スバルの命運を握る勝負グルマだ！！　ステラ、ワゴンRを追い越せ！

【本記事は2006年7月にベストカーに掲載された記事となります。】発表会で竹中社長が「ボリュームゾーンのど真ん中で勝負」と言ったステラ。スバルはR1、R2と個性的なニューモデルを新たに加えたが、販売状況はいまひとつ。この思わぬ事態にもっと幅広いユーザーをターゲットにしようと作った新型の軽自動車だ。現在、軽自動車のベストセラーといえばスズキのワゴンRにダイハツのムーヴ、そしてホンダのライフがその次に続くような売れゆきをみせている。そこで、この売れ筋マーケットのど真ん中に投入するべくステラは誕生したのだ。

というわけで、現在主流なのがこれらの背の高いミニバンスタイルの軽ワゴン。その全高はワゴンR（RR）が1635mm、ムーヴが1630mm、ホンダの新型車ゼストが1635mmといずれも1600mm以上となっている。そこで、ステラはワゴンRなどのライバルたちを上回る全高1645mmとするボディサイズで、広い室内を重視。ほぼ同時期に登場したソニカが全高1470mmと低くスポーティな路線を狙っているのに対して、背の高い軽ワゴンカテゴリーに参入するステラはソニカとはまったく対照的なコンセプトのモデルとなる。

そんなワゴンRとほぼ同じボディサイズで登場したステラのライバル意識はシリーズ構成にも表われている。ワゴンR、ムーヴともに標準仕様とスポーティ仕様の2つをラインアップしているが、ステラもまた標準仕様の「ステラ」と「ステラカスタム」の2シリーズを設定する。エクステリアはこの標準仕様とカスタムではフロント回りを中心に大幅に差別化が図られており、標準ステラはシンプルなテイストとなり、いっぽうのカスタムはより押し出しの強いグリルや大型フォグランプを装着したエアロフォルムバンパーの採用などでワイルドに仕上げられている。男性も女性もどっちもステラは似合うのだ。

もうひとつの注目がインテリア。室内長1805×室内幅1205×室内高1295mmという室内サイズはワゴンRよりも室内長で45mm、室内幅で90mm、室内高10mmそれぞれ狭く、ライバルたちと比べるとアドバンテージはないのだが、優れているのは使い勝手のよさ。Lを除くグレードに採用した左右独立で200mmのロングスライドが可能なリアシートはとても便利だし、メーカーオプションで用意されている助手席のシートバックを前方へ水平に倒せる機能もユーティリティが高い。

エンジンはR2にも搭載されている直4DOHC＋スーパーチャージャー（64ps／9.5kgm）と同じく直4DOHCのNA（54ps／6.4kgm）の2タイプで、他社と違い直4のみとこだわりをみせている（標準ステラはNAだけの設定）。新開発のCVTが組み合わされ、10・15モード燃費は2WDで、スーパーチャージャーが18.8km／L、NAが22.5km／Lで、特にNAはクラストップの低燃費を実現する。4気筒なのに価格的にもたいへん安く設定されているのも嬉しい。価格帯は98万7000～150万5700円で、ムーヴより3万～4万円程度安い。

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