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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.10.23
【ホンダ】タイヤ内部で発生する不快な共鳴音を自ら打ち消す「ノイズリデューシングホイール」

goo-net編集チーム
ホンダの静粛性を高める技術を採用した、
「ノイズリデューシングホイール」という快適装備があります。
タイヤの内部で発生する不快な共鳴音を解析し、低減につなげる技術です。
技術のポイントは、共鳴音を自ら打ち消すということです。
ホンダの発想の転換によって誕生したユニークな実用性の高い技術です。
「ノイズリデューシングホイール」の開発の背景
「ノイズリデューシングホイール」の開発は、ホンダが追求した快適性能への挑戦でした。
高速道路では、道路のつなぎ目を通過する際に「パコーン」「パコーン」と、
一定間隔で繰り返される不快な音が耳に残ることがあります。
これは道路の継ぎ目を乗り越える際に、タイヤの内部で発生する共鳴が原因です。
普段は何げなく走行している高速道路ですが、一度気になりだしたら不快に感じてしまうほど、
快適なドライブには不要な耳障りな音と言えるでしょう。
毎日のように高速道路を利用していたらなおさらです。
このノイズはどのような高級車にも発生する、構造的なタイヤ内部で発生するノイズです。
ノイズが入らないように、
防音・吸音処理を施せば少しは室内に届くボリュームを減らすことはできても、
根本的に共鳴音を取り去ることは難問とされていました。
そこで共鳴音の発生のメカニズムから解析し、対策を研究したのがホンダでした。
「ノイズリデューシングホイール」の特徴
「ノイズリデューシングホイール」は、中空構造のレゾネータ(消音装置)を、
ホイール内部に装着することによって不快な共鳴音を抑制します。
そのコンセプトは共鳴音には共鳴音で対抗する、という画期的な発想でした。
タイヤ内部で発生するノイズは「気柱共鳴」という現象によるもので、
バスケットボールなどを体育館の床に弾ませると、
「ポーン」「ポーン」という音が響くのと同じ原理です。
車の場合、タイヤが発する気柱共鳴音や振動がホイール→サスペンション→室内へ伝わり、
これが不快なノイズとして耳に届きます。
そこでホンダは、「ヘルムホルツ共鳴」に着目しました。
タイヤが発生する「気柱共鳴音」と同じ周波数の音を出して、共鳴音を打ち消すという理論です。
レゾネータ表面の穴の形状を工夫し、ホイールリムに巻きつけるような形で取り付け、
共鳴音の問題を解消しました。
「ノイズリデューシングホイール」技術の効果
「ノイズリデューシングホイール」の装着によって気柱共鳴音を打ち消すことに成功したばかりか、
これまでの気柱共鳴音対策として装着されていた制振材や衝撃を吸収するダンパーが不要となり、
軽量化により燃費や走行性能の向上につながるメリットがうまれました。
さらに、バネ下重量の抑制にもつながり、走行安定性能を高めることにもつながりました。
当初は不快な共鳴の解消が目的でしたが、開発が進むにつれて、
「ノイズリデューシングホイール」は、さまざまなメリットをもたらしました。
フラッグシップセダンである「レジェンド」を筆頭に、
静かな走行性能が特徴であるハイブリッド車や軽量化が重視されるコンパクトカーなど、
幅広い車種への採用が期待される画期的なテクノロジーです。