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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
フェアレディZバージョンNISMO NISMOの名を冠したフェアレディZの中身とは? ワークスチューン究極のZ登場

【本記事は2009年7月にベストカーに掲載された記事となります。】フェアレディZのパフォーマンスを磨き上げた「バージョンNISMO」が新型、Z34型フェアレディZにも加わった。“NISMO”とは、いうまでもなく、日産のモータースポーツ部門を担当するバリバリのワークス。バージョンNISMOはニスモが持っているマシン作りのノウハウ、技術を盛り込んで企画。実際の開発、生産、販売をオーテックジャパンが担当するかたちで生み出された。オーテックジャパンは日産の子会社で、特装車などの開発、生産を担当する会社。ニスモとオーテックという日産の誇るワークスチューナーがフェアレディZをよりスポーティに仕上げたのだから、『間違い』があろうはずもない。
NISMOの空力テクノロジーを市販車にも!!

こちらノーマルZの姿だ
開発陣が最も自信を持ってアピールしているのが空力性能。エクステリアを見ればわかるように、ノーマルZよりもツルリ、ヌメリとしたボディラインがバージョンNISMOの特徴で、実物を見れば違いがすぐわかるはず。エアロボディというと、これ見よがしの派手派手のスポイラー類がイメージされるけど、バージョンNISMOの空力パーツは決して派手ではない。「ノーマルZのCD値を悪化させることなく前後マイナスリフトを実現したのが自慢です」とオーテックジャパン総合マーケティング部眞崎敏史部長は胸を張る。

「旧型のZ33バージョンNISMOでは120km/h時のダウンフォースがフロント5kg、リア15kgでした。今回のZ34バージョンNISMOではフロント8kg、リア17kgのダウンフォースを出すことができました。しかもCD値は0.30のままです」と。空力のポイントはロングノーズ化とリアスポイラー。そしてスムーズにエアを流すフロア下の形状だ。全長は4405mmとなり、155mm長くなっているが、フロントノーズ部で90mmも延長されているのだという。このノーズ左右はカナード形状として、サイドに効率よく空気を流しているのだ。いっぽうリアセクションではバンパー下部をディフューザー形状とし、65mmノーマルより延長。フロア下の空気を効率よく後方に流すとともにリアスポイラーを装着。
ボディ、エンジンも強化している!!

赤いヘッドカバーが印象的なエンジンルーム。エンジンは355ps、38.1kgmを発揮
ボディは基本骨格が充分高剛性なため、補強はストラットタワー部のみで充分だったという。また、フロントメンバー部とリアサス取り付け部にはボディ骨格を結ぶヤマハ製パフォーマンスダンパーが装着され、振動減衰をチューニング。堅くてしなやかなボディを実現し、スポーティなハンドリングを演出しているという。エンジンは本体内部には手をつけず、コンピュータと吸排気系のチューニングで355ps/7400rpm、38.1kgm/5200rpmにパワーアップ。19psのアップは最高出力発生回転を400回転引き上げることで実現しており、高回転まで回るスポーティフィールの高いエンジンとなっている。

「中速域のトルクはノーマルよりもちょっと落ちているのですが、もともと3.7Lあり、トルクは太いのでそれほど気になることはありません。それ以上に、トップエンドの伸びが気持ちいいエンジンに仕上がりました」と眞崎部長。バージョンNISMOはノーマルのバージョンSに対して80万円アップ(7AT=504万円、6MT=493万5000円)。だが、日産ワークスチューンの真髄を味わえるハイレベルの仕上がりを考えれば大いにリーズナブルだと思う。もちろん日産ディーラーで普通の新車として購入できるし、保証も通常の日産車と同様なので安心感も大きい。