中古車購入
更新日:2024.02.13 / 掲載日:2024.02.07
【輸入中古車の買い方 2024】アプリに評価書…イマドキの中古車購入テクニック
文●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年3月号「これが令和の輸入車購入法[2024年は新しい買い方でいこう!]」記事の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
最近のクルマは値段がどんどん上がっていて、ますます中古車のニーズも多くなってきている。しかし一方で、一物一価である中古車は、購入にあたりユーザーが負う心理的負担が大きくなる。故障や購入にまつわるトラブルのリスクをどうすれば低減できるか。業界だけでなく、ユーザー側の意識も変わる必要がある。
どうすれば中古車の購入トラブルを回避できるか
中古車購入を成功させるには、ユーザー側にも相応の準備が必要だ。もちろん、正規ディーラーから認定中古車を購入すればリスクは最小限に抑えられる。だが、最終的にリスクを負うのはユーザー。契約書にサインをしたあとに、「こんなはずじゃなかった」、「認識が違っていた」は通用しない。厳しい言い方に聞こえるかもしれないが、それは事実だ。
一方で、中古車業界は行政などとともに、トラブルを減らすべく消費者保護の仕組みを作り上げてきた。
2023年10月にスタートした販売価格の「支払総額」義務化は大きな成果だろう。安価な車両価格を表示して集客を行いつつ、実際にはその価格で購入できないといった不当な価格表示の常態化については、これでひとつの対策になるだろう。
改めて覚えておきたいのは、中古車の価格と価値は相関関係にあるということ。都合のいい話はまずない。また、クルマは購入してからも手放すまでに点検や整備が必ず必要になる。そうした維持管理をどこで行うのか、購入店に任せるのか、それとも整備専門店を訪ねるか、カーライフを俯瞰して計画を立てたい。
オススメは、グーネットアプリの検索とお気に入り機能を駆使して候補を集めながら、候補になるクルマの改良履歴などの情報を勉強すること。余裕があれば、既存ユーザーのブログやSNSでトラブル事例などについても知見を深めたい。
時間や手間はかかるが、情報の収集と分析こそ、いつの時代も欠かせない購入テクニックになる。
遠方のショップから通販で購入「リモート購入」が増えている理由
・情報が詳細に確認できる
・保証が充実している
・店舗側が対応してくれる
ここ数年で急速に増えているのが、販売店に行かずにメールや電話でのやりとりのみで契約を結ぶ「リモート購入」。もちろん現車を確認し、納得したうえで購入するのが安心ではある。だが、店舗側が情報公開と誠実な応対、そして購入後のサポート体制を整えることで、リモート購入を選ぶユーザーも増えてきている。遠方店舗に理想的な車両がある場合や、リスク管理に納得できるならアリだろう。
アプリを活用して探索効率をアップ
リニューアルしたグーネットのアプリはすでに試していただいただろうか。たくさんの新機能が追加されたのだが、特に注目したいのが、お店にメールアドレスを知らせることなく問い合わせを一括管理できるトーク機能。どこのお店とやりとりをしているのか一目瞭然だし、プライバシーも守られる。お気に入り機能に物件だけでなくお店も追加できるのも便利だ。
自分で見るより確実!? 第三者のプロが作成した「車両状態評価書」は絶対チェック
グーネットの物件には、「グー鑑定評価」が付帯するものもある。車両評価のプロが外装から内装までチェックし、シートに記載したもので、第三者機関による内容であるため信憑性が高い。もちろん、最終的には現車を確認するのが確実。だが、何台か候補がある場合なら、まずは「車両状態評価書」をチェックすることが、時間の短縮と間違いのない購入につながる。
プライスボードから読み解ける情報
年式
何年落ちといったように漠然と見るのではなく、グーネットのカタログ機能とあわせて確認したい。年式によって、同じモデルでも機能や装備に違いが生まれることもあるからだ。
走行距離
走行距離からわかることは、車両のおおまかなコンディション。たとえば8万㎞くらいの車両であれば、数年以内にそれなりの部品交換やメンテナンスが必要だと推測できる。
車検
見落としがちな項目であるが、1年後に車検なのか2年近く猶予があるのかで、資金調達にも関係してくる。その車両を何年利用するのか、そうした想定もあわせて参考にしたい。
修復歴
骨格にまつわる部分に修復跡が見られる車両に該当する。基本的には避けたほうが無難だが、リセールバリューを気にせず、割り切って乗るのならば、必ずしもマイナスとは限らない。
車体色
中古車の価格は人気により左右されるので、ボディカラーは重要な要素。こだわらないのであれば人気色を省くだけでワンランク節約できる。だが、リセールバリューも下がってしまう。
それでも現車を確認するメリットはある
ネットではわからないところにこそ穴がある
ネットだけで完結するリモート購入の割合が急激に増加している。しかしその一方で、まだまだリアルでしかわからないこと、気がつけないことも少なくない。時間や状況が許せば、都合をつけて現車を確認するにこしたことはない。
では、販売店でユーザーは何を確認すればいいのか。
専門知識を持つ査定士がチェックをした書類があるのだから、素人であるユーザーが現車を見たところで新しい発見はないという声もあるだろう。ある意味でそれは間違いではない。だが、査定士の見つけたキズを改めて確認して、納得するのは重要な作業だ。クルマは数十万円から数百万円の買い物だ。にもかかわらず、なぜか購入を決断するのにわずかな猶予しか与えられないケースが多い。十分な検討もせず、すべてを販売店の責任にするのは筋が違う。あくまでも最終的にジャッジし、お金を払い、責任を持って運用するのはユーザーだからだ。
もしその物件を検討しているユーザーがほかに数人いたとしても、先に売れてしまったら縁がなかったと考えたい。購入をあせらせるような販売店やセールススタッフから購入しなかったことは、もしかしたらプラスになるかもしれない。
そうそう、現車を見るにあたっては、販売店についても信頼できるお店なのか見極めたい。トラブルがないならばいい。だが、大抵販売店と揉めるのはトラブルが起きたとき。リピートしたくなるいいお店は、取り扱う中古車物件も筋がいいのだ。
CHECK POINT[1]「たたずまい」から感じる違和感はだいたい正しい
現車を見たときに、直感的に感じるものがある。ある程度経験が必要ではあるが、たとえクルマの知識がなくても、何台も同じモデルを見ていれば、だんだんと見る目が養われる。塗装の状態も綺麗で年式も新しいのに、「なにか違和感がある」場合は避けたほうが無難だ。
CHECK POINT[2]リスクの高い中古車、低い中古車
中古車にとって最も大きなリスクは故障だ。簡単に交換できてパーツが安いものであればいいが、ハイテク化が進んだ現代のクルマは、ひとつひとつの部品が高価。電子制御4WDやエアサスなどの高性能装備は、修理コストが高いことは覚えておきたい。
CHECK POINT[3]許せる許せないは自分の感覚 数字だけでチャンスを見逃さない
思い込みというのは、じつはかなりやっかいな問題だ。たとえば走行距離や年式にこだわりすぎると、購入価格はどんどん高くなる。あまり数字にとらわれず、「古くても低走行なら許せる」、「室内が綺麗なら多走行でもいい」など、自分なりの物差しを見つけたい。
CHECK POINT[4]数値化できない「音」と「ニオイ」は要注意
いまのところネットの物件情報では、音やニオイについては掲載が難しい。こればかりは現車を確認しないと、あとで大きな後悔につながるリスクがある。試乗できなくても、できればエンジンをかけてもらい、違和感のある音がするかどうかたしかめよう。
CHECK POINT[5]気分は探偵! 整備履歴、記録簿からわかること
点検整備記録簿はできれば確認したい書類。点検や整備を定期的に受けていたのか、ディーラーなのか、整備工場なのか、ガソリンスタンドなのか。そういった情報から前オーナーの手入れ方針や現在のコンディションが想像できるからだ。
購入後、1カ月の間にやっておきたいこと
納車されてまず行いたいのが、契約どおりの内容で納車されているかの確認。オプションの施工やドラレコの装着、タイヤ交換がきちんと行われたのか。操作に慣れたら、ある程度の長距離ドライブに出かけてほしい。短時間では気がつかないような異音や異変があるかもしれないからだ。