徹底分析中古車相場
更新日:2020.03.06 / 掲載日:2020.03.06
【ホンダ フィット】新型登場でお買い得に!? 1年前の相場と比較してみた

2020年2月、ホンダ フィットがフルモデルチェンジを受けた。シャープなイメージが強い先代から一転、新型は初代を彷彿とさせる柔らかいイメージのデザインなのが見どころ。走行用モーターと発電用モーターを組み合わせたハイブリッドは新たに「e:HEV」と名付けられ、WLTCモード燃費で29.4km/Lという優れた燃費性能を実現している。ライバルのトヨタ ヤリスもほぼ同じタイミングで登場し、ここ最近国産コンパクトカーに大きな注目が集まっている。新型が登場すると旧型(中古車)が値落ちするというのは、多くのモデルで見られる傾向だが、フィットの場合はどうなのだろうか。今回は1年前のデータと比較しながら、先代フィットの中古車動向を探ってみよう。
ホンダ フィットってどんなクルマ?
シビックよりもひとまわり小型のコンパクトカーとして、2001年6月にデビューしたのがホンダ フィット。ロゴの後継モデルに当たるが、新しく開発された「センタータンクレイアウト」を初めて導入し、同クラスのハッチバックではトップクラスの室内空間を実現した。その後、現在に至るまで多くのモデルがセンタータンクレイアウトを採用していることから、いかに革新的なパッケージングであるかが分かる。
2007年10月には2代目が登場。初代のイメージを残しつつも、全体的にスポーティなデザインに進化した。この世代の特徴として、ライバルに先駆けてハイブリッドを設定したのもトピックとなっており、JC08モード燃費は26.0km/Lを実現。また、派生モデルとしてワゴン版のフィットシャトルが登場するなど、幅広いユーザーのニーズに応えた。
2013年9月にはフルモデルチェンジを受けて3代目へ。センタータンクレイアウトを採用するが、プラットフォームやエンジンを一新して新しく生まれ変わった。それを象徴するのがエクステリア。やさしい印象を与える2代目に対し、3代目はクールな印象でまとめられた。エンジンは先代同様1.3L、1.5Lのガソリンエンジンと、1.5Lハイブリッドの3タイプを設定。なかでもハイブリッドはJC08モード燃費で最大37.2km/Lという優秀な値を達成している。これはハイブリッド専用のコンパクトカー「トヨタ アクア」にも匹敵する数値である。
ホンダ フィットの年式別中古車価格相場は?

まずは、先代フィットの改良遍歴を振り返ってみたい。2013年9月のグレード構成は大きく分けると「13G」、「15X」、「RS」、「ハイブリッド」の4モデル。スポーティモデル「RS」と「ハイブリッド」は全車FFとなるが、それ以外はFF/4WDが選択可能。トランスミッションは、ガソリン車がCVT(一部グレードでMTも選択可能)、ハイブリッドは7速DCTが組み合わされる。新車時価格は126万5000円~193万円。2014年10月には、シティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグ、前席用i-サイドエアバッグシステムをセットにした「あんしんパッケージ」を、一部グレードを除き標準装備。またIRカットガラスなどの快適装備も充実された。2015年9月には、フロントグリルの意匠が小改良を受けたほか、ハイブリッドのホイールキャップデザインを変更。また、プラズマクラスター技術搭載フルオートエアコンを「13G」、「ハイブリッド」を除く全グレードに標準装備。そのほか、各グレードに快適装備が与えられている。
2017年6月、大掛かりなマイナーチェンジを受けた。この改良の最大の見どころは、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」が導入されたことだろう。ミリ波レーダーと単眼カメラで車両前方をモニタリングし、自動ブレーキシステムはもちろんのこと、誤発進抑制機能、車線維持支援システム、アダプティブクルーズコントロールなど全部で8つの安全機能が盛り込まれた。こちらは、「ハイブリッド」、「ハイブリッド F」、「13G F」と福祉車両を除く全グレードに標準装備された。また、エクステリアデザインもリニューアルされ、低重心でワイドな印象を与える外観に変更。さらに一部グレードには「プレミアムブラウンインテリア」と呼ばれる上質な内装を与えたモデルも設定されている。それらを踏まえ、年式別中古車平均価格を1年前と比較してみよう。
年式 | 2020年2月 | 2019年2月 |
2013年式 | 86万円 | 101万円 |
2014年式 | 90万円 | 111万円 |
2015年式 | 102万円 | 124万円 |
2016年式 | 124万円 | 137万円 |
2017年式 | 147万円 | 167万円 |
2018年式 | 168万円 | 187万円 |
2019年式 | 187万円 | ー |
※データはフィットハイブリッドのもの。
わずか1年で20万円ほど相場がダウン
ちょうど1年前のデータと比較したのが上の表。これを見ると、どの年式も15万円~20万円ほど相場が下がっているのが分かる。人気のコンパクトカーや軽自動車は、値下がりが渋い傾向なのが一般的だが、短期間でこれほど下がったのは新型フィットの登場が少なからず影響しているのだろう。ちなみにこのデータは、物件豊富なハイブリッドのみを集計したもの。比較的高価なハイブリッドでも、初期型ならば100万円を切る物件が中心となるので、かなりお買い得。しかし、2017年6月の改良で採用された「ホンダセンシング」は、今の時代必須の安全装備。平均価格は、2017年式でも147万円と少々高めとなるが、探してみると100万円以下の物件も少なくない。ホンダセンシング装着車にこだわるなら、後期型を探すのも手だろう。
ホンダ フィットのグレード別中古車価格相場は?

フィットは、大きく分けると1.3L 直4の「13G」、1.5L 直4の「15X」と「RS」、1.5L 直4+モーターの「ハイブリッド」から選べる。「RS」は専用内外装やスポーツサスペンションが与えられ、6速MTも選べる希少なスポーツモデル。それらを踏まえ、グレード別の中古車平均価格を見ていこう。
ターゲットは相場が下がったハイブリッド系
どのグレードも、1年前と比べて相場が下がっているのでリーズナブルに購入可能。しかし、物件数は13G系とハイブリッド系が中心となっており、1.5Lエンジン搭載車の割合は少なめだ。価格重視なら13G系がオススメだが、ここでは燃費やランニングコストに優れたハイブリッド系グレードを推しておく。以前と比べて買いやすくなっており、動力性能にもゆとりがある。平均価格は124万円となっているが、100万円以下の物件も充実しているから安心だ。
ホンダ フィットの中古車価格相場のまとめ

フルモデルチェンジの影響か、先代フィットは1年前と比べてさらに安くなった。国産コンパクトカーの中古車も、人気モデルとなれば100万円以上は当たり前の昨今、低予算で入手でき、かつ満足度の高い1台を探し出すのは意外と難しい。先代フィットは、広大な居住空間を持ち、ハイブリッドも設定するという大きな長所がある。100万円以下のクルマ選びをするなら、ぜひとも候補に入れたい1台だろう。