徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.24 / 掲載日:2018.06.08
【スバル フォレスター】フルチェン間近! 現行型の相場はどうなってる?

フォレスターが人気のワケとは
すでに次期モデルがお披露目され、いま注目されているSUVと言えばフォレスター。4WDに定評のあるスバルが生み出したSUVということで、日本はもちろん、海外でも人気の1台と言っていいだろう。
フォレスターが初めて登場したのが1997年のこと。当時のインプレッサをベースに、ライトなクロスオーバーSUVに仕立てたモデルだった。具体的には、車高は1580mm(97年式のC/tbグレード)と、ちょっと背の高いステーションワゴンというポジション。後に、多くの立体駐車場に入庫可能な全高1550mm以下のグレードも登場し、スポーティかつカジュアルな小型のクロスオーバーというキャラクターである。2002年に登場した2代目も、基本的には初代のキープコンセプト。車高を1550mmに抑え、街乗りに最適化した「クロススポーツ」を設定し、トヨタ RAV4やホンダCR-Vなど、当時のライバルと差別化を図っていた。
そんなフォレスターの方向性が大きく変わったのは、2007年に発売された3代目だ。車高は100mm以上高くなり、ステーションワゴン風な見た目の従来モデルから一転、ひと目でSUVとわかるスタイルになった。上質感のあるインテリアをはじめ、走りの重厚感も格段にアップし、クルマとして大きな進化を遂げている。それが功を奏し、SUVの本場である北米でも大ヒット。日本でもSUVブームの勢いに乗り、フォレスターは一躍人気モデルの仲間入りに。そして2012年登場の4代目はさらに正常進化を果たした。衝突被害軽減ブレーキを含む安全技術「アイサイト」という大きな武器を得て、人気ぶりが加速していったのである。
スバルといえば、かつてはWRC参戦のベース車であるインプレッサのハードコアなスポーツイメージが強かったが、いまは先進技術とタフなルックスが売りの4WDという方向性に変わっている。これに共感した新規ユーザー層を囲い込んだことが、フォレスターをはじめ、現行型インプレッサやXV人気の秘密と言ってよさそうだ。
ライバルと相場を徹底比較してみた

もうすぐフルモデルチェンジということもあり、以前は高値安定だった現行型フォレスターが手頃な予算で買えるようになってきた。ここではフォレスターのほかに、同じミッドサイズSUVのライバルとともに、中古車平均価格をチェックしてみよう。
モデル名 | 中古車平均価格 |
スバル フォレスター(現行) | 209万円 |
日産 エクストレイル(現行) | 228万円 |
マツダ CX-5(先代) | 190万円 |
三菱 アウトランダー(現行) | 211万円 |
※アウトランダーはPHEVを除く。
これを見ると、現行型ミッドサイズSUVの中古車平均価格は、おおよそ210万円前後と言えそうだ。今回のテーマであるフォレスターは209万円だから、ライバルとほぼ同程度。ちなみに現行型CX-5は登場してから時間が経っておらず、中古車はほとんど安くなっていないから、先代に注目した。こちらは、ほかのモデルと比べて少し相場は下がっており、今後もさらなる値下がりが期待できる。価格重視なら先代CX-5という選択は十分アリだ。クリーンディーゼルを選べるのもCX-5の大きな強みである。
エクストレイルは、フォレスターとサイズも価格もよく似た存在。ウォッシャブルなラゲッジを備えるなど、アウトドアにもぴったり。またハイブリッドを選べば、燃費はフォレスターよりも有利である。2017年のマイナーチェンジ以降は同一車線自動運転技術「プロパイロット」も搭載され、先進技術の面でもフォレスターより一歩先を行く。ただし後期型エクストレイルは、中古車相場がかなり高めとなっている。
アウトランダーも、昔からフォレスターの強力なライバルと言われている1台。一般的なガソリンエンジンのほかにプラグインハイブリッド(PHEV)も選べるが、こちらは相場がかなり高めなので、上表の平均価格に含めていない。一般的なガソリン車の相場に限ればフォレスターとほぼ同程度。高品質な内外装が魅力のクルマだが、物件数が少ないのが難点(ただしPHEVは豊富にある)。フォレスターは、ミッドサイズSUVとしては標準的な価格と実用性を備えたクルマである。
日産 エクストレイル(現行)
マツダ CX-5(先代)
三菱 アウトランダー(現行)
年式別に見る相場の違いは?

ここで、4代目フォレスターの歴史を簡単に振り返ってみたい。デビューは2012年12月で、2.0L 水平対向4気筒の自然吸気モデルとターボの両方が設定された。全車4WDを採用し、一部グレードは6速MTも選べた。また、当時の最先端技術「アイサイト Ver.2」が導入されたのもトピックである。翌年10月の一部改良では、パワーリヤゲートやカーテン&サイドエアバッグ装着グレードを拡大。2014年11月は、STI製パーツを装着したスポーツモデル「tS」が追加され、同時に内外装が小変更を受けた。そして2015年10月にはマイナーチェンジを実施。フロントデザインが一新され、アイサイトがVer.3へと進化。車線逸脱抑制制御などが盛り込まれ、安全性が一段と高められている。それらを踏まえて、年式別の中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 180万円 |
2013年式 | 188万円 |
2014年式 | 203万円 |
2015年式 | 222万円 |
2016年式 | 241万円 |
2017年式 | 262万円 |
2015年10月で、前期型と後期型に区別される。上の表を見ると、後期型の平均価格は250万円に迫り、まだまだ高い印象を受ける。一方、前期型なら平均価格は100万円台後半で手が出しやすい。ただし相場の下限はおよそ140万円と、極端に安い物件が少ないのも事実。まもなく行われるフルモデルチェンジ以降は、さらに下がる可能性が高いものの、現段階は最低でも150万円程度の予算は用意しておきたい。
グレード別の中古車平均価格は?

エントリーグレード「2.0i」の物件がほとんど存在しないので、ここでは割愛。自然吸気モデルは、「2.0i-L」、「2.0i-S」ともに同程度の相場となるが、物件数は前者のほうが多い。一方、ターボの「XT」はそれよりも10万円以上高いが、全グレードのなかでもっとも物件が豊富である。この程度の価格差であれば、あえてターボを選んでもよさそうだ。ちなみにアイサイト搭載車の割合は95%(2018年5月現在)で、ほとんどの中古車に標準装備されている。しかし、なかには未搭載車も紛れているから、購入の際は必ずチェックしておこう。アイサイト搭載車は、「グレード名+アイサイト」という表記なので、わかりやすいはずだ。
まとめると、編集部オススメのグレードは、前期型の「XT アイサイト」。一例を挙げると、2012年式/5.6万km/車検整備付きの条件で168万円という物件を確認できた。
なお前述のとおり、4代目フォレスターは新型登場以降はさらに値下がりする可能性もあるから、それまで待つのも手。でも比較的リセールバリューが安定しているから、現段階で購入しても大きな損はないはず。ミッドサイズSUVがこのプライスなら、価格あたりの満足度は十分と言っていいはずだ。