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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
選ぶのはアナタです 骨肉の争い!? 新型エスティマと兄貴分のアルファード 正直なところどっちがいいの? 教えて!
興味深い両車の骨肉の争い

【本記事は2006年3月にベストカーに掲載された記事となります。】控えめなトヨタ関係者が、「エスティマは売れますよ」というほど新型は自信作。全高はボックスタイプと乗用タイプとの中間的サイズ。ボックスタイプミニバンっぽくない洗練されたエクステリアは、エスティマと名乗るにふさわしい。スマートでスッキリしたエスティマが1月16日に出た後では、さしものミニバンのセルシオ、アルファードもちょいと古臭く見えてしまう。05年1月から12月までの累計販売台数は、エスティマの3万5108台に対し、アルファードは8万1647台(ともにハイブリッドを含む)。エスティマがモデル末期で販売台数を落としたとはいえ、アルファードは現在大型ボックスタイプミニバンでは人気ナンバーワン。新型に切り替わり、エスティマの大反撃が充分に予想されるが、この両車の骨肉の争いはとても興味深い。
ボディサイズ

●ボディサイズ全長×全幅×全高はエスティマが4795×1830×1730mmなのに対しアルファードは、4865×1805×1935mmとエスティマが旧型よりも若干大型化。数字だけ見ると、両車の差は小さく感じるかもしれないが、アルファードは全高があるので威圧感あり。両車は同じプラットフォームを使うため、ホイールベースは同じ2900mmだったが、新型エスティマは50mm延長され、2950mmとなった。その結果最小回転半径は、エスティマが5.7~5.9mなのに対しアルファードは、5.6~5.8mという逆転現象。
エンジン

新世代の3.5L、V6エンジンはホントにいい!これは凄いよ!!(国沢) プラス500ccにより何よりもドライブしていて余裕がある新開発の3.5L。キャラは少々荒々しい感じもするが、3.5Lはパンチ力、トルク感とも抜群の元気なエンジン。スムーズな回転フィール、静粛性などはアルファードに搭載されている3Lのほうが上という印象
●エンジン注目はエスティマに搭載される新世代の3.5L、V6(280ps/35.4kgm)。滑らかさやスムーズさ、静粛性といった面ではアルファードの3L(220ps/31.0kgm)のほうが上質な印象だが、トルク、パンチ力のある力強いエンジンで、やや荒々しい感じもするが、キャラが立っていていい。FFならスタート時にアクセルをグイと踏み込むと軽くホイールスピンするほど。50~80km/h加速は3秒9(編集部計測)をマークするなど恐ろしい中間加速。これはミニバンにはまったく敵なしですな。ちなみにインテRの50~80km/h加速は3速固定で約3秒5(2速固定なら2.8秒)だから、その速さがわかるだろう。そしてアルファードの3Lの排ガスレベルが★に対し、エスティマの3.5Lは★★★★を達成。この性能を持ちながら、★★★★はすばらしい。いっぽう2.4Lは、159ps/22.4kgmから170ps/22.8kgmにスペックアップ。280psよりも低回転域でのドライバビリティが図られ、扱いやすいエンジン。アクセル全開時のフィーリングも旧型(アルファードと同じエンジン)よりもグンとよくなっている。この2.4Lの特筆ポイントは、CVTと組み合わせたこと。燃費にもスムーズさにも貢献。トヨタのCVTはこれまで“くっついた感”があったのだが、エスティマのCVTではそのネガ、違和感のないドライブフィールに仕上げられている。それに対しアルファードはいまではベーシックともいえる4AT。AT自体は他社のライバルよりはいいが、アルファードは車重があるので、どうしてもシフトショックが出てしまうなどマッチングはよくない。4WDモデルはFFに比べると70kg車重アップするので、4WDが欲しいなら、280psモデルをチョイスしたいところ。では、280psモデルが欲しい場合、FFと4WDのどちらにするか? FFはスタートダッシュなどでカンタンにホイールスピンするが、危ないというレベルではない。いっぽう4WDはフロントの滑りを感知し、リアに駆動力が配分されるので、挙動はマイルド。好みでどっちを選んでもOKでしょう。
走り

エスティマ:インパネが好対照 ウッド調パネルを多用し、高級感を前面に打ち出したアルファードに対しエスティマは旧型のような奇抜さはないが、デザインと機能面をうまくミックス。左右に伸びやかなデザインでスポーティな雰囲気もある
●走り走りの質感は、世代の差がモロに出ている。エスティマのほうがボディの剛性感が高く乗り味もシャキッとしている。フロントの舵もよくきくし、リアサスの剛性が高いので、リアが流れたりした時にでもコントロール性に優れている。これは雪道、ウェットという低ミュー路を走る場合、絶大な威力を発揮。エスティマのサスは2.4Lも3.5Lも同じだが、3.5Lのほうが車重があるので、動きはしっとりしているし、そのぶん乗り心地のよさにも貢献。
アルファードは?

アルファード:インパネが好対照 ウッド調パネルを多用し、高級感を前面に打ち出したアルファードに対しエスティマは旧型のような奇抜さはないが、デザインと機能面をうまくミックス。左右に伸びやかなデザインでスポーティな雰囲気もある
いっぽう4WDは、エスティマがスタンバイに対し、アルファードはミニバン最強のフルタイム4WD。この点ではアルファードが優勢。 (国沢光宏)
シート

ホイールベースはエスティマが50mm長い2950mm。リアのオーバーハングはアルファードのほうが長く、それが居住スペースに充てられている
●シート正直、これが両車を決定づける最大の違いではなかろうか。3列目を重視する人は、アルファードがお薦め。3列目シートの質感、広さ、快適性のどれをとってもアルファードが優勢。対して、2列目までで、3列目はサブ的に使う、というならエスティマ。アルファードに比べて、重心が低いので走行中の横方向への動きが小さく、乗った感じも良好。 (国沢光宏)
価格

新しいほうがすべての点で進化、熟成されているのでいいというのは順当だが、無視できないのは価格。エスティマ2.4G(307万6500円)とアルファード2.4AS(325万円)を購入検討した場合、両車の価格差は17万3500円。ひと声値引きはエスティマが13万に対しアルファードは31万円だから、実際の購入価格は、アルファードのほうが安くなる。粘ればさらにアルファードのほうが安くなるケースも出てくるのだ。これは非常に魅力的。やっぱり悩むぞ、こりゃ!