中古車購入
更新日:2015.04.17 / 掲載日:2015.04.17
スズキ スペーシア 中古車購入チェックポイント
スズキ スペーシア(2014年6月~)
中古車購入チェックポイント参考車両:X リミテッド(DBA-MK32S)
初度登録:2014年6月
追加装備:〈レーダーブレーキサポート〉〈X リミテッド特別装備〉ディスチャージヘッドランプ、アンダースポイラー、ルーフスポイラー、LEDウインカー付ドアミラー、アルミホイール、右側パワースライドドア、専用内装、他〈メーカーオプション〉スマートフォン連携ナビ
■全体のチェックポイント
2013年3月から発売している「スペーシア」は、“広い室内と低燃費”が売りの軽ハイトワゴン。車体まわりや室内を調べると同時に、使い勝手などもチェック。2014年6月に設定された特別仕様車「X リミテッド」は、「レーダーブレーキサポート装着車」がベース。基本的な走行機能はもちろん、運転支援機構の具合も必ず確認したい。
関連部や走行機能にも注意しながらチェックする
1.車体の様子から見ていく
1.車体の様子から見ていく
まずは、外装に異常がないか車体まわりを探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、損傷がないか見て、ずれていないか立て付けをチェック。「X リミテッド」は、アンダースポイラーの破損などにも注意。
グリルやヘッドランプもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側に設置しているフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェックする。
3.ドアと周辺をチェック
3.ドアと周辺をチェック
ドアは、外板パネルだけでなく内側もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部も慎重にチェックする。
4.車体の内側も調べる
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーは、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないかチェックし、固定ネジやブラケット(支え金具)も調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品も、必ずチェックする。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。ガーニッシュなど付加物も(X リミテッドはスポイラーも)チェック。
バックドアは、開閉具合をチェックし、全開状態で下がってこないかロッドダンパーの効き具合もチェック。バックドアの内側やヒンジ部もチェック。パネル接合部の溶接やシーラーの異常などに注意しながら開口部もチェック。
さらに、ラゲッジフロアボード下のパネルも、歪みや修理跡などがないか見る。
6.スライドドアのチェック
スライドドアは、開閉動作をチェック。パワースライドドアは、電動機構のほか、挟み込み防止やクローザーなどの具合もチェック。
外側と内側のパネル、上・下・側部にあるブラケット(ドアの支え金具)とローラー、車体側のレール(スライドさせる金具)なども異常がないかチェックする。
7.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷や腐食がないか。床下側のパネル接合部に修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)も必ず見る。「X リミテッド」は、サイドシルに被せているサイドスポイラーの損傷や交換にも注意。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「X」は155/65Rタイヤ&14インチスチールホイールだが、「X リミテッド」は同サイズのアルミホイールを装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂、欠けなどがないか見る。一部だけが極端に減るなど異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、走行安定機構などが正常に作動しなくなることにも注意したい。
アルミホイールは、損傷や破損などがないか調べる。塗装の傷みや剥がれ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。
★損傷や修理/交換の有無を確認する
「スペーシア」は、5ドア2ボックス2列席4人乗り・リア両側スライドドアの“軽ハイトワゴン”。「X」は、左側パワースライドドアを標準装備。「レーダーブレーキサポート装着車」は、フロントガラス上部室内側にレーダーセンサーを設置。「スマートフォン連携ナビ」装備車は、バックドアにカメラが付いている。「X リミテッド」は、X レーダーブレーキサポート装着車に、ディスチャージヘッドランプ、フロント/サイド/リアアンダースポイラー、ルーフスポイラー、アルミホイールなどを装着し、右側パワースライドドアを追加。LEDウインカー付ドアミラーを装備するので、フェンダーウインカーは付いていない。
特別仕様車は外装の損傷が気になるところだが、標準仕様車と同様に、走行機能に支障があるダメージにも注意したい。車体の骨格部を修理/交換している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能・作動具合を調べる
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷などがないか。ダッシュボードからドア、床、天井までチェック。ボックスやポケット、トレーなどの中。ホルダーやフックなどもチェック。
シート表皮の染みや破れ。樹脂パネルの割れや浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損にも注意しながらチェックする。
2.後部まで慎重にチェック
前席周辺だけでなく、後席も、リアシートの左右独立スライド&リクライニング、背もたれ前倒し、後席格納ダイブダウンなども試しながら周辺をチェック。
後部ラゲッジスペースも、傷みがないかチェック。リアシート背面にある後席ロック解除ストラップを引いて、背もたれ前倒しの具合もチェック。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ミラー、テール/バックランプ/ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備。リモコンキーと各ドアの解錠・施錠、パワースライドドアの開閉なども、機能と作動具合をチェック。
オートエアコンは、自動制御や調整・設定具合をチェックするが、アイドリングストップと連携・制御していることにも注意したい。
4.追加装備の機能も確認
メーカーオプションの[スマートフォン連携ナビゲーション]装備車は、ナビ機能をはじめ、AV、スマートフォン接続・通信、ハンズフリーマイク、バックモニター、ステアリングオーディオスイッチなど、付随機能や連携機能がすべて正常か確認したい。
★細部は販売店で点検してもらう
「X リミテッド」は、特別仕立ての内装や運転席/助手席シートヒーターなどを装備しているが、基本的な装備は「X レーダーブレーキサポート装着車」と同じ。参考車両には、メーカーオプションのスマートフォン連携ナビゲーション(ワンセグTV・AM/FMラジオ・バックモニター、Bluetooth、ハンズフリーマイク、外部端子[USB、HDMI、VIDEO、AUX、microSDカードスロット]、バックアイカメラ、ステアリングオーディオスイッチなどをセットで装着)も追加している。
いずれにしても、車両の仕様と装備内容を販売店でまず確認する。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、キーレスプッシュスタートシステムの機能も確認。表示灯・警告灯類の点灯やメーター/インジケーター/ディスプレイの表示なども注意して見る。ちなみに「X リミテッド」には、スペーシアカスタム仕様自発光メーターが付いている。
いずれにしても、わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞こう。
2.運転支援機能もチェック
2.運転支援機能もチェック
CVTは、セレクトレバーの操作具合をチェック。可能なら、走行時の無段変速動作、スポーツモードの機能動作、エネチャージ/アイドリングストップ/エコクールなど低燃費機能。EBD付ABS&ブレーキアシスト、電動パワーステアリングなどの具合もチェック。
レーダーブレーキサポート装着車は、自動ブレーキ、誤発進抑制、走行安定機構ESPなどの機能・制御に異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうか判断するのはまず無理なので、不調や故障などがないかは販売店で厳密に点検してもらうほうがいい。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「G」「X」は、直列3気筒吸排気VVT(可変バルブタイミング)エンジン、副変速機構付CVT(自動無段変速機)、[ENE-CHARGE(エネチャージ)]、[新アイドリングストップシステム]、[ECO-COOL(エコクール)]、制動力配分EBD付4輪ABS&ブレーキアシスト、電動パワーステアリング、ヒルホールドコントロールなどを搭載。「レーダーブレーキサポート装着車」は、レーダーブレーキサポート+誤発進抑制機能+エマージェンシーストップシグナル+走行安定制御機構ESPを組み込んでいる。
各機構の構造などはさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。メカが苦手でも、いちおうエンジンルーム内だけでも見て、走行関連各部の調子と整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●「パレット」を刷新するとともに車名を変更し、2013年3月に発売した「スペーシア」。車体構造の改良や次世代環境技術の投入などで、走行・安全・燃費性能を向上。室内長の拡大とあわせて、女性向けの機能や装備を充実。スムーズな自然吸気エンジンと軽快なターボエンジン、全車CVT(無段変速機)、2WD(FF前輪駆動)と4WDを設定。2013年6月に「スペーシアカスタム」を追加発売。2013年9月に「レーダーブレーキサポート装着車」を設定。
●2014年6月には、レーダーブレーキサポート装着車をベースにした特別仕様車「X リミテッド」「カスタム XS リミテッド」を設定している。
「スペーシア」は、リア両側スライドドア、リアシート左右独立ダイブダウン、キーレスエントリー&プッシュスタートシステム、フルオートエアコン、オーディオレスなどを全車標準装備。
仕様グレードの「G」は、13インチスチールホイールが標準装備のベーシックタイプ。「X」は、左側パワースライドドア、オーバーヘッドコンソール、ロールサンシェード、14インチスチールホイールなどを標準装備。「T」は、ターボエンジンを搭載。Xの装備に、メッキフロントグリルやLEDウインカー付ドアミラーが加わる。「レーダーブレーキサポート装着車」には、レーダーブレーキサポート+誤発進抑制機能+エマージェンシーストップシグナル+走行安定制御ESPなどを追加装備する。特別仕様車「X リミテッド」は、X レーダーブレーキサポート装着車をベースに、ディスチャージヘッドランプ、アンダースポイラー、ルーフスポイラー、14インチアルミホイールなどを装着し、右側パワースライドドア、運転席/助手席シートヒーター、専用グレーシート表皮などを特別装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
G | DBA-MK32S | CVT | FF |
DBA-MK32S | CVT | 4WD | |
X | DBA-MK32S | CVT | FF |
DBA-MK32S | CVT | 4WD | |
T(ターボ) | DBA-MK32S | CVT | FF |
DBA-MK32S | CVT | 4WD |
X リミテッド | DBA-MK32S | CVT | FF |
DBA-MK32S | CVT | 4WD |