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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.07.29
【ホンダ】弾ける爽快感!VTEC(可変バルブ機構)エンジンの特徴とは

goo-net編集チーム
今ではホンダの代名詞とも言える爽快な回転フィールが持ち味の「VTEC」エンジンです。
VTEC(ブイテック)とは、「Variable ValveTiming & Lift Electronic Control System」の略で、使い勝手とスポーツ性を両立させた、可変バルブタイミング・リフト機構を備えるエンジン技術のひとつです。
このエンジンは低回転域と高回転域での高いトルクの両立を実現し、「ホンダサウンド」とされるかん高いエンジン音を生み出しました。
そのVTEC(可変バルブ機構)エンジンの特徴を解説します。
VTECエンジンの高い燃費とパワーの両立
車の4サイクルエンジンの仕組みは、ガソリンと空気を混ぜた「混合気」を「吸気」→「圧縮」→「燃焼」→「排気」という、4つの工程でエネルギーを発生させ、エネルギーを駆動に変えてタイヤを回すという原理を基本としています。
吸気と排気の2つの工程で回転する「カム」を使ってバルブを開けたり閉めたりしますが、従来のエンジンでは低回転と高回転でバルブが動く量を変えることができません。
そのためエンジンは低速重視型か高速重視型、どちらかの特性・ドライバビリティを重視してエンジンを設計する必要がありました。
日常の使い勝手を犠牲にせず、気持ちの良い走りが可能なスポーティなエンジンはできないものか、開発スタッフはすでに完成していた4バルブエンジンに、新しい機構を組み入れるアイディアからスタートしました。
それは吸排気それぞれにバルブを押し下げるカムとロッカーアームを、低回転用と高回転用と2種類備えることでした。
そうすることでバルブタイミングを変えて、低回転から高回転までトルクフルな切れの良い“器用”なエンジンが実現しました。
普通のDOHCエンジンにはひとつのバルブに4つのカムシャフトが付いています。
その狭いスペースにもう2つ高速用のカムを追加するわけですから、重量や強度、そのほかにもたくさんの障害がありました。
その中で、実用性を兼ね備えた量産自然吸気エンジン初の、排気量1リッターあたり100馬力という開発目標は大変困難なものであったようです。
VTECエンジンの誕生と拡大
1989年、160馬力を誇る1.6L VTECエンジンを搭載した「インテグラ」が発売されました。
さらにフラッグシップスポーツカーであるNSXやシビック、アコードへと搭載車種が拡大され、SOHC・VTEC、VTEC-Eを経て、1995年にはより効率的な出力コントロールを実現した3ステージVTECエンジンへと進化しています。
当初は主にスポーツエンジン用に開発がスタートしたVTEC機構ですが、細かな吸排気の制御が可能になり、燃費性能や中低速のドライバビリティを重視する、ミニバンやセダン、コンパクトハッチバックをはじめ、2輪や船外機のエンジンにも広く搭載されるなどホンダエンジンの代表エンジンになりました。
今後もホンダの基幹技術として進化していくことでしょう。