【トヨタ プリウスPHV】登場から3年が経過した人気プラグインハイブリッドはそろそろ買い時

　3代目プリウスをベースに、外部充電ができるプラグインハイブリッド仕様に仕立てた「プリウスPHV」が登場したのは2012年1月のこと。見た目はプリウスそのままだが、大容量のリチウムイオン電池を搭載し、電気のみで26.4kmも走行できるのが特徴だ。PHVと聞くと、使い勝手が一般的な内燃機関車やハイブリッドカーと異なるのでは？と思うひとがいるかもしれないが、外部充電を行わなくても普通に使えるのがPHVの魅力。それは搭載エンジンが発電機として働き、バッテリーを充電するのが理由。ガソリン消費を抑えつつ、一定距離ではEVとしても使えるPHVは、多くのユーザーに歓迎された。

　2017年2月にはモデルチェンジを受けて2代目が登場。すでに新型となっているプリウスとはまったく異なるデザインが採用されたのが見どころ。モーターのみの走行距離も68.2kmと飛躍的に伸ばされるなど、性能が大幅にアップした。また電池残量が減ってハイブリッドカーとして使う場合、JC08モードで37.2km/Lという優秀な燃費を実現。さらに新世代アーキテクチャー「TNGA」を導入したことで、走りの質感は先代から飛躍的に改善されたことも見逃せないポイントだ。世界トップレベルの環境性能はもちろん、運転が楽しいクルマになったことも、現行型プリウスPHVの見どころである。

　まずは改良遍歴を振り返ってみたい。2017年2月の発売時点におけるグレード構成は「S」、「Sナビパッケージ」、「A」、「Aナビパッケージ」、「Aプレミアム」の5タイプ。また、福祉車両「助手席回転チルトシート車」も同時に設定された。2019年5月には一部改良が行われ、乗車定員を従来の4名から5名に変更し、ファミリーカーとして便利に使えるように。さらに蓄電池として使える「VH2」という機能も設定され、災害時にも役立つクルマとなった。それを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。

　デビュー年の2017年式がもっとも豊富で、全体の7割以上を占める。発売以降、乗車定員の変更を除けば大きな仕様変更がないので、年式で迷うことはないはず。となれば、平均価格が低い2017年式がターゲットとなるだろう。この年式だと100万円台の物件も存在するから、以前と比べてかなり探しやすくなってきた。多走行車がほとんどないことも魅力。ただし、タイミング的に車検が切れている車両も多いので、そこはしっかり確認しておこう。車検あり＋高年式のほうが結果的に安くなるケースもある。

　グレード構成は、大別すると「S」、「A」、「Aプレミアム」の3つに分けられる。メカニズム面で大きな違いはなく、予防安全装備として上級の「A」以上にはアダプティブハイビームシステム（「S」にはオートマッチックハイビーム）となる程度。また「Aプレミアム」には本革シートを標準装備。また、各モデルにTコネクトナビゲーションシステムを採用した「ナビパッケージ」も用意される。

　グレード別の平均価格を比較すると、大きな差は見られない。ただし物件数は「S」、「A」、「Aプレミアム」の順に少ない傾向があり、もっともベーシックな「S」が探しやすいだろう。とはいえ、200万円台前半の物件を細かくチェックしていくと、上級の「A」や「Aプレミアム」もヒットする。近しい予算でも積極的に上級グレードを狙える状況なので、グレードにこだわらず幅広く探していくのがよい。

　発売から3年が経過し、プリウスPHVは新車時の50万円~100万円減の価格で購入できるようになった。プリウスほどではないが、物件数も充実しており、そろそろ買い時と言ってもよい。グレードによる差が少ないから、クルマ選びに迷わないだろう。ところで気になるのは、先代モデルの相場。2020年4月10日現在、先代プリウスPHVの中古車平均価格は110万円（全年式）とかなり安くなっている。現行型の半分以下の予算で探せることに注目だ。物件数は現行型のほうが多いものの、低予算で買うならこちらも合わせて考慮したい。