徹底分析中古車相場
更新日:2020.02.14 / 掲載日:2020.02.14
【EV特集】中古車で買える電動化モデル、オススメなのはどれ?

ここ10年くらいの間、電気自動車(EV)が急速に増えてきた。毎年各地で開催されるモーターショーの目玉の多くがEVとなっており、これからの10年、EVはさらに一般的なものになっていくだろう。すでに国内でもEVが市販されているが、その草分けとなったのが2010年に登場した日産リーフ。それ以前は軽自動車の三菱i-MiEV(アイミーブ)が存在していたが、普通乗用車のリーフはEV普及に拍車をかけたのは言うまでもない。そこで今回は、EVを含む電動化モデル(モーター駆動のクルマ)がテーマ。リーフをはじめ、現在中古車で探しやすい車種を紹介し、相場動向を探っていきたい。
100万円以下の予算で購入可能な先代リーフ
日産リーフがデビューしたのは2010年12月のこと。当時、EVには三菱i-MiEVが存在していたが、こちらは軽自動車「i(アイ)」がベース。一方リーフは専用のプラットフォームが用いられ、ゼロから新設計された電気自動車であるのが特徴。バッテリーは、当初24kWhの容量が搭載されたが、2015年11月のマイナーチェンジでは新たに30kWh仕様が加わった。これにより、JC08モードの航続距離は200kmから280kmへと大幅に延長され、安心して遠出ができるようになった。またこのタイミングでエマージェンシーブレーキ、車線逸脱警報などの安全装備も導入されている。2017年9月には新型リーフが登場。リチウムイオン電池の容量は40kWhへと拡大され、航続距離は400kmに伸びた。それらを踏まえ、年式別中古車平均価格を2年前のデータと比較して見てみよう。
年式 | 2020年2月 | 2018年2月 |
2011年式 | 50万円 | 68万円 |
2012年式 | 60万円 | 77万円 |
2013年式 | 75万円 | 95万円 |
2014年式 | 93万円 | 117万円 |
2015年式 | 102万円 | 150万円 |
2016年式 | 135万円 | 168万円 |
2017年式 | 149万円 | 217万円 |
2年前よりさらに安くなった先代リーフ
2018年2月のデータと比較したのが上の表。2年前でも非常にお手頃価格だったが、新型の中古車が流通し始めた現在、相場がさらに下がっている。2015年の改良前なら中古車平均価格が100万円以下となっており、なかには30万円前後の物件も存在する。しかし、今買うならバッテリー容量の大きい30kWhをオススメしたい。5年落ちの低走行車でも100万円程度の予算から探せるし、航続距離にゆとりがある30kWhのほうが用途の幅が広い。なお、中古車はバッテリーが劣化しているケースも見受けられる。メーター横に刻まれるメモリが減っている、いわゆる「セグ欠け」が起きている個体はたとえ価格が安くても避けよう。
ほかにも選べる国産&輸入EVの中古車相場は?

テスラ モデルS
三菱 i-MiEV
BMW i3
モーターのみで駆動するピュアEVは、リーフ以外にもまだまだ存在する。まずは2009年に登場した三菱i-MiEV。外観は「i(アイ)」そのものだが、中身は別物。一充電の航続距離は160kmと少し物足りないものの、普段の買い物に使うなど限定的なシーンだと問題なく使える。また、2014年に発売されたBMW i3も魅力的な選択肢。こちらは発電用の小型エンジンを備えたレンジエクステンダー車と合わせて2タイプが設定され、WLTCモードで最大466kmという航続距離を誇る。カーボン製のボディシェルを採用するなど、ボディ剛性の高さも見どころだ。そして最後に、米国の新興メーカーであるテスラの高性能セダン「モデルS」にも注目。こちらは最大610km(WLTPモード)という非常に長い航続距離を誇り、0-100km/h加速2.6秒というスーパーカーをも軽く超える加速力を持ち合せる。それぞれ毛色は違うが、中古車平均価格を比較してみたい。
100万円以下の低予算で買えるi-MiEV
登場から10年が経ち、相場はかなり下がっている。現在の中古車平均価格は86万円となっており、40万円前後の予算から購入可能。新車当時の価格は300万円以上ということを考慮すれば、かなりお買い得な1台と言っていい。ただし物件数はリーフよりも少なく、やや探しにくいのが難点。
新車時の半額で購入可能なBMW i3
BMW i3のデビュー当時の新車価格は499万円~546万円。現在は価格が上がり、レンジエクステンダー車だと600万円オーバーの高額車である。しかし、中古車平均価格は309万円に下がり、手が出しやすくなっている。中古車価格の下限は180万円となっており、200万円の予算があれば狙えそうだ。なお、レンジエクステンダー車は全体のおよそ半分程度。物件数は、国産EVに比べると少ないので、じっくり探そう。
まだまだ中古車が少ないテスラブランド
最近話題のテスラは、ハイパフォーマンスEVの代名詞。高級セダンのモデルSも、新車価格は1000万円オーバーである。しかし中古車平均価格は685万円に下がり、少し身近なプライスとなった。テスラはさまざまなモデルがあるが、もっとも多いモデルSでも十数台程度(グーネット調べ)。安くなったとはいえ、相変わらず入手難易度が高い。
エンジンを備えて使い勝手を高めた電動化モデルもオススメ
EVではないが、モーターとエンジンの長所をうまく組み合わせた電動化モデルも人気。その代表格が、外部充電が可能なPHEV。なかでも有名なのがトヨタ プリウスPHVだろう。2012年から一般向けに販売され、ハイブリッドカーのプリウスとともに人気の1台。純粋なEVとは異なり1.8Lのエンジンも備えるから、電池残量が無くなって立ち往生する心配はない。一方、ノート e-POWERは発電用のエンジンを備えた電気自動車である。PHVとは異なり外部充電はできないが、走行感覚はEVとほぼ同じ。ここでは、プリウスPHV(先代)とノート e-POWERの中古車平均価格を見てみよう。
プリウスPHVの先代モデルは100万円以下でも入手可
すでに新型が登場しているため、先代プリウスPHVは現在相場が下がっている。中古車平均価格は113万円だが、100万円以下の物件も数多く流通する。しかし、通常のプリウスは膨大な物件数を誇るが、PHVは物件数がそれほど多くない。初期型は多走行な物件が中心なので、コンディションを重視するなら予算を多めに確保しておきたい。
物件豊富の人気モデルだが相場はやや高め
ノートにe-POWERが設定されて以降、エコカー界隈に一大ブームが巻き起こった。充電という煩わしい作業を廃し、通常のエンジン車と同様の使い勝手なのが人気の秘密。相場は高値安定が続き、中古車平均価格は165万円。新車価格がおよそ200万円~ということを考慮すれば値落ちはさほどでもないが、100万円台前半の物件も少なくないので、選択肢としては十分あり。
まとめ

今回はEVを中心とした電動化モデルをピックアップして紹介した。価格面でオススメしたいのは先代リーフ。ファミリー向けのパッケージなので、初めてのEVデビューにはうってつけの1台だろう。また、リーズナブルに購入できるプリウスPHEVや大ヒットモデルのノートe-POWERも、電動化モデル初心者にオススメできるクルマ。これから増加の一途を辿るEVを、先取りで乗ってみるのも楽しいかもしれない。