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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

7月までの限定スペシャル ボディを鍛えた三菱コルトラリーアートバージョンR

ボディが強化されたことで、タイヤの接地変化が抑えられ、トラクションが向上したことで、より積極的に攻めの走りができる

ボディが強化されたことで、タイヤの接地変化が抑えられ、トラクションが向上したことで、より積極的に攻めの走りができる

【本記事は2008年5月にベストカーに掲載された記事となります。】「コルトバージョンRの時点でもかなりガッチリしたボディになっていたからね。それをさらに強化したんだから、こいつは期待できるよ」と言い残してコースに飛び出した山内伸弥氏。ツイスティな岡崎テストコースのハンドリング路をハイペースで周回を重ねる。「想像以上によくなっている。効果絶大。これは相当な価値ものだね」と満足げな表情。コルトバージョンRに追加された特別仕様「コルトバージョンRスペシャル」を試乗してのファーストインプレッション。「メーカーでなければ絶対にできないボディ補強というのがポイント。ラリー車作りでもここまではできない」と山内伸弥氏がいう、その内容とは!?

特別仕様「スペシャル」の意味はな・な・なんと!!

一台一台手作業で連続シーム溶接

一台一台手作業で連続シーム溶接

搭載される1.5LターボエンジンはMT仕様では最高出力163馬力、最大トルク21.4kgmを発揮。デビュー時は最高出力154馬力だったが、昨年1月、最高出力が9馬力アップし、さらにドライバビリティも向上していたのだ。で、今回の特別仕様「コルトラリーアートバージョンRスペシャル」の登場。何がスペシャルなのかというと、さらなるボディ剛性のアップ、がそのポイント。三菱のコルトR開発陣は非常に熱いクルマ好きの集団。’06年5月にコルトRをリリースすると、「さて、やり残したことは何!?」、「ほかにどんなことをやったらもっといいクルマになる!?」と必死に研究を重ねた。そして導き出された回答が、根本的なボディ剛性の向上の追求、だったのだ。そのために、わざわざ岡崎工場のラインで組み上がったホワイトボディを、岡崎工場内にある試作車製作部門に運び込み、一台一台、熟練工が手作業でドア開口部のパネル貼り合わせ部分を専用開発された溶接機で連続シーム溶接を施すという、非常に手間と時間のかかる方法を編み出した。通常、ボディの組み立てはスポット溶接で要所要所を点で接合する方法をとるのだが、よりガッチリしたボディ剛性を求めると、接合部全体をスキマなく貼り合わせる連続シーム溶接が効果的。「スポット溶接がボタン留めだとしたら、連続シーム溶接はジッパー留めのようなもの」と開発陣はいっていたが、まさにそのとおり。前後ドア4カ所のパネル接合部を丁寧に連続シーム溶接することで、通常のコルトRよりも約10%程度ボディ剛性が高められている。ラインで自動化することなく、一台一台手作業で溶接をするのは、このシーム溶接、非常にデリケートな作業が要求されるので、自動化は難しいのだという。溶接ポイントの微調整、溶接方向、電圧のコントロールなど、熟練工が細部を確認しながら、丁寧に作業をしている。ちなみに、専任スタッフ2人がつきっきりで作業をして1台を仕上げるのに約3時間かかる。

このスペシャル溶接の効果はいかに!?

カーボン調センターパネル、シルバーステッチ本革ステアリングなどは専用装備である

カーボン調センターパネル、シルバーステッチ本革ステアリングなどは専用装備である

走りの評価は、ラリー車の細かなセッティングに一家言ある山内伸弥氏にお任せした。「走り出して10mで違いがハッキリとわかるほど。まったく違っている。ガッチリしているんだな。いい感じだよ。まっすぐ走っていても路面の継ぎ目などを通過する時にボディがしっかりしているのがわかる」といきなり好評価。「コーナーの立ち上がりで特に顕著な差が出る。標準のコルトRはアクセルを踏んでいくとイン側のタイヤがホイールスピンする。が、こっちは同じようにアクセルを踏んでいってもトラクションがしっかりかかるんだ。ちゃんと両輪が接地しているからだね。ボディのねじれが少ないので、接地変化量が小さくなっているのが最大の理由だと思う。限界付近でのクルマの挙動、コントロール性もワンランク上がっている」と分析。「コーナーの飛び込みでも、標準車だと“あっ、これは怖いな”と感じてブレーキを踏むところも、スペシャルだとスッと入っていける。挙動が安定しているので不安感が少ないのが理由。思いのほかに効果は大きいと思う」という。

わずか33万3500円でこのスペシャルが手に入る

この「スペシャル」の価格は232万500円。標準のコルトRの33万5500円高なのだが、実はスペシャルにはレカロシートが標準装備となっており、レカロレスだと12万6000円安い219万4500円。標準コルトRの20万9500円高ということになる。しかも、「スペシャル」にはラリーアート製マフラーや専用ステッチの本革ステアリングやカーボン調インパネルなどが採用されているので、あの手間のかかった溶接代は10万円台。あの連続シーム溶接は、絶対にアフターではできない、メーカーならではの文字どおり「スペシャル」メニュー。その価値がわかる人には、破格の値段だと思う。この「スペシャル」、台数限定ではなく7月までの期間限定だが、手間のかかる生産工程なので、300台程度の生産が限度なのだという。4月22日に発表されている。急げ!!

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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