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更新日:2025.02.16 / 掲載日:2025.02.15
パジェロ=ショーグン? こんなに違う日本車の海外ネーム5選

ここ最近、クルマの名称が世界で統一される傾向がある。たとえばマツダは「デミオ」や「アクセラ」のようなペットネームを廃して「Mazda2」や「Mazda3」のような名称になったのは記憶に新しい。しかし以前は、たとえ同じモデルでも各地域でデザインや装備がローカライズされ、車名も異なっているケースが多かった。世界共通の合理的な英数字の羅列より、地域ごとに異なるユニークな呼称に親しみを覚えるひともいるだろう。そこで今回は、日本車のユニークな海外ネームを5台紹介しよう。
スズキ ジムニー(2代目)=スズキ サムライ

先日、5ドアのノマドが発表され大いに話題になったクロスカントリーのスズキ ジムニー。これは日本はもとより海外でも人気のあるモデルで、多くの地域で販売されている。ジムニーは各地域でネーミングが異なるモデルの代表格で、特に有名なのが北米向けの2代目ジムニーに与えられた「Suzuki Samurai」という名称だろう。サムライ……という名はいかにも日本車という響き。日本仕様よりも日本らしさにあふれたこのモデルは、ジムニーファンの間でも非常に人気があるようで、あえて海外仕様に仕立てるひともいるのだとか。なお、ほかにもタイでは「Caribian(カリビアン)」と呼ばれるほか、インドネシアでは「Katana(カタナ)」など数多くのネーミングを持つのもジムニーの特徴。ただし現行モデルは世界共通の「Jimny」と呼ばれているから、少し寂しい限り。
中古車価格帯:30万円~220万円(2代目)
ジムニーは古いモデルでも中古車が揃っているので、今でも購入可能。スズキ サムライに該当する2代目は、30万円の予算から購入可能となっている。ただし状態にこだわるなら100万円以上は確保しておきたいところ。ジムニーは世代を問わず改造車も多いので、どのように手が加えられているか購入前に確認を。
三菱 パジェロ=三菱 ショーグン

日本でも数少ない本格クロスカントリーといえば、三菱 パジェロ。こちらのイギリスでの名称は「Mitsubishi Shogun」。「将軍」も和を感じさせるネーミングだ。初めて登場したのは1982年で、ラダーフレームを持つ本格的なオフローダーとしての性能を持っていた。ダカールラリーの参戦など、モータースポーツでも活躍し、モデルチェンジを重ねることで2021年まで生産された。なお、スペイン語圏の地域では「Montero(モンテロ)」というネーミングが与えられている。パジェロという単語は、こちらの言語圏では性的なニュアンスがあり、それを避けるために名前が変えらたのだとか。
中古車価格帯:120万円~400万円(4代目)
大きく分けると4世代存在するパジェロだが、現在中古車として探しやすいのは2006年に登場した4代目。ガソリン、ディーゼルともに設定されているが、割合は半々といったところ。高価格帯でも多走行の物件が目立ち、低走行にこだわりすぎると探しにくい。頑丈なモデルゆえ、走行距離よりも記録簿の有無や整備が適切かどうかを基準に選ぶとよいだろう。
ホンダ フィット=ホンダ ジャズ

日本でもお馴染みのコンパクトカー、ホンダ フィットも日本をはじめ一部の地域の名称。欧州、北米など多くの地域では「Honda Jazz(ジャズ)」と呼ばれている。当初は「Honda Fitta(フィッタ)」という名称だったが、スウェーデンでは性的な意味があるため発売前に「Fit」に改められたという経緯がある。しかし「Fit」という名称は欧州では使われず、最終的に「Jazz」になった。また、現行型は中国で「ライフ(来福)」という名称が使われている。ライフといえば日本では軽自動車をイメージするひとが多いが、中国ではフィットを意味するのだ。コンパクトカーはローカルネームが与えられる傾向が強いが、フィットはその代表例だろう。
中古車価格帯:120万円~400万円(4代目)
2001年に登場し、現在4代目が販売されているフィット。初代を除きどの世代も物件が充実しているが、安全性や走り、燃費性能を考慮すれば現行モデルがおすすめ。特にe:HEVと呼ばれるハイブリッドシステムを搭載したモデルでは、WLTCモード燃費で最大30.2km/Lと優秀な値を実現。中古車価格帯は120万円~400万円となり、やや高値安定傾向となっている。
マツダ ロードスター=マツダ MX-5

日本と海外の名称が異なるブランドといえばマツダ。例えばマツダ ロードスターは海外市場では「Mazda MX-5」と呼ばれている。さらに北米では「Mazda MX-5 Miata(MX-5 ミアータ)」という名称が使われる。そもそもマツダ車は、昔から海外ではアルファベットと数字を組み合わせた車名が使われてきた。MX-5を例にとると、「M」は新しい価値観のモデルに用いられることが多く、最近ではMX-30でも使われている。「X」はクーペやオープンカーで使われる文字で、その代表例は「RX-7」。ただし最近はCXシリーズのようなSUVにも「X」が用いられている。最後の数字は車格を表し、数字が大きいほど上位のモデルになる。しかし、ここ最近は海外と同じ車名に統一されるようになり、もしかしたらロードスターの名称が消滅する日がくるかもしれない。
中古車価格帯:60万円~200万円(2代目/NB)
1989年に初代(ユーノスロードスター)が登場して以降、4世代にわたり親しまれてきたロードスター。どの世代もまだ入手可能だが、初代は良質な物件が徐々に減っており、以前と比べて敷居が高くなってきた。プリミティブな走りを体感したいなら、2代目に注目したい。物件はまだ豊富にあり、価格は最高でも200万円前後と買いやすい状況。トランクルームなどの実用面も初代と比べて改善されており、安価なスポーツカーとしておすすめできる1台となっている。
日産 スカイライン=インフィニティ Q50

日本と海外でブランド名から異なるケースもある。その例が日産 スカイライン(V37)だ。北米市場ではインフィニティブランドから「Infiniti Q50」という名称で販売されている。インフィニティは日産自動車のプレミアムブランドで、1989年に北米市場を中心に設立された。ほぼ同時期にトヨタからレクサス(LEXUS)、その少し前にはホンダからアキュラ(ACURA)も設立され、日本メーカーのプレミアムブランドとして展開されている。しかし残念ながらインフィニティは日本で展開されておらず、日本に導入されていないモデルも多い。なおV35以降は「Infiniti G35」のようにGから始まるネーミングで、Q50とは別モデルの扱いとなっている。
中古車価格帯:120万円~790万円(V37)
現行型でも発売が11年前となるが、中古車としてはまだ十分ねらえる。価格帯は120万円からとなっており、特に低年式はかなり安くなった。一方、「NISMO」をはじめとする高性能なグレードは高値安定で、800万円近い物件も目立つ。パワートレインは2.0Lターボの「200GT-t」系と3.5L V6の「350GT」系に分けられるが、物件数は後者の方がやや多い。新車販売台数が伸びておらず、今後は物件が減り希少価値が上がる可能性がある。
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