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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04
注目車試乗4 排気量DOWNでも走りは大幅UP!VWゴルフ
絶好調のTSI軍団に新たな仲間

ターボによるシングルチャージ、水冷式インタークーラーなどを採用する新1.4TSIエンジン。0~100km/h加速9.4秒、最高速度197km/h(ドイツ仕様)は2L FSIエンジンと同等の性能
【本記事は2008年7月にベストカーに掲載された記事となります。】過給技術をうまく使ってエンジンをダウンサイズし、ミッションは機械効率のいいDSGに置き換える。フォルクスワーゲンの誇るTSIシリーズは、ガソリンエンジンの進化の王道を歩むテクノロジーといっていい。販売的にもこのTSIシリーズは好評で、’07年に日本で売れたゴルフの約半分がTSI+DSG。これまで、輸入車にはあまり燃費メリットを誇れるクルマが少なかったこともあり、「燃費のいい外車ならVWのTSI」という定評ができつつある。そんな絶好調のTSI軍団に新たな仲間が加わった。
1.4Lとは思えないレスポンスの力強さ

今度のTSIの技術的特徴は、過給器系を超コンパクトにまとめた1.4Lターボと、乾式クラッチを採用した7速DSGトランスミッションをそれぞれ新開発したこと。技術的にはすごく贅沢なパワーユニットながら、TSIシリーズのなかではベーシックモデルという位置づけで、これを従来の1.6LFSI+6ATと置き換えてゆく計画だ。この新エンジンを搭載したゴルフTSIトレンドラインに試乗したのだが、従来のゴルフE(1.6L)に比べるとトルクの絶対量がまったく違う感じのパワーフィール。とりわけ、高速の追い越し時などでグイッと踏んだ時のレスポンスなどは、とても1.4Lとは思えない力強さに感心する。スペックを見ると最高出力の122psは1.6FSIの6psアップにすぎないが、20.4kgmの最大トルクは2.0FSIと同等。しかも、それを1500~4000rpmの幅広い回転域に供給する。「なるほど、パワフルなのも当然」と納得する実力を備えているわけだ。
TSI人気がますます高まることは明らか

ターボのみのシングルチャージということで懸念された低回転域のターボラグも、ゼロとは言わないが実用上はほとんど気にならないレベル。おそらく、普通のトルコンATを組み合わせたらカッタルさが残ったと思うけれど、7速DSGの歯切れのいいシフトフィールと三菱重工製の超小型ターボが、このウィークポイントを上手にカバーしてドライバーに違和感を感じさせることはまずほとんどない。これだけのハイテクパワーユニットを投入しながら、価格は従来のゴルフEからわずか3万円アップの248万円。TSI人気がますます高まることは、こりゃもう火を見るよりも明らかだと思いましたね。