂々たるスケールだ。だが、ボンネット中央の特徴的なプレスライン、盛り上がったフェンダー、アーモンド形のヘッドランプなど、ひと目でカングーとわかる、先代と変わらぬ遊び心のあるデザインがとても好ましい。それにしても、室内、ラゲッジの広さたるや、もはや先代と比較にならない。大人5名がゆったりとくつろげるほど広い居住スペースで、660Lから最大2866Lまで増加するラゲッジはかなり便利だ。
家族や仲間と遊ぶためのクルマと割り切れば、納得できるパワー

エンジンは105psの1.6L、直4のみで、4ATか5MTが選択可能だ
先代に続き採用されたリア両側スライドドアと観音開きのダブルバックドアはさらに使いやすくなり、シートアレンジもますます多機能になった。これも先代で重宝された、フロントおよびリアのオーバーヘッドコンソールだが、使い勝手がさらに向上している。このほかにも便利な収納スペースがタップリ。さて、走りはどうか。エンジンは105ps/15.1kgmを発生する1.6L一本で、4ATと5MTの2モデルが選べる。中心となる4ATの走りだが、車重が1460kgとあっていささか非力なイメージは拭えない。1~2名の乗車ならまずまずだが、フル乗車、それに荷物もといったケースではつらい。こんな時はマニュアルモードでかなりカバーできるが、カングーはガンガン走らせるクルマでないのも確か。家族や仲間と遊ぶためのクルマと割り切れば、納得できるパワーだ。
輸入車注目の一台だ

それより、大幅に進化したハンドリングと乗り心地のよさがゴキゲンだ。新採用された電動パワステはナイスなフィーリングだし、セニックベースのプラットフォームで高いスタビリティを味わわせてくれる。ソフトタッチながらもしなやかな乗り心地はさすがフランス車。この上質な乗り味も新型カングーの魅力だ。カングーには日本車にはないフランスのエキスがタップリと詰まっている。価格もATで229.8万円、MTで219.8万円とかなりリーズナブル。輸入車注目の一台だ。