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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03

HS250hVSライバル 異種格闘技 燃費は?走りは?質感は?

話題性のあるクルマ、レクサスHS250hがデビュー

価格のライバルには同門のIS250でも対プリウスも気になる

価格のライバルには同門のIS250でも対プリウスも気になる

【本記事は2009年9月にベストカーに掲載された記事となります。】レクサスHS250hがデビューしたのが7月14日。いろいろと話題性のあるクルマである。・日本のレクサス初のFFサルーン・レクサス初のハイブリッド専用車・レクサス初の直列4気筒エンジン搭載車「すべてがレクサスとしては初めてのことでした。直4でレクサスの品質を保てるのか!? FFでレクサスの目指すハンドリングクォリティを作り出せるのか!? 社内でも様々な論議はありました。しかし、充分納得できるものを作ることができたと思っています」HS250hの開発責任者、古場博之製品企画主査はいう。価格はベースとなるHS250hが395万円からで、発表日の7月14日時点ではレクサス車で最も安いクルマ……、だったのだが、7月30日付けでISシリーズが一部改良を実施。IS250に関しては、ディスチャージヘッドランプを従来の標準装備からオプション装着とすをして392万円となり、HS250hを下回って「レクサスで最も安いクルマ」の座をHS250hから奪還。とはいえ、HS250hとIS250は価格帯がオーバーラップする“同門ライバル”ともいえる間柄。ちなみに他グレードの価格はHS250hが、・バージョンS=415万円・バージョンI=453万円・バージョンL=535万円 いっぽうIS250は、・バージョンS=420万円・バージョンF=444万円・バージョンL=453万円 となる。バージョンFは今回の一部改良を機に加わった新グレードで、IS-Fを思わせるメッシュグリルにリアスポ、スポーツタイプのシートを標準装備としたスポーティバージョン。HS250hのバージョンLが535万円とやたら高価だが、プリクラッシュセーフティ、レーンキープアシスト、ヘッドアップディスプレイなどの装備がすべて標準装備となっているため。

同価格ならHSとISどっちが魅力的!?

レクサスで販売されるハイブリッド車たち。HS250hはレクサスブランド初のハイブリッド専用車である

レクサスで販売されるハイブリッド車たち。HS250hはレクサスブランド初のハイブリッド専用車である

誤解を恐れずいうならば、HS250hは高級なプリウス、だ。エンジンはアトキンソンサイクル化された2.4Lの直4でプリウスよりも600cc排気量は大きい。150ps、19.1kgmとパワフルだし、モーターも143ps、27.5kgmというスペックで、プリウスよりも全体的に1.5倍程度力強い。システム出力はプリウスの136psに対してHSは190psだ。だが、車重が1640kgあり、やっぱり重さを感じる。プリウスの車重は1350kg。300kgほどHSは重たい。システム出力でパワーウェイトレシオを計算するとHS=8.63kg/ps、プリウス=9.92kg/ps。HSのほうが数字はやや小さいが、走らせた印象では、加速性能に関してはほぼ同等だった。停車時のシーンとした室内。ゆっくりアクセルを踏み込んでいくと、モーターでコロリと最初のタイヤひと転がりのあと「プルルン」とエンジンが始動し、アクセルを強めに踏み込めばエンジンとモーターが音を高めて「シュイイイイイ~ン」と継ぎ目のない加速。いったんアクセルを戻せばエンジンが停止し、アクセルパーシャルで走ればモーターのみの走行……。このあたりの雰囲気はプリウスそのものなのだ。ただ、プリウスよりもモーターのみで走る領域がやや狭いように感じた。ちょっとでもアクセルの踏み加減が大きくなるとすぐにエンジンが始動してしまい、モーターのみでの走行はプリウスほど連続することはできなかった。もちろん乗り心地はプリウスとは比べものにならないほどしなやかでタイヤのノイズなども抑えられている。車重の重さがいい方向にはたらいているのだろう。ゆったりした動きの、重厚な乗り心地が味わえる。そういった点ではプリウスとは異なるが、全体的な印象がよく似ているのだ。IS250は後輪駆動で車高も低く、V6エンジンを搭載するスポーツセダンという位置づけ。エンジンを回して走らせるという感覚や、ガッチリした剛性感のあるステアフィールなど、うーん、HS250hとはやっぱり違う。「どっちがいい!?」ということではなく、目指している方向性が違っている、ということだ。ISの魅力は、ある意味、古典的なクルマの楽しさを感じられる魅力なんだな。アイドリングで伝わってくるエンジンの鼓動や、空ぶかししてエンジンの吹け上がりを感じる快感。時代にそぐわないといわれようが、昭和生まれのDNAには “これが快感” と刻み込まれているんだな、と思った。室内の質感はHS250hがかなりいい。インパネ表皮の手触り感やソフトな素材をふんだんに使ったドアトリム、ステッチ入りの本革を巻いたセンタークラスターの縁取りなど、高級な雰囲気を味わえる。バージョンI、Lではセミアニリン本革シートも標準装備となるし、インテリアカラーのバリエーションも豊富。写真のキャメルイエロー&ブラックの組み合わせなんて、なかなかもんです。インテリアに関してはIS250よりHS250hのほうがいい感じ。リアシートの居住性もHS250hが一歩リードする。

プリウスよりもハイブリッドは進化している!?

先ほども書いたように、走った感じはプリウスによく似た印象のHS250h。エンジンの排気量やモーターの出力はプリウスよりも大きくなっているが、車重が重たくなっていることで動力性能的には相殺されてほぼ同等と感じた。ドライブトレーンのハード部分は、北米で販売されるカムリハイブリッドの進化版ということになる。日本ならエスティマハイブリッドにも同じ2.4Lハイブリッドが採用されている。この2.4Lエンジンの細部を細かく細かく改良したのが今回のHS250h。新型プリウスと開発時期がほぼ同じということで、エンジン本体ではローラーロッカーアームの採用や、周辺機器ではオイルポンプやウォーターポンプまで電動化して負荷を低減したり、クールEGR、排気熱再循環システムなどを採用することで暖機運転が短時間で完了するようにするなど、燃費向上に対する最新技術はプリウス用1.8Lと同じ技術が投入されている。そのため、「ハイブリッド技術の進化度はどっちが上!?」と聞かれたら、「両車同程度。だが、現時点では両車ともに最先端」という答えとなる。10・15モードは23.0km/Lでプリウスの約65%程度だが、車重と排気量を考えれば妥当なライン。一般的な2.4~2.5L車の10・15モード燃費が11~12km/L 程度ということを考えれば、約2倍の10・15モード燃費をマークしているのだから、カテゴリー内での「伸び率」はプリウスと同等だ。さて実走行燃費は!?

やっぱり気になるHS250hの燃費はどんなもん?

手前がHS250hのエンジンルーム。2.4Lの直4エンジン+モーターのハイブリッドでシステム出力190ps、奥はIS250で2.5LのV6エンジンで215ps、26.5kgmを発揮する

手前がHS250hのエンジンルーム。2.4Lの直4エンジン+モーターのハイブリッドでシステム出力190ps、奥はIS250で2.5LのV6エンジンで215ps、26.5kgmを発揮する

10・15モード燃費23.0km/LのHS250h。やっぱりハイブリッドということで実走行燃費が気になる。試乗会場となった御殿場市周辺の一般道(主に国道246号線)を35kmほど走って車載の燃費計でチェックすると、15.1km/Lという数字。同区間をIS250で走ってみると今度は11.0km/Lを示した。うーん、微妙……。IS250の10・15モード燃費値は11.8km/Lで達成率93.2%なのに対し、HS250hの達成率は65.2%。走った道は信号でのストップ&ゴーもあったし、そこそこ混雑もあってハイブリッドには決して不利ではなかったのだが……。

ところで気になるHS250hは売れているのか?

プリウスの大人気は相変わらずとどまるところを知らず、納車はすでに来年3月を超え、4月以降という地域がほとんど。納期8カ月待ちなんて、ここ10年聞いたことがない。ちょっとした社会現象といってよかろう。さてこちらレクサスHS250hはどうなんだろう!? 扱いはもちろんレクサス店のみ。月販目標台数は500台と、かなりの控えめとなっている。「発表直後でまだ受注台数の集計は発表していない」とトヨタ広報部ではいうけれど、販売店を取材したところ、概数ではあるものの、全国ですでに1000台以上の受注があり、まずは滑り出し順調といったところだろうか。納期に関しては、特に大幅な遅れなどは発生しておらず、通常の2~3週間での納車となっているもよう。「プリウスからお客様が流れてくる、ということはないですね。やはりプリウスは徹底した低燃費がクルマの魅力ですが、HS250hは燃費の絶対値ではプリウスにはかないません。ボディも大きいですし、車重もあります。レクサスのクルマに乗りたい、だけどハイブリッドが欲しい、というお客様が多いです。今ならすぐに納車できますし、新しいレクサスの魅力を感じていただけると思います」と都内レクサス店。グレード別販売比率に関しても、正式な集計発表はされていないが、販売店を取材するとバージョンSとバージョンIがほぼ半々とのこと。最も高いバージョンLと最廉価標準車はほとんど出ていないとのことだ。プリウスが納車に時間がかかる今、HS250hに目を向けてみては!?

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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