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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.03

トヨタ、改革への本気が見える iQチューンドバイMN仕様緊急発表!!

今回発表されたiQスポーツ仕様

今回発表されたiQスポーツ仕様

【本記事は2009年9月にベストカーに掲載された記事となります。】今年5月に開催されたニュルブルクリンク24時間レース。豊田章男新社長がドライバーとして参戦するこのレースの会場に突如展示されたのがiQスポーツ仕様だった。「あのクルマはいったい……?」レース終了1カ月後、トヨタから「‘09年11月にGAZOO RacingがプロデュースするiQスポーツ仕様を発売する」と正式にアナウンスがあった。GAZOOといえば豊田章男氏直属の開発部隊であり、4つあるトヨタ社内の開発センターとはまったく別個の、おおげさに言えば5つめの開発セクションみたいなもん。そのGAZOOがプロデュースするiQスポーツ仕様が急遽この8月20日に発表となり、我々の眼前に姿を現わした。

「発売は従来の発表どおり11月から、限定100台です」

とトヨタ広報からの発表。発売3カ月前に発表するのは、このクルマが章男新社長の「変革への本気度」を示しているからにほかならない。発表された詳細を見ると、同日8月20日、ノーマル仕様のiQに追加設定される1.3Lエンジンを搭載し(エンジンはこのノーマル仕様の1.3Lを、手を入れずそのまま搭載)、足回りのセッティングを担当したのはトヨタ300人のテストドライバーの頂点に立つ男、「マイスター」成瀬弘氏だとのこと(車高は30mmダウン)。価格はノーマル仕様の1.3Lモデルと比べて37万2000円高の197万2000円で、11月から全国のネッツ店で購入できるという。本企画ではこのiQのスポーツ仕様(正式名称は「iQGAZOO Racing tuned by MN」)をひと足早く実際に試乗した石川真禧照氏に、詳細にレポートしていただく!

1.3Lエンジンを搭載したチューニングモデル

エンジンは1.3L、直4が搭載される。

エンジンは1.3L、直4が搭載される。

iQシリーズに追加設定されることが発表されたスポーツ仕様。1.3Lエンジンを搭載したチューニングモデルだ。さらにミッションは標準仕様にはない6速マニュアルを装備している。さっそく試乗する。クラッチペダルは反発力も少なく、チューニングモデルとしてはやや拍子抜けの感じ。シフトはやや重めだが、各ギアにスパッと入る。このiQスポーツ仕様に搭載される直4、1.3Lエンジンは、8月20日からノーマル仕様にも10万円高(1Lモデルと比べて)で搭載されたものと同じエンジン。スポーツ仕様でも特にチューニングはされていないが、この1.3Lエンジンがいい! 1Lと比べると音も静かでトルクがあるから扱いやすく、燃費も1Lと同じ23.0km/Lだというのだから嬉しい。新開発の6速MTとのマッチングもバッチリだった(ノーマル仕様のCVTとの相性もよかった。iQが本来やりたかったクルマ像ってこれなんだ、と思えるほど。ノーマル仕様は10万円高で、これなら1.3Lが買い得)。

「全身がセンサーのよう」と言われる成瀬氏。iQスポーツ仕様では「iQの素性のよさを生かしつつ、走りを楽しめるようなセッティングを心がけた」とのこと

「全身がセンサーのよう」と言われる成瀬氏。iQスポーツ仕様では「iQの素性のよさを生かしつつ、走りを楽しめるようなセッティングを心がけた」とのこと

話をスポーツ仕様に戻すと、正式名称の「tuned byMN」の「MN」とは「マイスター(マスター)・オブ・ニュルブルクリンク」の略で、そのものズバリ「成瀬氏がチューンしたクルマ」のことを指す。どうやらGAZOOではこの先、iQ以外にもこの名前で走りの楽しいスポーツ仕様を設定していくようだ。外観上の違いは専用デカールのほかにも、フロントグリルとリアのエアロパーツ、30mmダウンした車高、つや消しのアルミホイールと多岐にわたる。

エンジンの吹けあがりもスムーズ

装着されるタイヤはサイズは同じ175/65R15。ホイールベースが短く安定性が心配されたが乗ってみるとまったく問題ないレベルだった

装着されるタイヤはサイズは同じ175/65R15。ホイールベースが短く安定性が心配されたが乗ってみるとまったく問題ないレベルだった

低く固めたサスペンションとワイドトレッドのおかげでコーナーでの姿勢は安定しているのだが、ドライビングポジションがノーマルiQと同じ高さなので、スポーツ感はイマイチ。ただ専用装備で販売店装着オプションの「ホールド機能付きフロントシートカバー」、これがとても体のホールドがよく、サーキットでの走行にも充分に耐えられるものなのだ。もちろんエアバッグも機能する。テストしたサーキットは1周4.2kmのハイスピードサーキットだったので、1.3L、98馬力のマシンは6速のMTといっても、ハードブレーキも少なく走行できた。パワーはもっとあってもいい。2カ所あるヘアピンコーナーでのブレーキングでわかったのは、短いホイールベースにもかかわらずリアのリフトアップが抑えられており、新たに装着されたリアディスクブレーキとともに、安定した姿勢を保つことができたこと。6速MTはヒール&トウもやりやすく、エンジンの吹けあがりもスムーズ。

このマシンを開発したトヨタのトップテストドライバー、成瀬弘さんは、「このマシンは若者のためではなく、クルマ好きのために開発した」と言っているが、ノーマルプラス37万2000円は6速MTであることや100台限定の希少性も加味していい線だ。このクルマはモータースポーツへの入門&クルマ好きのために、GAZOO(イコール章男氏)が送り込んだ「道具」なのだと私は理解した。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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