徹底分析中古車相場
更新日:2021.07.10 / 掲載日:2021.07.10
【グー連載コラム】徹底解明相場分析(2021年7月)

[今月のテーマ]旅行やレジャーの相棒に最適な荷室が広くて使えるワゴンモデル
夏季休暇の時期ということで、家族旅行や仲間内でのドライブ旅を想定し、たくさんの荷物を積んで出かけられるステーションワゴン、それも比較的流通台数の多い人気モデル検討していく。(掲載されている内容はグー本誌2021年8月号の内容です)
[自動車評論家]渡辺陽一郎&[下流自動車ライター]マリオ高野 解説放談!
渡辺陽一郎
ユーザー側の視点に立ってクルマとその周辺情報を分析し、「ユーザーに損をさせない」ことを主題にジャーナリスト活動を続ける古参の自動車評論家。マリオ高野
下流生活を営む自動車ライター。その割に多くの自動車専門誌やウェブサイトに登場し、強烈なルックスと相反する腰の低さで、活動範囲を広げている。
人気銘柄はレヴォーグ相場で選ぶならどれ?

運転支援システム『アイサイトX』で話題を集めた新型が発売されたことで、先代型レヴォーグの相場にも変化が?
マリオ いよいよ8月、夏休みが近づいてきましたね。例年なら電車で出かける皆さんも、今はまだコロナ禍が心配ですから、クルマで外出という方も多いことでしょう。
渡辺 家族4名で出かけるときの出費も、新幹線を使うより、クルマの燃料代+高速道路通行料金のほうが安くなる場合があるからね。
マリオ 今回は、高速道路を使った長距離ドライブにピッタリなカテゴリー、ワゴン(ステーションワゴン)を紹介していきます。
渡辺 4人家族が快適に乗車できて、荷室が広いから荷物も積みやすい。さらにミニバンやSUVに比べて天井が低いため、低重心になって走行安定性も優れている。
マリオ 高速道路のトンネルを抜けた直後に、横風にあおられても、ワゴンであれば、セダンと同等の直進安定性を確保できます!
渡辺 全高はほぼ1550mm以下なので、立体駐車場も利用しやすいしね。
マリオ 同クラスではダントツ人気のワゴンとして、ミドルサイズのスバル・レヴォーグが挙げられます。レガシィツーリングワゴンの後継車種として設定されました。
渡辺 14年に発売された先代モデルが価格も割安でねらい目だね。
マリオ 先代型レヴォーグの中古車価格は、6年落ちの15年式が160万から190万円、3年落ちの18年式は210万から250万円です。全車がターボエンジンと4WDシステムを搭載しており、新車時の売れ筋価格帯は300万から400万円でした。
渡辺 今ではワゴンの代名詞的なブランドになって、流通台数の割に人気が高いこともあって相場も上昇しているよ。
マリオ 価格の割安なワゴンをねらうなら、トヨタ・カローラフィールダーがよいでしょう。5ナンバーサイズで運転しやすく、空間効率も優れているので、後席と荷室は3ナンバー車のカローラツーリングよりも広いです。
渡辺 カローラフィールダーは、12年に発売されて好調に売れていた。今でも低価格のグレードは、カローラツーリングと併せて、新車としても売られている。そのため市場の流通台数も多く、相場も安めだ。
マリオ 15年式は80万から110万円、18年式でも110万から130万円で、程度のよい車両を購入できます。
渡辺 コンパクトカーのように日常的な買い物に使われることも多く、走行距離の短い中古車を選べることも魅力だね。
マリオ 荷物の積載性を重視するならホンダのシャトルを推奨します。先代フィットをベースに開発されたので、車内が広く、後席をたたむと荷物をタップリ積めます。
渡辺 2列シートだけど、使い勝手はミニバンに近いんだよ。現行シャトルは15年に発売され、中古車の流通台数も相応に増えてるし。
マリオ ただ人気車というほどではないため、中古車相場は15年式が110万から130万円、18年式でも130万から170万円です。
渡辺 それでもグレード構成がハイブリッド中心で、中古車価格を高めた面もある。流通台数は少ないけど、ノーマルエンジン車であれば、15年式は90万から110万円、18年式でも120万から130万円で程度のよい中古車を選べるよ。
【エントリーNo.1】スバル レヴォーグ(先代型)

どんなクルマ?
“道具っぽさ”を感じさせないスポーツワゴンとして、2014年に誕生。スバルらしい安定感のある走りに加え、高い安全性能も備えている。動力性能を高めたターボ仕様もある。
●中古車中心相場 80万円から330万円 ●販売年月 2014年6月から2020年10月

バイヤーズガイド
3車のなかで最も流通台数が少なかったが、新型からの乗り換えもあり、今年になってシャトルの台数を超えた。自分好みの物件を探すには絶好の機会といえよう。相場は横ばい傾向にあり、これからの下落に期待。
【エントリーNo.2】トヨタ カローラフィールダー(現行型)

どんなクルマ?
すでに10年近く販売され続けるロングセラーモデルで、1.5Lエンジンベースのハイブリッドモデルも人気が高い。現在は、後継車ともいえるカローラツーリングと併売されている。
●中古車中心相場 40万円から180万円 ●販売年月 2012年5月から

バイヤーズガイド
さすがの新車販売ナンバーワンワゴンということで、中古車の市場流通台数はかなり多く、好みの物件を選びやすい。相場は一時期120万円を切ったときもあったものの、レジャーシーズンに向けて盛り返している。
【エントリーNo.3】ホンダ シャトル(現行型)

どんなクルマ?
フィットシャトルの実質的後継モデルとして2015年にデビュー。コンパクトなボディはそのままに、扱いやすさや上質感を向上させている。1.5Lのガソリンとハイブリッドを設定。
●中古車中心相場 60万円から230万円 ●販売年月 2015年5月か

バイヤーズガイド
カローラフィールダーと比較すれば少ないといえるかもしれないが、決して少なくない流通台数は物件選びの際にありがたい。基本的には右肩下がりの相場傾向で、この1年の間で平均相場が10万円以上下がっている。
ちなみに……
ワシが買うならレヴォーグ!(マリオ)
なんといっても名車レガシィツーリングワゴンの系譜を受け継ぐモデルですから、ワゴンとしての総合的な性能の高さは折り紙付き。ボディがコンパクトなのに視界が開けていて、運転も容易です!
ワタシのオススメはカローラフィールダー!(渡辺)
ワゴンが売れにくくなった日本でも、コンパクトワゴンの受け皿として長年君臨し続けた、メーカーの情熱を買いたい。もちろん同クラス最量販車種ということで、実力はたしか。燃費も優れている。