CVTでホントに大丈夫か心配だ！　三菱コルト ラリーアートバージョンRはCVTでもスポーツできるのか？ 気持ちよさは？

【本記事は2006年7月にベストカーに掲載された記事となります。】専用チューンされた1.5Lターボを搭載するホットハッチ、コルトラリーアートバージョンRがデビュー。このクルマには5MTのほか、6速マニュアルモード付きCVTがラインアップされている。CVTといえば効率重視のため燃費志向、というイメージも強い。さて、コルトラリーアートバージョンRはCVTでもスポーツできるのか？ に迫る！コルトラリーアートバージョンRはFFターボで育った僕ら世代の人間には大歓迎のモデル。小さなボディにパワフルなターボを搭載したモデルだ。このクルマは5MTでいかにもクルマを操っているぞ、という感覚に浸るもよし、CVTでも充分にスポーツ走行を楽しむことができる。CVTの乗り味として、メリハリがない、というのがあるが、コルトバージョンRのCVTモデルはアクセルのオン／オフに対し、メリハリがある。つまり、アクセルをオフすれば前輪荷重にすることができる。だから、MTモデルとなんの遜色もなくタックインもできるし、楽しむことができる。そしてここが重要なのだが、クラッチ操作が必要ないので、アクセルやステアリング操作に集中することができるというのもポイントが高い。（桂伸一）

駆動方式に関係なく、クルマはパワーの出方がマイルドなほうが乗りやすい。そういう意味ではコルトバージョンRもCVTのほうが乗りやすい。つまり、扱いやすく、手軽にスポーツできるといえる。どうしてもギンギンに高回転まで引っ張って乗りたい、と言うならMTとなるが、気持ちよさを追求するならCVTで充分。おまけに自動変速モードのほか、CVTには6速のマニュアルモードもあるので、操作感を楽しむこともできるといいことずくめ。バージョンRの場合、CVTのベルトの保護、耐久性の確保という点から、1.5Lターボエンジンは、5MTとCVTではエンジンの最大トルクとトルク特性が変更されている。具体的に言えば、MTが21.4kgmに対しCVTは18.3kgm。この差はどうなのか気になるところだと思う。結論から言えば、まったく問題のないレベルだ。確かに登りが続くようなところでは、5MTの3kgmのアドバンテージはあるが、CVTのほうはアイドリング＋αの2500回転という低回転で最大トルクをマーク（MTモデルは3500回転）。このトルク特性が低回転域での扱いやすさ、加速感を実現させている。私が購入するなら、CVTモデルを選びたい。（横越光廣）

コルトバージョンRのCVTはMTモデルより低回転で最大トルクをマークするので、扱いやすいというメリットがあるが、実はワインディングを走ってみて、それ以上に大きなメリットがあることがわかった。それは、ギア比にある。MTの場合、2速では上に当たってしまうが、3速ではちょっとトルク感がなくダル、という状況は往々にして起こるが、CVTの場合、常にエンジンが適正回転にアジャストされるから、そういったストレスも感じない。それから、MTはシフトチェンジする時にはクラッチを切らなければならず、これは速く走ろうとする場合には、ロスにつながる。しかしCVTは無段階変速だから、その息継ぎ感もなく、ブーストが下がらないので効率よく速く走ることができる。一般レベルのドライバーがMTとCVTで同じコースをタイムアタックすると、CVTのほうが速いと思う。クルマを操っているという感覚はMTの醍醐味だが、スポーツ性能という点に関しては、ほぼ互角でしょう。価格も同じだから悩むよね。（本誌・梅木）

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