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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.09.04
【三菱】車両運動統合制御システムS-AWCの仕組みや効果とは

goo-net編集チーム
最近の車の進化は目を見張るものがあります。
大きく電子制御化されていたり、環境にやさしい機能であったり、
ドライバーの負担軽減を目指す機能であったりと、
誰でもその機能を享受することができるものばかりです。
三菱自動車から「S-AWC」という車両を制御する機能が発表されました。
このS-AWCとはどのような機構なのか、説明します。
車両運動統合制御システムS-AWCとは
S-AWCとはSuper All Wheel Controlの頭文字を取った機構の名前で、
三菱独自の車両挙動制御システムである「アクティブヨーコントロール(AYC)」に加え、
「アクティブセンターディファレンシャル(ACD)」、
「アクティブスタビリティコントロール(ASC)」、
「スポーツABS」、全ての機構を統合制御することで、
通常走行から緊急回避のシチュエーションまで、
広範囲な走行状況で駆動性能、旋回性能、および走行安定性能を向上させる、
車両運動統合制御システムです。
AYC(Active Yaw Control)
リアのデファレンシャルに設置してある左右輪のトルクを配分機構によって、
車体に働く「ヨーモーメント(旋回力)」を制御して旋回性能を向上させるシステムです。
ACD(Active Center Differential)
センターデフに、電子制御の油圧多板クラッチを採用することで、
走行状況に応じて前後輪のトルク配分をフリー状態から直結状態までコントロールします。
それにより最適なトルク配分が可能となり、
ステアリング操作の応答性とトラクション性能を高い次元で両立させるシステムです。
ASC(Active Stability Control)
四輪それぞれのブレーキの制動力、エンジン出力を制御することにより、
車両姿勢を安定させながら最適な駆動力を確保するシステムです。
トラクション性能を向上させ、緊急回避時のハンドル操作に対して横滑りを防止するなど、
車両の挙動を安定させる働きを持ちます。
「ACD」「AYC」の制御にエンジントルクやブレーキ圧の情報を加えることで、
車両の走行状態を素早く判断し、レスポンスの良いリニアな車両制御が可能となりました。
S-AWCの効果とは
「S-AWC」は「AWC」の持つ機能をさらに高めた車両運動統合制御システムです。
四輪の駆動力、制動力の制御を軸とした高い次元の統合制御によって、
乾いた路面から濡れた路面、積雪のある路面まで、
様々な走行状況の中でドライバーの操作に忠実な車両の挙動を実現しました。
そして高い車両安定性能から「誰もが安心して気持ち良くドライブできる」ことを実現しました。
S-AWCの採用車種は
アウトランダーガソリン車(4WD車)
オプションとして設定され、後輪にトルクを配分する「電子制御4WD」をベースに、
「アクティブフロントデフ(AFD)」と「AYC」を機能追加し、
走行安定性、旋回時のトレース性、走破性を向上させます。
また通常は燃費性を重視した2WDで走行し、滑りやすい路面では4WDで走行する「AWC ECO」、
常に路面状況に応じて4輪のトルクを最適にコントロールする「NORMAL」、
雪道や滑りやすい路面でトラクション性を高める「SNOW」、
4WDに固定して走破性を高める「LOCK」の4つのモードを設定し、
走行状態に合わせ任意に選択が可能です。
アウトランダーPHEV
アウトランダーのプラグインハイブリッド車では、「ツインモーター4WD」をベースに、
「AYC」を追加して、4輪のトルク配分を緻密に制御しています。
さらに回生トルクを最適化する機能や「ASC」「ABS」のブレーキ制御についても最適化し、
スタビリティの高い快適な運転を支えます。
通常走行時の「NORMAL」、駆動力を高め走破性を重視する「4WD LOCK」の2モードから、
走行状況に合わせ任意で選べるようにしています。
「S-AWC」は、降雪地帯に住んでいる方、アウトドアスポーツを楽しむ方、
久しぶりのロングドライブ先で路面状況や気象条件が不安定な場合など、
スタビリティの高い安全走行を可能にする心強いシステムではないでしょうか。
日常の生活移動手段としての用途から、スポーツ走行、高速走行まで、
あらゆる状況下で優れた走行安定性と走破性を実現してくれる、
三菱自動車の車両制御技術として、今後もますます進化し続けることでしょう。