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更新日:2024.10.15 / 掲載日:2024.10.15
カローラやカリーナにも「GT」があった!? 古今東西GTグレード10選

秋の行楽シーズン、ロングドライブにぴったりのクルマを探している人も多いはず。そんな時、「GT」という言葉を見かけることがある。これは「Grand Tourer(グランドツアラー)」や「Gran Turismo(グランツーリスモ)」の略で、いずれも長距離を速く快適に走るためのクルマを指している。大型のクーペやカブリオレが中心で、欧州の高級スポーツカーメーカーがこのカテゴリを主導している。
昔から日本にも「GT」を名乗るモデルが少なくなかった。スポーツカーはもちろんのこと、なかにはカローラのような大衆車にまで「GT」が設定され、80年代から2000年代はちょっとしたブームになっていたほど。そこで今回は、かつて販売された「GT」グレードのモデルを10台ピックアップして紹介しよう。
- 国産GTカーの代名詞といえばコレ!「日産 スカイライン GTS-t タイプM」
- ファミリーセダンが魅せたホンキ仕様「トヨタ カローラ GT(AE101)」
- スポーツセダンとして高いポテンシャルを秘めていた「トヨタ カリーナ GT(AT210)」
- 80年代の若者を夢中にさせた「ダイハツ シャレード GTti」
- WRCのベース車にもなった「マツダ ファミリア GT-R/GT-Ae」
- ターボ+4WDの圧倒的な走りを見せつけてくれた「レガシィ ツーリングワゴン GT」
- SUVにも「GT」が存在した!「日産 エクストレイル 20GT」
- 「GT」グレードなら任せろ!「フォルクスワーゲン ゴルフGT」
- 小さいけれど走りはピリ辛「ルノー トゥインゴ GT」
- 伝説の「ハチロク」の精神的な後継モデル「トヨタ 86 GT」
- 「GT」と名付けばワクワクしたあの時代、あなたは何を思い浮かべた?
国産GTカーの代名詞といえばコレ!「日産 スカイライン GTS-t タイプM」

半世紀以上にも及ぶ歴史を誇る日産 スカイラインは、ほとんどの世代に「GT」を冠したグレードを設定している。最初に設定されたのは1963年に登場した2代目で、「スカG」と呼ばれていた。3代目はさらに高性能な「GT-R」が初登場し、現在の「GT-R」へと系譜が続いていく。今回紹介する8代目(R32)は、若々しいデザインとスポーティな走りで若者に大人気のクルマ。この時代は「GT-R」が復活したこともあり、スカイラインが最も輝いていた時代だった。写真の「GTS-t タイプM」は215馬力の2.0L 直6ターボ(RB20DET)を搭載した超人気グレード。当時の新車価格は238万5000円と、今では考えられぬ手頃な価格だったことにも注目だ。
ファミリーセダンが魅せたホンキ仕様「トヨタ カローラ GT(AE101)」

トヨタは意外にも「GT」グレードが大好きなメーカーだ。昔からスポーカーはもちろん、大衆車にも「GT」バッジを惜しみなく与えていた。今回紹介するのは1991年に発売されたE100系カローラ。この世代はバブル期に設計されたこともあり、上級セダンのような贅沢な作りとデザインが魅力となっている。「GT」には、カローラレビン譲りの1.6L 直4DOHC(4A-GE)が搭載され、160馬力を発揮。トランスミッションは5速MTと4速ATが設定され、マニュアルで乗れたのも高ポイント。1993年改良時の新車価格は171万6000円(5速MT)と手頃だが、ほぼ同額でカローラレビンが買えたので玄人好みの渋いチョイス。もし今でも乗っていたらSNS映えは必至だろう。
スポーツセダンとして高いポテンシャルを秘めていた「トヨタ カリーナ GT(AT210)」

カローラの兄貴分であるトヨタ カリーナは、もともとスポーティなイメージが強いセダンだった。当初はセリカのセダンバージョンというポジションで、かつては「足のいいやつ」なんてキャッチコピーも付いたほど。ただしモデルチェンジを重ねるごとに平凡なミドルセダンというイメージが増していったが、1996年に登場した7代目(最終型)では、「GT」グレードが復活。165馬力の1.6L 直4DOHCを搭載し、俊足を見せつけた。筆者もこのモデルに乗ったことがあるが、控えめながらもスポーティさを強調したルックスや軽快に回るエンジンは、ライバルのスポーツセダンと比べても引けを取らない。いま再注目すべきモデルといっていいだろう。
80年代の若者を夢中にさせた「ダイハツ シャレード GTti」

今でこそママ向けの軽自動車メーカーというイメージが強いダイハツだが、昔はスポーツモデルを定期的にリリースしていたメーカー。特にリッターカーのシャレードをベースとしたホットモデルを投入し、走りが好きな若者を魅了した。特に有名なのがシャレード デトマソだが、1987年に登場した3代目ではそれに代わって「GTti」というスポーツグレードを投入。1.0L 直3ターボはリッター当たり100馬力を超える105馬力を発揮し、軽快な走りを披露してくれた。トランスミッションは5速MTのみと、ホットハッチのお約束。なお、翌年にはグレード名が「GT-XX」へと改称されている。現在中古車で探すのは難しいが、もし見つけたら愛車候補にしてみるのも楽しいはず……(?)
WRCのベース車にもなった「マツダ ファミリア GT-R/GT-Ae」

身近な実用車というイメージのファミリアにも「GT」グレードが設定されていた。なかでも際立っていたのが1989年に登場した7代目(BG型)。1.5Lエンジンを搭載したスポーティグレード「GT」、WRC参戦に向けた1.8Lターボの「GT-X」が設定された。その後、最高出力を210馬力にまで高めた「GT-R」、装備を省いた競技用の「GT-Ae」など、GT系グレードを積極的に投入してモータースポーツに挑んでいる。WRCではあまり目立った戦績は残せなかったが、マツダのスポーツイメージを牽引するモデルとして記憶に残っているひとも多いだろう。
ターボ+4WDの圧倒的な走りを見せつけてくれた「レガシィ ツーリングワゴン GT」

スバルも「GT」グレードを好んで使ってきたメーカー。その代表モデルがレガシィシリーズである。1989年に登場した初代レガシィの上級モデルには「GT」のバッジが与えられ、200馬力の2.0L 水平対向4気筒ターボ+4WDが組み合わされた。その走りっぷりはスポーツカー顔負けで、走り好きの若者に大いに注目された。セダンだけじゃなくツーリングワゴンにも「GT」が設定されたことで、高性能ワゴンブームの火付け役ともいえる。インプレッサが登場する以前はレガシィがWRC参戦のベース車となっていたから、レガシィの高性能化は必要不可欠だったのだ。ちなみに「GT」グレードは、現在レヴォーグにも引き継がれている。
SUVにも「GT」が存在した!「日産 エクストレイル 20GT」

「GT」が与えられたのは、セダンやハッチバックだけではない。SUVにも「GT」を掲げているモデルが存在する。例えば日産 エクストレイルは2000年に発売された初代から「GT」を導入。こちらは2.0L 直4ターボ(SR20VET)が搭載され、280馬力もの高出力を発揮している。2007年に登場した2代目では「20GT」というグレードが設定され、2.0Lクリーンディーゼルを搭載していた。今でこそディーゼル車は当たり前の存在だが、当時は規制によりディーゼル車は絶滅状態。そんな状況を打破しようと投入されたのが「20GT」だったのだ。スポーティなイメージこそ乏しいものの、快適に長距離ドライブするという本来の意味でのGTカーといえそうだ。
「GT」グレードなら任せろ!「フォルクスワーゲン ゴルフGT」

国産車にもあるなら、当然本場の欧州車にも「GT」グレードが存在する。フォルクスワーゲン ゴルフは1974年に登場した初代から「GTI」や「GTD」を設定しており、「GT」グレードを積極的に取り入れてきたモデル。特にスポーツモデル「GTI」は8代目となる現行モデルまで欠かさず設定されており、弟分のポロも同様の展開がなされている。また、「GTI」よりもエンジンスペックは控えめながら、スポーティに仕立てた「GT」も存在した。ここで紹介する2006年モデルのゴルフ GTは、2.0L 直4エンジンを搭載し、150馬力を発揮。その翌年の2007年モデルでは、1.4L 直4ターボにスーパーチャージャーを組み合わせ、170馬力へと進化。「GTI」未満の手頃なスポーティ仕様として多くのユーザーに好まれていた。
小さいけれど走りはピリ辛「ルノー トゥインゴ GT」

ルノーにも「GT」グレードが設定されることが多い。とくに有名なのが、シュペールサンクに設定されていた「GTターボ」で、パンチのある加速と刺激的なルックスはクルマ好きの心を掴んだ。その後はさまざまなモデルに「GT」を設定してきたが、近年のモデルでその血筋を受け継ぐのが2017年に導入されたトゥインゴ GTだろう。わずか900ccの小さなエンジンだが、ターボを組み合わせることで最高出力109馬力を発揮。5速MTを組み合わせることで、かつてのシュペールサンクのようなホットな走りが楽しめるモデルとなっている。ルノーは「R.S.」と呼ばれるスポーツグレードが有名だが、トゥインゴGTは手頃な価格と性能で、スポーツドライビングの楽しさを教えてくれる1台だ。
伝説の「ハチロク」の精神的な後継モデル「トヨタ 86 GT」

AE86(通称ハチロク)のトヨタ カローラレビン/スプリンタートレノは、漫画「頭文字D」でもお馴染みのスポーティカー。ハチロクには「GTV」や「GT APEX」のような「GT」系グレードが設定されており、モデルチェンジを受けた90系、100系にも引き継がれていった。そして、2012年に登場した精神的後継モデルの「86」にもしっかりと「GT」が設定されている。86は全グレードでパワートレインに差異はないため、「GT」では装備がリッチになっているに留まる。具体的には17インチアルミホイール、ディスチャージヘッドランプ、デュアルエキゾースト、本革巻きステアリングなどが標準装備となり、気持ちを盛り上げてくれる。なお、2代目の「GR86」ではグレード名称がスープラに倣って「RZ」、「SZ」に変更されてしまったのは少し残念だ。
「GT」と名付けばワクワクしたあの時代、あなたは何を思い浮かべた?

今でこそ「GT」というグレードは希少になりつつある。たとえ街乗りのコンパクトカーでも以前と比べて性能が飛躍的に上がり、どんなグレードでも速く快適に走れるから、「GT」という言葉の必要性も薄れてきた。しかし、以前は高性能モデルやスポーツグレード、豪華なグレードの象徴であり、自動車ファンはGTバッジに憧れていた。今回紹介した10モデルのほかにも、GTを名乗るクルマは国内外問わずたくさん存在するが、あなたはどんなクルマを思い浮かべただろうか?