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更新日:2020.04.21 / 掲載日:2017.09.03
【ホンダ】SPORT HYBRID SH-AWD(スポーツハイブリッド)とは

goo-net編集チーム
車はパワーがあって機敏に思い通りに走るほうが楽しい、という人は多いと思います。
しかし、燃費性能や環境性能からパワーのあるスポーツカーは排出ガス規制によって姿を消し、
現在はプリウスなどのハイブリッドカーや、ノートなどの電気自動車が、
エコカーとして販売台数を伸ばしている時代です。
その中でも、ホンダは燃費の良さだけではなく、
ホンダらしい走りの楽しさも追求しようというコンセプトを掲げて、
世界初の走りやハンドリングに貢献するハイブリッドシステム、
「SPORT HYBRID SH-AWD」(スポーツハイブリッドSH-AWD)を開発しました。
燃費の良さを実現しつつ走りの楽しさも追求
2017年3月の登録乗用車新車ランキングを見ると、
1位ノート(電気自動車)、2位プリウス(ハイブリッドカー)、
3位アクア(ハイブリッドカー)が上位を占め、車を購入する際に、
エコカーが求められてるいる傾向が分かります。
環境に優しく、ガソリン代もかからないハイブリッド機構は確かに良いことですが、
それだけでは「走りの面白さ、楽しさが得られないのでは」と考えたのが、
ホンダのエンジニアでした。
そこで「圧倒的なパフォーマンスを持つ革新的なハイブリッドシステム」を作るという目標を掲げ、
一つのエンジンと3つのモーターを搭載するという車で、
「クラストップレベルの燃費性能・圧倒的な加速性能・
意のままのハンドリング性能」と高い目標を実現する挑戦が始まったのです。
前輪をエンジン+モーター、後輪をツインモーターで駆動するAWD(4輪駆動)
ホンダが開発を目指したのは、フロントに前輪を動かすエンジン+モーターを搭載し、
エンジンの力を後輪に伝えるプロペラシャフトとリアディファレンシャルは使用せず、
左右の後輪に独立したツインモーターユニットを搭載するという世界初のハイブリッド機構でした。
フロントのV6 3.5Lエンジンは高出力モーターのアシストと、
7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)の組み合わせにより、
V6エンジンでありながらV8エンジンを超える走りと4気筒エンジン並みの省燃費を実現しました。
また、後輪のツインモーターは走行状態に応じた適切な駆動制御を行い、
SPORT HYBRID SH-AWDの走りを支える重要なパーツとなっています。
SPORT HYBRID SH-AWDの賢い走りの仕組み
SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling All-Wheel Drive)は、
走行状態やドライバーの意思に応じて、
FWD/RWD/4WD駆動を切り替え適切なトラクションを制御します。
まず、発進はリアのツインモーターで静かに発進し(RWD駆動)、
フロントのエンジンを使って加速しつつ、バッテリーを充電します(FWD駆動)。
低速でのクルーズではツインモーターでスムーズに走行し(FWD駆動)、
高速への加速時にはエンジンとツインモーターを使って力強く加速します(4WD駆動)。
そして、高速でのクルーズでは、エンジンのみで走行します(FWD駆動)。
また、減速時には4輪全てで効率よく回生を行い、バッテリーへ充電を行います。
走行の状態によってエンジンとモーターを使い分け、
パワフルで安定した走行性能と、
効率よい回生ブレーキシステム機構を特徴に持つSPORT HYBRID SH-AWDは、
ホンダらしいフィロソフィーを感じる賢い制御システムと言えるでしょう。
軽快で意のままのハンドリングを実現するツインモーターユニット
SPORT HYBRID SH-AWDでのコーナリングは、
道路にタイヤが吸い付くような操舵性能と高いコーナリング性能を目指して開発されています。
そのためには、後輪のツインモーターの制御が重要で、カーブの際に、内側のタイヤに抵抗をかけ、
外側のタイヤを駆動させることで操舵性能を向上させ、楽に曲がれるようにアシストするのです。
この左右のタイヤの駆動力のバランスを自在に制御することで、
カーブが続くワインディングロードだけではなく、
低速から高速まであらゆるシーンで思い通りによく曲がり、
誰でもSPORT HYBRID SH-AWDの恩恵を感じられるようになっています。
タイヤのスリップを検知するので雨や雪にも強い
SPORT HYBRID SH-AWDでは、タイヤが雨・雪・路面凍結によってスリップした場合、
それを瞬時に判断して、4輪駆動に切り替えます。
4つの車輪が全て駆動し、それぞれの駆動力を調節することでグリップ力を上げて、
不安定な状況下での安定走行をサポートします。
また、コーナーの横Gや路面の傾斜も判断し、
より安定した車両挙動姿勢を保ち優れた安全性能を発揮します。
SPORT HYBRID SH-AWDはホンダのスポーツカーの最上級クラスであるNSX(2,370万円~)や、
フラッグシップセダンのレジェンド(680万円~)に搭載されています。
世界初となる革新的な技術を搭載した車だけあり、どちらも高級車の部類ですが、
燃費と走りの両方を実現したホンダ技術の結晶です。
さらにSPORT HYBRID SH-AWDの思想は、車種により、
1モータータイプ、2モータータイプのAWD駆動以外にまで拡大しています。
今後もホンダらしい走りの楽しいハイブリッドシステムとして進化し続けることでしょう。