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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
キビキビ走って室内も広々!! ホンダ ゼスト室内高1340mmはあのタントより10mm高い
軽最大の室内を誇るゼスト

ゼストってこんなクルマなのだ
【本記事は2006年4月にベストカーに掲載された記事となります。】05年の軽自動車のシェアはスズキが32.1%(対前年比0.1%増)、ダイハツが30.6%(同5.2%増)と2社が30%越えしたのに対し、第3位のホンダは1.5%シェアを落として、12.8%にとどまった。2強、3弱模様のなかで、ご存知のようにスズキがMRワゴンをフルチェンジ、ダイハツがまったく新しいエッセで攻勢をかければ、第4位、シェア8.4%の三菱がi(アイ)で軽に新しい価値観を与えて元気一杯。単なるMRワゴンのOEMから脱したモコも快調と、まさに戦国模様。そんななかで、危機感つのるホンダがようやく新型車をリリースした。背水の陣のホンダの新作はiのような新しい提案車ではなく、まさに現存する軽自動のいいとこどりの必勝グルマであった。なんと、軽最大の室内を誇るというのだ。
BOXを強調した

ライフは女性ユーザーに強く支持されているが、ゼストは男性ユーザーにアピールしていきたいと開発陣は言う。使い勝手はライフよりもよく、ファミリーユースにも適したパッケージングだ
ホンダには人気軽自動車ライフがあるが、ゼストはライフよりも“BOX”を強調した、背の高いフォルムが特徴的。「ライフは若い女性に人気があるので、ゼストは男性、特に若い男性に乗っていただけたらうれしいですね。もちろん、ファミリーユースにも力を入れて開発しています」とは、開発チーフエンジニアの五十嵐則夫氏。
ポイント1/軽自動車最大の室内スペース実現

リアシートの居住性をタントと比べると 上がゼスト、下がタントのリアシート。室内高はゼストが1340mm、タントが1330mmでゼストが140mm高いのだ。頭上は見てのとおり余裕!!
●ポイント1/軽自動車最大の室内スペース実現ゼストの注目点は、ライフと同じ低床プラットフォームを採用しているので、全高はムーヴやワゴンRと同じクラスの1635mmなのに室内高が1340mmと圧倒的に高くなっている点だ。室内高の高さが自慢のタントが1330mm(全高は1725mm)なので、なんとゼストはタントよりも10mmも室内高が高いのであった。ちなみにムーヴの室内高は1310mm、ワゴンRは1305mm。室内高1340mmというと、なんとノアと同じなのでした。室内に入ると、「おおっ、広い!!」と思わず声が出る。頭上スペースに余裕があると、室内がとっても広く感じるものなのだ。フロア高はライフと同じだが、全高のアップに伴ってフロントシートの座面高を55mm高くしており、着座姿勢、そしてアイポイントはライフの乗用車的なものから一転、ミニバン的なものになっている。
余裕のあるリアシートのヘッドクリアランス.

リアシートの居住性をタントと比べると 上がゼスト、下がタントのリアシート。室内高はゼストが1340mm、タントが1330mmでゼストが140mm高いのだ。頭上は見てのとおり余裕!!
そんなわけで特にリアシートのヘッドクリアランスは超余裕。姿勢よくリアシートに座って頭上にコブシ2つぶんの余裕。リアシートのスライドはないため、レッグスペースではシートを最後方にスライドさせたタントにはかなわないが、それでもヒザの部分でコブシ2つぶんの余裕があり、充分なスペースがある。ただ、リアシートに関しては、背もたれの高さがあと5cm高ければもっと座り心地がよくなったと思う。肩口より背もたれが低いのは、シートの収納など、ユーティリティ面の制約でやむを得ないところもあるのだが、たとえばムーヴはキッチリ肩口まで背もたれがある。ライフより20mm背もたれの高さを高くしており、努力している点は高く評価したいが、あと5cm高くできればリアシートの居住性が格段によくなる。
ポイント2/キビキビしたフットワーク

右の写真はワゴンRの後ろにならんだゼスト。見てのとおり、全高はほぼ同じだということがよくわかる。左の写真はライフとならんだところ。ゼストのベースとなっているのはライフだが、ボディはまったく対照的な造形で、曲線主体のライフに対して、ゼストは直線を主体にしたボクシィなシルエットとなっている。全高は1635mmあり、1575mmのライフに対して60mmゼストが高い。直線的な造形と全高が高いため、ゼストはライフよりも大柄に見えるが、全長、全幅は軽自動車枠一杯でまったく同じ寸法
●ポイント2/キビキビしたフットワークタントよりも10mm高い室内高を実現したとはいえ、車高自体はワゴンRやムーヴあたりと同レベル。しかもフロアが低いのだから、重心は低く抑えられており、ゼストのハンドリングはハイト系軽自動車のなかではトップクラスにスポーティ。特に、ターボエンジン搭載のスポーツWはダンパー減衰力を強化したスポーツサスを採用し、いかにもホンダらしい軽快なフットワークを実現している。このあたり、あくまでもしなやかな乗り心地を重視したライフとは対照的で、正直、かなり固い。ただし、固いとはいっても、きちんとサスが動いているので不快な乗り心地とはなっていない。エンジンはライフと同じく、52馬力、6.2kgmのNAと64馬力、9.5kgmのターボの2タイプ。トランスミッションは4速ATが組み合わされ、NAでもタウンユースなら充分な動力性能だ。3気筒だが、高回転まで回した時にも苦しそうな音を発することもなく、気持ちよくトップエンドまで使い切れるのはライフと同じ。価格は103万9500円から157万5000円で、NAの売れ筋が109万9350円、ターボのスポーツサス車が144万9000円。
自慢の荷室は使い勝手抜群!!

荷室の開口部は見てのとおり、縦長で広い
自慢の荷室は使い勝手抜群!!ゼストの自慢のひとつが使いやすい荷室。テールゲートを開けると縦長の開口部が目につく。開口部の天地1020mmはライフよりも60mmも長く、軽自動車としてはトップクラス。また、開口部の地上高が530mmと低いのも自慢。ライフよりも85mmも低く、これまたクラストップ。大きな荷物を積みやすいのだ。