徹底分析中古車相場
更新日:2019.04.12 / 掲載日:2019.04.12
【トヨタ ハリアー】デビューから5年、中古車はそろそろ買い時?

ミッドサイズSUVのなかで、デビュー以降好調な販売を継続しているのがハリアー。現行型が登場してから5年が経過するが、昨年はライバルのCX-5を抑えて23位にランクインするなど、相変わらず好調な売れ行きを見せている。また、グーネットの人気検索ランキングでも上位におり、中古車としても注目度が高い1台なのだ。また、トヨタからもうすぐ新型RAV4も登場するから、このクラスは今後も活気が増していくのは間違いないだろう。今回は、現行型ハリアーの中古車相場を分析し、今買い時か否かを考えてみたい。
トヨタ ハリアーってどんなクルマ?
ラグジュアリーな装いの新型SUV「ハリアー」が登場したのは1997年12月のこと。当時、SUVと言えばクロカン4WDかコンパクトなアーバン4WDが主流な時代で、高級路線のSUVは国内外問わず、ほとんど存在していなかった。そんな市場にいち早く乗り出したのはトヨタとメルセデスで、それぞれハリアーとMクラスを発表した。日本ではハリアーのほうが先に導入され、プレミアムSUVの草分けとしてデビュー以降一躍人気モデルとなった。
2003年にはモデルチェンジを受けて2代目が登場するが、ボディサイズはひとまわり拡大されて車格がアップ。最上級モデルにはエアサスペンションを装備するなど、同クラスの輸入車にも負けないほど高い快適性を実現していた。2005年にはハイブリッドも追加してラインアップを拡充。後のSUVブーム到来を後押しする存在となっていった。2009年には、後継車となるレクサスRXが登場したが、価格帯が大きく異なるため、日本では2代目ハリアーはそのまま継続販売されている。
そんなハリアーが再びモデルチェンジを受けたのは、2013年12月。レクサスRXとは異なる、日本独自のモデルとして登場した。RXは500万円オーバーのプレミアムSUVだが、ハリアーは200万円台後半からという手の届きやすい価格をキープし、従来のユーザーをそのまま囲いこむことに成功した。ひと目でハリアーとわかる秀逸なデザインも魅力のポイントで、本格的なSUVブーム到来と相まって、より一層注目を集めることになった。
トヨタ ハリアーの年式別中古車相場は?

現行型ハリアーの改良遍歴を振り返ってみよう。2013年12月の発売当時、2.0L 直4と2.4L 直4+モーター(ハイブリッド)の2つのパワートレーンでスタート。2014年12月にはローダウンサスペンションを装着した「G’s」が追加された。2015年6月の一部改良では、最上級の「プレミアム アドバンスドパッケージ」にパノラミックビューモニター、Tコネクト SDナビを採用。2017年6月にはマイナーチェンジが行われ、内外装デザインの改良が行われた。また、231馬力の2.0L 4気筒直噴ターボエンジンが新設定され、パワフルな動力性能を獲得している。これらに加え、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」を全車標準装備するなど、マイナーチェンジで安全性がさらに高められた。
年式 | 中古車平均価格 |
2014年式 | 256万円 |
2015年式 | 271万円 |
2016年式 | 275万円 |
2017年式 | 316万円 |
2018年式 | 327万円 |
※データはハイブリッドを除く
安く購入するなら5年落ち(2014年式)がターゲット
登場から5年が経ち、市場にはたくさんの中古車が流通している。しかし、人気モデルゆえ相場は高値をキープしており、残念ながらあまり安い印象を受けない。デビュー翌年の2014年式でも平均価格は256万円となっており、当時の新車価格と比べても値落ちの幅は小さい状況だ。とは言え、個々に物件を探ってみると200万円台前半の予算で購入することは不可能ではない。しかも、走行距離は3万km以内のものが中心だから、コンディションの心配も少ないだろう。なお、この年式だと車検が付いてないケースも目立つから、コミコミ250万円の予算は最低でも確保しておきたい。
トヨタ ハリアーのグレード別中古車相場は?

デビュー当初のグレード体系は、もっともベーシックな「グランド」、上級ファブリック+合成皮革シートを装備した「エレガンス」、さらに18インチアルミホイールで足元を引き締めた「プレミアム」という3モデルで展開された。2017年のマイナーチェンジでは、それらに加えてTコネクトSDナビやパノラミックビューモニターを標準装備する最上級仕様「プログレス」も登場。また。それぞれに2.0L 直4(後にターボ化)とハイブリッドが選べるから、バリエーションは豊富である。これらに加え、スポーツ仕様の「G’s(後にGRスポーツ)」も存在する。ここでは各グレードの中古車平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
エレガンス | 260万円 |
プレミアム | 293万円 |
プログレス | 361万円 |
ハイブリッド エレガンス | 266万円 |
ハイブリッド プレミアム | 310万円 |
G’s/GRスポーツ | 305万円 |
上級グレード「プレミアム」が物件豊富で探しやすい
バリエーション豊かなハリアーだが、中古車の大半は「プレミアム」となっており、ベーシックな「グランド」はエンジン問わず非常に数が少ない。また、ハイブリッドの割合は全体の2割程度に留まり、値段の高さと相まって買いにくい状況となっている。また、マイナーチェンジで追加された「プログレス」も物件が少ないため、中古車を買うなら非ハイブリッドの「プレミアム」か「エレガンス」の2択となりそうだ。両者の違いは快適装備が中心となっており、好みで選んでもかまわない。一方「G’s」や「GRスポーツ」は、割合は少ないものの、探せば見つかる程度には流通している。とくに2015年式あたりの「G’s」は、200万円台半ばの物件も目立つから、より個性あるハリアーが欲しいひとにはオススメだ。
トヨタ ハリアー中古車のまとめ

人気株だけに、登場から5年が経過しても価格をキープしている現行型ハリアー。しかし、全体的に中古車のコンディションがよい傾向にあり、物件も非常に多いことから、新車購入と比較したら検討する価値は十分ある。それでも予算オーバーというひとには、2003年にデビューした先代モデルという手もある。こちらは低走行な物件が少なく、大半は5万kmオーバーとなるが、100万円以下の予算でも十分探せる。V6エンジンの上品な走りは、むしろ現行型よりもハリアーの持つイメージに近い。先代も視野に入れたら、中古車選びはグッと奥行きが増すだろう。