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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

エスクード マイチェン 大幅進化で悪路走破性にさらに磨きかかる!!

【本記事は2008年8月にベストカーに掲載された記事となります。】軽という規格のなかで進化した本格派のクロスカントリーカーのジムニーだが、そのタフさへのこだわりをベースに、都会での使い勝手を盛り込んだSUVが1988年に登場したエスクードだ。現在の3代目は’05年5月に誕生し、今年6月のマイチェンでは、V6の2.7Lと直4の2Lのエンジンを各々3.2Lと2.4Lへとスケールアップしている。V6の最高出力は40psアップの224ps、最大トルクも3.5kgm向上して29.0kgmとなり、その発生回転数は2.7Lよりも1000回転も低いのだ。いっぽう、直4エンジンは最高出力を21psアップして166ps、最大トルクは3.4kgmも高め、22.9kgmを発生。スペック的にも大幅な性能向上が見てとれる。今回の試乗地は伊豆のキャンパーとオフローダーの遊園地、伊豆モビリティーパーク周辺。まずは3.2L、V6で、伊豆スカイラインに乗り出してみた。5ATのDレンジでの走り出しは軽く、エンジンの静粛性が向上しているのがすぐにわかった。相当にきつい勾配で、意地悪く最小のアクセルで粘らせてみると、以前なら2速にダウンするようなシーンでも、3速のままトルクでカバーする。そのぶん、2000回転前後はトルクの厚さが体感でき、その先の3000回転までの領域では粘るゆえ上昇感が鈍い部分もあるが、それだけ回転に頼らず低燃費走行が引き出しやすいともいえる。もちろん多めにアクセルを踏むか、マニュアルシフトしてやることで、力強いV6特有の加速を得られる。稜線に出ると、高めのアイポイントからの眺めはよく、私の身長だと、一番シートポジションを低くしても、ボンネットが見渡せて取り回しやすい。座面をアジャストすることで、身長170cm以上の方ならこの感覚が得られ、小柄な女性ではボンネットこそ見えないがセダン感覚で取り回し可能だ。

ハンドリングはスポーティ

3.2LのV6モデルでのオンロード走行では新型エンジンのトルクの厚さを実感できた

3.2LのV6モデルでのオンロード走行では新型エンジンのトルクの厚さを実感できた

ステアリングの落ち着きもよく、ハンドリングはスポーティ。同行したパジェロだと、背の高さを感じ、そのぶんしっとりとした乗り味だが、対するエスクードははるかにスポーティセダン的にロールも少ない。サスペンションはヨーロッパ仕様より国内向きに柔らかくセッティングしているとのことだが、山岳路で荒れ気味だったが逆に日常速度ではしっかりした印象。これには新採用の18インチタイヤも加味している。速度を高めるほどに落ち着きを増し、クルージング性の高さを実感できた。いっぽう、2.4Lはオフロードコースで体感。4ATながらXGは装備的にも不足なし。ESPなどABSとトラクションコントロールの総合電子制御のデバイスはV6モデルに標準装備されるが、2.4Lにもセットオプションできる。フルタイム4WDでもしっかりと副変速機の4Lギア(直結ローモード付き)を持つのがこだわりであり、エスクード最大の個性だ。とはいえ操作は非常に簡単。インパネのロータリースイッチをひねるだけで通常走行モードから4Lの直結ローモードまでが操作できてしまうのだ。4Lだと加速は力強く、しっかり吹け上がり、3速での中速コーナーは砂利のダートながらグリップよく回頭し、さらに踏むとリアがパワードリフト状態になるのだ。

モーグルも難なくこなす

ここからがセンターデフロックのスポーティさが発揮されるところで、ドリフトのコントロールも容易だ。ただし、最初の荷重移動からのステアリングを合わせないとアンダーステアも顔を出すが、まさに操る楽しさは健在。V字谷を安定してこなし、圧巻はコブの連続するモーグル地形。たとえセンターデフロックしても対角線にタイヤが浮くと本来は駆動力が伝わらないのだが、空転するタイヤにブレーキという擬似路面を掴ませ、接地しているタイヤに駆動を伝えるのがESPなのだ。天に片足を上げようが、ジワッとアクセルを踏んでやれば、ググッグイッと前進してしまう。フルにサスペンションがストロークしていてもボディ剛性などの向上で全体の制振性は大きく進化。降坂路ではAT車ならヒルディセントコントロールが自動的にブレーキを作動し、10km/h以下で下れる。ドライバーはステアリング操作のみに集中していればいいのだ。登坂での坂道発進は難しいテクニックのひとつだが、これもヒルホールドコントロールで、フットブレーキから2秒以内にアクセルに踏みかえればなにごともなかったように完璧な坂道発進がサポートされる。これらの装備はメルセデスのMクラスやランドローバーなどの特権だったのだからたいしたもんだ。それにしても、こだわりのデバイスが満載のエスクードの価格設定には驚かされる。特にV6モデルの安さにはビックリでもオススメは2.4L。MTの設定があるのもエスクードの魅力で、スポーツ性だけでなく、好燃費も引き出せる5速MTもいいものだ。V6はスポーティだが、本革シートなど乗り味もコンフォートな仕様でメリハリをつけてもさらに魅力が増しそうだ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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