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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
スバル レガシィB4、3年目のBIGチェンジ 超絶進化!! まるでフルモデルチェンジのような変化にビックリ!
・変更点1/エクステリア

手前がメッシュグリルのスペックB、奥が標準タイプのフロントマスクだ
【本記事は2006年6月にベストカーに掲載された記事となります。】5月24日にマイチェンされたレガシィ。内外装のリファインにとどまらず、シャシー関係の強化やエンジンチューンの見直しなど、徹底的に手が入れられている。さらに、今回の目玉となるのがエンジン特性を3タイプに切り替えることができるSI-DRIVEと呼ばれるシステムの採用だ。2Lターボの2.0GTと6気筒3Lの3.0Rに標準装備されるシステムで、シフトノブ後方のスイッチで簡単にI、S、S♯と3タイプのモードを選ぶことができる。Iモードは燃費重視、Sは通常、S♯はレスポンス重視のエンジン特性となる。SI-DRIVEのモードによる走りの違いは27ページのコラムで解説する。・変更点1/エクステリアそうはいっても、まず気になるのが見た目の変更点だろう。エクステリアは、パッと見ただけでマイチェンしたな、とわかる違いをアピールしている。特に変化が大きいのがフロントマスク。フロントグリルデザインとバンパー形状、ヘッドライトの造形が変わったことで、フロントマスクの印象は大きく変わった印象となっている。ヘッドライトはサイドに回り込む縁の部分が従来は直線的だったものが切れ長になったことでシャープな印象となっている。フロントフェンダーのプレスラインも若干デザインが変更されていて、全体的にシャープなフロントマスクとなった印象だ。2.0GTと3.0Rに設定される「スペックB」は、フロントグリルがメッシュタイプのものとなって、スポーティな雰囲気をアピールしているのが特徴的。また、ヘッドライトのレンズがブルーになっているのでノーマルと違いが一目瞭然。
あまり変わった印象がないリア

ツーリングワゴン 写真はツーリングワゴン2.0GT。フロントグリルは航空機の翼をイメージしたウィングスグリル。フェンダー側に向かって切れ長に伸びているヘッドライトが印象的。リアはテールゲートのメッキモールがポイントだ
フロントの変更に対しリアはあまり変わった印象がない。セダン、ワゴンともにリアコンビランプのウインカー部がクリアタイプとなっているのがポイント。セダンでは、このコンビランプがやや横長になっているのだが、これは新旧を並べて見比べないとわからないかもしれない。さらにリアバンパーの形状も若干変更されている。ワゴンはテールゲートのメッキモールが違いを主張している。
変更点2/インテリア

大きく印象を変えたインテリア。オーディオ操作系が収まるセンターパネルはブラックパネルとなり精悍な印象。また、ここからつながるATシフト部のデザインは大きく変更されていて、高級感が増している。ステアリングはデザインだけではなく、グリップ形状も変更されていて、操作感がよくなっている。2.0GTと3.0RではATのスポーツモードにパドルシフトが採用されているのがポイント。従来はステアリングスイッチだったのだが、ステアリングコラムから生えているパドルシフトで操作性はグンとよくなっているのがうれしい
・変更点2/インテリアドアを開けてさっそく乗り込んでみた。「おっ、変わったじゃん!!」パッと見ただけで新しくなったな、と実感させてくれるインテリア。特にポイントとなっているのはクォリティ感のアップしたセンターパネルからシフトノブ周辺とステアリングのデザイン変更だ。センターパネルはメタリックな素材感がスポーティな雰囲気をアピールしているし、ステアリングはセンターバッドのデザインだけではなく、グリップ形状も変更されていてタッチもよくなっている。さらに、スポーツモードATを採用している3.0R、2.0GTなどでは、旧型のステアリングスイッチに代わり、本格的なパドルシフトが採用されている点も見逃せない。ステアリングコラムから生えているパドルは、ステアリングの動きとは関係なく、いつも同じ位置にあるので、激しくステア操作するサーキット走行でも操作ミスすることなく確実に扱えた。これはうれしい改良ポイント。シートは、パッと見たところでは大きな違いは感じなかったが、微妙に形状が変更されており、より長時間のドライブでも疲れが少ないように工夫しているということだ。
変更点3/エンジン

2.0GTに搭載される2Lターボは、カタログ上のスペックに変更はないものの、中身は大きく変わっている
・変更点3/エンジン【2Lターボ】280ps/6400rpm(AT用は260ps/6000rpm)、35.0kgm/2400rpmというスペック表の数字に変更はないが、実は内部には大幅な変更が加えられているというのがスバルらしい。エンジン本体ではバルブ開閉タイミングの変更、カムプロファイルの変更により吸排気効率を向上。さらに燃焼室形状や排気ポート形状変更などで燃焼効率を高めている。ターボも変更されていて、より低中速域でトルクを発揮するようになっているのであった。これらによって、実は2000回転付近でのトルクがグンと太くなっており、ドライバビリティが一段とよくなっている。さらに、SI-DRIVEの採用により、3タイプの出力特性を選べるようになっているのがポイントだ。また、2.0GTスペックBのMTが5速から3モデル専用だった6速になっているのはMT派にはうれしい。
3L6気筒

水平対向6気筒の3Lエンジンも、吸排気系のチューニングで低中速域のトルクが増大し、ドライバビリティが向上
【3L6気筒】こちらも250ps/6600rpm、31.0kgm/4200rpmのスペックに変更はないのだが、カムプロファイル、バルタイ変更、排気ポート形状変更などにより、2000~3000回転付近でのトルクが旧タイプより太くなって、ドライバビリティが向上。カッキーンと吹け上がるトップエンドの気持ちよさは変わることはない。【2.5L】アウトバックに搭載される2.5Lは、可変動弁機構の採用、吸排気性能の向上などにより177ps/6000rpm、23.4kgm/4400rpmにスペックアップしている。さらに★★★★を獲得するなど、クリーン度もアップしている。
価格はどうなった!?

メッシュタイプのフロントグリルは18インチタイヤを装着するスペックB専用。B4、ワゴンとも同じフロントマスクとなっている。ボディ、サス剛性が高められ、コントロール性が向上している
・価格はどうなった!?これだけの変更が加えられ、大きく進化しているにもかかわらず、価格アップは最小限に抑えられている。SI-DRIVEが標準装備される2.0GTはB4が298万2000円で4万2000円のアップ、ワゴンは313万9500円で同じく4万2000円のアップ。3.0RもB4が303万4500円、ワゴンが319万2000円とそれぞれ4万2000円のアップとなっている。価格アップは最小限にとどめられており、買い得感の高いマイチェンだ。
NEWレガシィ最大の注目はSI-DRIVE!

NEWレガシィ最大の注目はSI-DRIVE!気になる走りだが、試乗車はSI-DRIVが標準装備される2.0GTを中心に話を進める。SI-DRIVEは2.0GTと3.0Rに標準装着されており、シフトノブ後方のスイッチでエンジン特性をI、S、S♯の3タイプに切り替えることができるメカ。ワンタッチで超スポーツモードからエコモードまで自由自在に選ぶことができるようになっている。
各モードで走行

2.0GTスペックBのMTが従来の5速から6速に変更されたのは、MT派にはうれしい!! SI-DRIVEはATだけではなく、MT車にも標準装備されている
まずはIモードで走り出す。このモードはエコモードとなっていて、ターボのブースト圧を抑えることでパワー、トルクを低く抑えたモード。おおよそ最高出力190馬力、最大トルク20kgm程度になっているということだが、なるほど、レガシィのターボにしては明らかに遅くなっているし、アクセルに対するレスポンスもやや鈍くなっている。このモードでは、アクセルをベタ踏みにしてもスロットルは全開にはならないように制御されているのだという。エンジン回転も5000回転以上での吹けが明らかにフン詰まった感じ。全開でストレートを走りながらシフトノブ後方にあるSI-DRIVEのスイッチをSモードに切り替える。と、瞬間、エンジンが息を吹き返したように元気になり、回転が一気に高まる。レッドゾーンまで気持ちよく吹けるエンジンに早変わり。このモードがほぼ旧型と同等のエンジン性能となっているということだ。ただし、ターボ本体の改良やバルブタイミング、カムプロファイルの変更などといったエンジンの改良が加えられているので、より低中速域でのトルクは大きくなっており、ドライバビリティはよくなっている。そしてS♯モードはスポーツ走行モード。アクセル操作に対するスロットルバルブの動きをよりシャープにしており、また、ターボのブーストの立ち上がりも鋭くなっているため、エンジン回転が低く、また、アクセル開度が比較的小さい(感覚的には3分の1から半開程度)領域でパワフルな加速を体感できる。ワインディングロードで走った時などに、その効果を最もはっきりと体感できるだろう。細かなアクセル操作にエンジンが機敏に反応していることがはっきりとわかる。ただ、街中ではちょっとシャープすぎて運転しづらいかもしれない。そんな時はSI-DRIVEのスイッチをポンと押してやればIモードに切り替わるので、気楽に走ることができる、というわけだ。6気筒3L NAの3.0Rでも基本的には同じような制御となるのだが、ターボではないため、SとS♯の違いがちょっとわかりにくいかもしれない。Iモードは明らかにパワーダウンするのではっきりと違いを体感できた。ところで、SI-DRIVEの話ばかりになってしまったが、新型レガシィ、ハンドリングのレベルアップにもビックリさせられた。サーキットのみでの試乗だったため乗り心地に関してはなんともいえないのだが、ボディ剛性、サス取り付け剛性が高まったことで、コーナーでの姿勢変化が穏やかになっており、余裕を持ってクルマをコントロールすることが可能だ。