徹底分析中古車相場
更新日:2019.04.01 / 掲載日:2019.03.07
【ホンダ フィット】100万円の予算で探せる!? 現行型がリーズナブルに
免許を取得したばかりの若者はもちろん、子育て世代の夫婦、シニアなど幅広い層に人気のクルマがコンパクトカー。販売データを見ても、各メーカーがリリースするコンパクトカーは常に上位にランクインしている。そこで今回紹介するのは、ホンダ フィット。日産ノートやトヨタ アクアの人気に押され気味ではあるが、2001年の初代登場以来、今でも多くのユーザーに愛される1台である。3代目となる現行型は、先代に引き続きガソリン車とハイブリッドを設定し、ライバルに対抗している。デビュー当時はその人気ぶりゆえ高値安定だったが、登場から丸5年以上経ち、最近は手頃な価格の中古車が増えている。この春の新生活にもぴったりの1台なので、ぜひ中古車相場をチェックしてみよう。
ホンダ フィットってどんなクルマ?
2001年6月にデビューしたコンパクトカーがフィットである。ホンダ ロゴの後継というポジションだが、フィットはデザイン、プラットフォームなどすべてを一新。とくに燃料タンクを車体中央に平たく配置する「センタータンクレイアウト」を採用したことで、ロゴと比べて飛躍的にゆとりのある室内空間を実現した。このレイアウトは、フィットだけでなく、その後多くのホンダ車に採用されている。またワンモーションフォルムの小さなミニバン的デザインながら、小気味よく回るエンジンやしっかりした足まわりなど、スポーティな走りも定評があった。
2007年には2代目フィットが登場するが、この世代では後に待望のハイブリッドが設定されたことがトピックだ。フィットハイブリッドが登場した2010年当時、現在人気のアクアやノート e-POWERなどは存在しなかった。コンパクトカー×ハイブリッドというエコにエコを重ねることで、JC08モード燃費26.0km/Lと、当時としては非常に優秀な値を実現していた。
そして今回のテーマである3代目が登場したのは2013年9月のこと。プラットフォーム、エンジン、デザインを一新し、より上質な走りを実現。センタータンクレイアウトによる広い室内はそのままに、アイドリングストップなどの省エネ技術により、非ハイブリッド車でもJC08モード燃費で最大26.0km/L、ハイブリッド車では36.4km/Lを達成し、ライバルに負けない環境性能を手に入れている。
ホンダ フィットの世代別中古車相場は?
フィットの改良遍歴を振り返ってみたい。2013年9月に登場した現行型は、従来どおりガソリンの1.3Lと1.5L、そしてデビューと同時に1.5Lハイブリッドも設定していた。1.5Lモデルにはスポーティな足まわりとルックスを持つ「RS」も先代に引き続いて投入され、こちらは6速MTも選べる。2014年10月の改良では、「13G」と「13G Fパッケージ」を除く全車にシティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグを標準装備。同時に快適装備も充実化された。その翌年の9月には、フロントグリルの意匠が小変更され、プラズマクラスターのフルオートエアコンを、一部グレードを除いて全車標準装備。
2017年6月にはマイナーチェンジが実施され、フロントバンパーのデザインをリニューアル。また一部モデルにインラインタイプのLEDヘッドライトを採用するなど、上級感がさらに増した。エンジンも改良が加えられ、ハイブリッドのJC08モード燃費は最大37.2km/Lに高められている。そして極め付けは、先進の安全装備「ホンダセンシング」を多くのグレードで標準装備としたこと。これは、衝突回避軽減ブレーキはもちろん、車線維持システム、アダプティブクルーズコントロールなど8つの機能が盛り込まれている。
年式 | 中古車平均価格 |
2013年式 | 101万円 |
2014年式 | 111万円 |
2015年式 | 124万円 |
2016年式 | 137万円 |
2017年式 | 167万円 |
2018年式 | 187万円 |
※データはフィットハイブリッドのもの。
5年落ちの物件がボリュームゾーンで安い
上のデータは、物件がより豊富なフィットハイブリッドのもので、非ハイブリッド車はこれより10万円~20万円ほど相場が安い。もっともボリュームがあるのは2014年式で、ハイブリッドの平均価格は111万円、非ハイブリッドでは94万円となっている。この年式(ハイブリッド)をさらにリサーチしてみると、下は70万円から、上は170万円という価格帯と買いやすくなった。人気のハイブリッドカーが、諸経費込みで100万円の予算でも十分探せるのは嬉しい限りだ。ただし、走行距離はそれなりに伸びた物件も少なくない。2014年式の100万円以下という条件なら、走行距離は5万~7万kmが目安と考えたい。低走行(5万km未満)にこだわるなら、100万円の予算から少し足が出そうだ。
ホンダ フィットのグレード別中古車相場は?
物件豊富で価格もこなれてきた「ハイブリッド」がイチオシ!
全体をみると物件数が膨大な現行型フィットだが、流通するグレードには大きな偏りがある。まず「15X」は全体の1%ほどしか存在せず、かなり買いにくい状況。「RS」も少ないが、「15X」よりは探しやすいだろう。一方、「13G」、「ハイブリッド」は物件が豊富にあり、とくに後者は現行型フィットのなかでもっとも充実している。平均価格を見ると、どのグレードもそれほど大きな差はなく、「1.3G」と「15X」に至っては、価格の逆転現象まで起きている。より低予算で探すなら「13G」だが、燃費性能などその他諸々を考慮したら「ハイブリッド」を積極的に狙いたい。
ホンダ フィット中古車のまとめ
低価格車は、発売後しばらくは中古車相場が下がりにくい。フィットも、発売からしばらくは中古車で購入するメリットが少なかったが、ここ最近はモデル末期ということもあり、かなり安くなっていると実感できる。とくに中古車の場合、グレードごとの価格差が新車よりも少額になり、積極的に上位グレードを狙っていけるのが魅力。トヨタ アクアや日産 ノートもいいが、フィットもまた今買いのコンパクトカーと言っていいだろう。