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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04
日産5人目の養子を迎え発表 その名はKIXキックス 孝行息子となるか?
高須松平藩の孝行息子4兄弟

ボディカラーは、パジェロミニが単色5色に加え、2トーンカラーが3色、3ウェイ2トーンカラー3色が用意されるが、キックスは単色6色のみ。ボディカラーの種類もデニムブルー(パジェロミニはダークブルー)やミディアムグレーがパジェロミニにはない
【本記事は2008年12月にベストカーに掲載された記事となります。】美濃(今の岐阜県)に尾張徳川家の分家で、高須松平という藩があった。石高三万石という小大名であった。幕末、この家には八人の男子があった。子供たちはみんな容貌に優れ、才気があったため、徳川一門の諸名家から養子の口が殺到した。長男と四男は早世したが、次男は尾張徳川家、三男は石見浜田家、五男は一橋大納言家、六男は会津松平家(松平容保)、七男は伊勢桑名家の養子となり、八男が生家を継いだ。(『王城の護衛者』〈司馬遼太郎著〉講談社刊参照)
日産がクルマを養子(OEM)に出すのではなく、次々に養子をもらう

内装はパジェロミニが焦げ茶色に対して、キックスはブラック。ステアリングはまったく同じ形状(日産のエンブレムが付く)
この話を聞いて思い出すのが日産である。日産がクルマを養子(OEM)に出すのではなく、次々に養子をもらうのであるが、いずれの養子も孝行息子で、日産家の発展に大きく寄与するのが驚きである。まず、最初は’02年4月、スズキ家のMRワゴンを養子に迎え、モコと名乗らせた。’04年以降は本家を凌ぐ勢いで、’08年1~9月の累計販売台数ではMRワゴンの2万1252台に対しモコは4万6480台。次男は’03年8月に三菱家からミニキャブ/タウンボックスを迎え、クリッパーと名づけ、’07年6月には乗用はクリッパーリオと改名。’08年1~9月累計販売台数ではタウンボックスが2921台、クリッパーリオが4552台とこれもまた孝行息子である。
五男となったのがキックス

パジェロミニのOEM車です
三男は’05年6月、三菱家からeKワゴンをオッティ(2代目は’06年10月)として、’07年1月にはスズキ家からアルトをピノとして四男に迎えた。’08年1~9月の累計販売台数は、オッティが2万3871台(eKは4万1630台)、ピノが1万6737台(アルトは5万3254台)と、本家を凌いではいないが日産家の売り上げに寄与している。そして10月30日、三菱家からパジェロミニを迎え、五男となったのがキックスである。さて、このキックス。どこがパジェロミニと違うのか? まず、パジェロミニにはラインアップされるNAの2WDがキックスにはないこと。ラインアップは全車ターボの4WDで、RS=140万2800円(MT)/146万5800円(AT)、上級グレードのRX=152万8800円(MT)、159万1800円(AT)と2グレードとなる。パジェロミニと価格を比較すると、キックスRSとほぼ同装備のパジェロミニZRターボ(132万9300~139万2300円)より7万3500円高い。キックスRSにはフロントフォグランプが標準だが、パジェロミニZRに付くマッドガードが付かない。
はたして孝行息子になるだろうか

MRワゴン→モコ ’06年2月にMRワゴンのOEM車として登場。累計販売台数は、’07年はMRワゴン4万6213台、モコ6万7526台、’08年1~9月はMRワゴン2万1252台、モコ4万6480台
キックスRXとほぼ同装備のパジェロミニVRとの価格差は9万4500円でキックスRXのほうが高い。装備もフォグランプとマッドガードが付くか付かないかの違いだ。外装で大きく違うのはグリルだ。パジェロミニは横棒2本、キックスは格子グリル。パジェロミニはパジェロを連想させるけどキックスはサファリに見えませんか?64ps/9.0kgmの直4IC付きターボはもちろん、イージーセレクト4WDもパジェロミニと同じ。本家パジェロミニの月販目標台数は900台に対し、キックスは控えめな300台。はたして孝行息子になるだろうか?