中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
これぞイタリアンインパクト!! 絶妙のハンドリングのミト
アルファロメオMiTo(ミートと読むんだって)が早くも日本にやってきた。

ボディサイズは全長4070mm、全幅1720mm、全高1475mm、ホイールベース2510mmとコンパクトながら、存在感はバッチリなのがアルファなのだ
【本記事は2009年6月にベストカーに掲載された記事となります。】ミニの大成功を見てフィアットは500をリバイバルさせ、狙いどおり見事ヒットさせたけれど、そうなるとアルファにも同じようなプレミアムコンパクトが欲しくなる。グランデ・プントをベースにアルファ初(だよね?)のコンパクトスポーツを開発、ミート登場とあいなったわけだ。その際に重要なのは、何を“アイコン”にすべきか? ってこと。500はひと目見れば誰でもわかる偉大なご先祖様へのオマージュだけど、アルファの場合はどうする? アルファの歴史にはキラ星のごとく名車が揃ってるけど、コンパクトカーとしてリバイバルさせたくなるようなクルマは意外に思いつかない。
走りっぷりも熱すぎず温かすぎず、ほどよくスポーティでバランスがいい

インテリアはアルファらしくスポーティでオシャレなデザインにまとまっている。6MTは操作性が非常によく、気持ちいい
で、結果として選ばれたのがこれまた復活版スーパーアルファの“8Cコンペティツィオーネ”。4.7L、V8スーパースポーツのイメージを全長4mチョイの2ドアHBに投影するのはちょっと“ムリヤリ”な気もするけど、そこをまとめ上げるデザイン力はさすが。写真で見ると「どうかなー?」と思ってたけど、現物はコンパクトながら力感あふれるマッシブな造形がけっこうイケてる。結果的にはすごく個性的なホットハッチが誕生したんじゃないかと納得させられちゃうのだ。走りっぷりも熱すぎず温かすぎず、ほどよくスポーティでバランスがいい。1.4Lターボのエンジンはプラットフォーム同様グランデ・プント・アバルトと共通で、155ps/20.5kgmというスペック。いまどきの基準ではそれほど強烈というほどではなく、むしろターボにありがちな段つきがなくスムーズに吹ける素直さが売りだ。
世界遺産に指定したくなるような職人芸

とにかくフレキシブルだから、4速/1000rpmアクセル全開みたいな“イジワル”をしてもゼンゼン平気。苦もなくフルスロットルを受けつけ、2000rpmも回ればぐんぐんブーストが上昇、6500rpmまで気持ちよく吹け切ってしまう。ハンドリングについても、まさにセッティングの妙。目を吊り上げてワインディングをカッ飛ばすタイプではないのだが、切れ味のいいステアフィール、軽快なターンイン、とっても軽いアンダーステアといった好材料が揃っていて、ついついワインディングではペースが上がっちゃう。このへんの「運転そのものを楽しくする魔法の味つけ」は、まさにイタリア人のDNAがなせるワザ。日本のハイブリッド技術も凄いけど、こういうアナログなセッティング技術もクルマ作りの重要なキーテクノロジー。これはこれで世界遺産に指定したくなるような職人芸だと思ったね。