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更新日:2018.10.26 / 掲載日:2015.04.03

トヨタ ラクティス 中古車購入チェックポイント

  • トヨタ ラクティス(2014年5月~) 中古車購入チェックポイント

    トヨタ ラクティス

    参考車両:1.5 X(DBA-NCP120)
    初度登録:2014年5月
    追加装備:〈メーカーオプション〉アイドリングストップ機能+TFTマルチインフォメーションディスプレイ付アナログメーター+マルチインフォメーション操作ステアリングスイッチ〈ディーラーオプション〉オーディオレスカバー、専用フロアマット

  • トヨタ ラクティス

■全体のチェックポイント

2代目「ラクティス」が2014年5月にマイナーチェンジして内外装や装備を一部変更した時期のモデル。仕様装備をまず確認。車体まわりや室内などの状態をチェックしながらコンパクトカーとしての機能や使い勝手なども探ってみる。走行機能各部の具合と整備状況も必ず確認するが、アイドリングストップ(オプション設定)装備車は省燃費機能にも注意したい。

周辺や関連部などの状態も同時にチェックする

  • 1.外見の様子からチェック

    トヨタ ラクティス(正面)

  • 1.外見の様子からチェック

     まずは、外装に異常がないか、車体まわりを探っていく。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意。

  • 2.隣接部も同時にチェック

    トヨタ ラクティス(正面左)

  • 2.隣接部も同時にチェック

     バンパーは、角や下部あたりに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。アッパーグリル、ロアグリル、下側にあるスポイラーの破損などにも注意。
     フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている)の縁、奥のタイヤハウス内、内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)なども、損傷や修理跡などがないか見る。

  • 3.ドアと関連部をチェック

    トヨタ ラクティス(ドア関連部)

  • 3.ドアと関連部をチェック

     ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ネジやヒンジ部も見る。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など周辺の状態も慎重にチェックする。

4.下側に要チェックポイント

 車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に傷、凹み、腐食、修理跡などがないかチェック。特に、下に突き出ているパネル接合部に交換した形跡がないか注意したい。
 同様に、ドア開口部のステップ部(サイドシルの上側)もチェック。フェンダーやピラーとの接合部あたりの状態も注意して見る。

  • トヨタ ラクティス(サイドシル)

  • トヨタ ラクティス(ステップ部)

5.損傷の程度を確かめる

 ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。左リアフェンダーは、フューエルリッドもチェック。給油口周辺も、修理跡やマスキング跡などがないか見る。

  • トヨタ ラクティス(ドア開口部)

  • トヨタ ラクティス(給油口周辺)

6.後部のチェック

 後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。ガーニッシュ、ナンバープレート、ルーフスポイラー、リフレクター、マフラーなどの損傷にも注意。
 バックドアは、開閉具合やロッドダンパーの効き具合をチェック。バックドアの内側やヒンジ部もチェック。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーなどの状態に注意しながらチェック。さらに、スペアタイヤ収納部周辺も、歪みや修理/交換跡などがないか見る。

  • トヨタ ラクティス(後面)

  • トヨタ ラクティス(バックドア)

  • トヨタ ラクティス(スペアタイヤ収納部)

7.車体の内側もチェック

 ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部で左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品も異常がないか必ずチェック。

  • トヨタ ラクティス(ボンネット1)

  • トヨタ ラクティス(ボンネット2)

  • 8.タイヤとホイールをチェック

    トヨタ ラクティス(タイヤ・ホイール)

  • 8.タイヤとホイールをチェック

     「X」「G」は、175/60Rタイヤ&樹脂フルキャップ付16インチスチールホイールが標準装備。
     タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの不良や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、走行安定制御[S-VSC&TRC]機能などが正常に作動しなくなることにも注意したい。
     ホイールは、ホイールキャップに損傷や破損などがないか見て、緩みやガタなどがないか固定状態もチェック。ホイール自体も、錆やリム(タイヤと接している部分)の曲がりなどに注意しながらチェックする。

  • 9.床下の状態も探ってみる

    トヨタ ラクティス(床下)

  • 9.床下の状態も探ってみる

     車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンション、ブラケット(支え金具)なども、傷、歪み、曲がり、修理跡、交換跡などがないかチェック。油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態をチェックする。

★損傷や修理歴の有無を確認する

 「ラクティス」は、コンパクトサイズの5人乗り5ドアハッチバック。メッキフロントグリル、プロジェクター式ハロゲンヘッドランプ、ウインカー付電動格納式ドアミラー、リアルーフスポイラー、LEDリアコンビネーションランプ、可倒式ルーフアンテナなどを全車標準装備。
 車体の衝撃吸収構造なども注意ポイントといえるが、車体構造の話はともかく、車体骨格にダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。

室内の状態と装備機器の機能・作動をチェック

  • 1.隅まで細かくチェック

    トヨタ ラクティス(コックピット)

  • 1.隅まで細かくチェック

     室内は、内装材に汚れや傷などがないか。ダッシュボードからドア、床、天井までチェック。ボックスやトレイなどは、内部も見る。
     シート表皮の染み、擦れ、破れ。樹脂パネルの傷や割れ。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などの可動部破損などにも注意しながらチェック。

  • 2.後部の状態までチェック

    トヨタ ラクティス(前席)

  • 2.後部の状態までチェック

     前席だけでなく、後席も、6:4分割可倒シートのチルトダウンなども試しながら周辺を調べる。
     ラゲッジスペースも、傷みなどがないかチェック。2WD車はリアシート遠隔可倒レバーの機能もチェック。フロアボード下のデッキアンダートレイの様子も見る。

  • トヨタ ラクティス(後席)

  • トヨタ ラクティス(ラゲッジスペース)

  • 3.装備機能の作動を確認

    トヨタ ラクティス(装備機器)

  • 3.装備機能の作動を確認

     ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器の作動具合をチェック。ワイヤレスキーの機能およびドアの解錠・施錠具合などもチェック。エアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、調整・設定機能をチェック。

4.追加装備の機能も確認

 アイドリングストップ装備車には、TFTマルチインフォメーションディスプレイとマルチインフォメーション操作用ステアリングスイッチが組み込まれている。追加された各機能と関連・連携する機能なども正常か確認したい。

  • トヨタ ラクティス(追加装備1)

  • トヨタ ラクティス(追加装備2)

★販売店で細部まで調べてもらう

 参考車両は、「1.5 X」。メーカーオプションのアイドリングストップを装備しているので、TFT(液晶)マルチインフォメーションディスプレイ付メーターとマルチインフォメーション操作ステアリングスイッチが付いている。ディーラーオプションのオーディオレスカバーも装着している。いずれにしても、中古車をチェックする際は、車両の装備内容を販売店で確認。装備機器類の機能や操作方法などは、販売店スタッフに聞いてみる。とりあえずわかるところだけでもチェックして、細部は販売店で点検してもらおう。特に電装機器の機能に問題がないか注意したい。

走行機能のコンディションと整備状況を確認する

  • 1.エンジンを始動してみる

    トヨタ ラクティス(始動)

  • 1.エンジンを始動してみる

     エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯の点灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示なども見る。エンジンがかかったら、振動や異音などにも注意したい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。

2.運転支援機能もチェック

 7速マニュアルモード付CVTは、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら試乗して、CVTの自動変速動作と制御具合、マニュアルモードの変速・制御やSPORTモード機能もチェック。
 クルーズコントロールの機能。走行安定制御[S-VSC&TRC]、電動パワーステアリング、ブレーキ制御などの協調制御やVSC[OFF]スイッチ。アイドリングストップ装備車は、エンジン自動停止・再始動やアイドリングストップ[OFF]スイッチの制御機能も確認したい。とはいえ異常を判断するのは難しいので、走行機能の状態は販売店で点検してもらおう。

  • トヨタ ラクティス(7速マニュアルモード付CVT)

  • トヨタ ラクティス(運転支援機能1)

  • トヨタ ラクティス(運転支援機能2)

  • ★正しく点検・整備してもらう

    トヨタ ラクティス(エンジンルーム)

  • ★正しく点検・整備してもらう

     1.3LエンジンはCVT(自動無段変速機)、1.5Lエンジンは7速マニュアルモード付CVT(ACTIVE CVTシステム:7速スポーツシーケンシャルシフトマチック+CVT SPORTモード)の組み合わせ。EBD(電子制動力配分制御)付ABS&ブレーキアシスト、電動パワーステアリング、S-VSC(ステアリング協調車両安定性制御システム)&TRC(駆動力制御)、緊急ブレーキシグナルなどは全車に標準搭載。1.5L 2WD車は、クルーズコントロールを標準装備。参考車両は、メーカーオプションのアイドリングストップ機構を追加している。
     各機構の構造などはさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジンルーム内だけでも見て、走行関連各部の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認する。車両の購入を決めるなら、すべてのと走行機能を正しく点検・整備してもらうようにしよう。

■最初に車両の現状を確かめる

 中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

  • トヨタ ラクティス(車両の情報)

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • トヨタ ラクティス(車両の情報)

  • トヨタ ラクティス(立て付け)

    「立て付け」を見る
    ●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • トヨタ ラクティス(立て付け)

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • トヨタ ラクティス(取り付け状態)

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

  • トヨタ ラクティス(取り付け状態)

  • トヨタ ラクティス(接合部)

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • トヨタ ラクティス(接合部)

■今回の車両のプロフィール

●フルモデルチェンジして2010年11月に発売した2代目「ラクティス」。従来型と同じ全長×全幅を維持し、全高は55mm低くしながら室内空間を拡大。居住性や快適性とともに、燃費・環境・安全性能なども向上。1.3Lエンジン・CVT(無段変速機)・2WD(FF前輪駆動)と1.5Lエンジン・7速マニュアルモード付CVT・2WD/4WDを設定。その後、2011年10月、2012年7月、2013年10月に一部改良している。
●2014年5月にマイナーチェンジ。内外装や装備、オプション設定などを一部変更するとともに、仕様グレードも一部変更。1.3L車は、新エンジンを搭載し、燃費性能を向上している。
仕様グレードの「X」は、ワイヤレスドアロックリモコン、ウレタンステアリングホイール&シフトレバーノブ、マニュアルエアコン、オーディオレス、スチールホイールなどが標準装備のベーシックタイプ。「G」は、スマートエントリー&スタートシステム、本革巻きステアリングホイール&シフトレバーノブ、オートエアコンを標準装備した上級タイプ。「プライムスタイル」は、G 1.5L 2WDの装備に、アルミホイール、バイキセノンディスチャージヘッドランプ、フロントフォグランプ、本革巻きシルバーステッチステアリングホイール&シフトレバーノブ、ソフトパッド表皮、後席アームレストなどを追加。「S」は、G 1.5L 2WDを基に、スモークタイプのフロントグリル/ハロゲンヘッドランプ、サイドマッドガード、マフラーカッター、アルミホイール、ユーロサスペンション、パドルシフト、専用メーター、本革巻きオレンジステッチステアリングホイール&シフトレバーノブなどを装着したスポーティタイプ。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
1.3 XDBA-NSP120CVTFF
1.3 GDBA-NSP120CVTFF
1.5 XDBA-NCP120CVT-7MFF
DBA-NCP125CVT-7M4WD
1.5 G*DBA-NCP120CVT-7MFF
DBA-NCP125CVT-7M4WD
1.5 SDBA-NCP120CVT-7MFF
*:セット装備“プライムスタイル”を設定。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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