徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.28 / 掲載日:2018.06.01
この季節にぴったり! コペンやロードスターっていくらで買えるの?
ダイハツ コペン(現行型)
200万円以下の予算で買えるオープンカーはどれ?
もうすぐ初夏。こんな季節は、屋根が開くオープンカーに乗ってみたいひとも多いはず。そんなわけで、今回はオープンカーライフをテーマに掲げてみた。クルマ選びの際に気になる予算、維持、中古車選びなどをガイドしていこう。
いま、新車で購入できる手頃な価格のオープンカーは、じつはそれほど多くない。しかし中古車ならば、選択肢は一気に広がっていく。ここでは手ごろな予算で買えるオープンカーをピックアップしたい。
オープンカーにもさまざまなタイプが存在
オープンカーは、大きくわけると2座と4座に分けることができる。一般的に前者はロードスター、後者はカブリオレやコンバーチブルなどと呼ばれることが多い。2座は専用ボディを採用し、スポーティな走りが持ち味だ。またスポーツカーの代表的な形態でもある。一方4座は乗用車から派生したモデルが多く、スポーティさよりも、ゆったりと開放感のあるドライブに向いている。なお、4座といえどもリヤシートに大人がゆとりを持って座れるモデルは少なく、2座4座ともに、大人なら基本的には2名乗車という使い方になるだろう。
またオープンカーについて、国産車、輸入車という分け方にも注目してみよう。輸入車は乗用車派生のオープン仕様が非常に多いが、国産車はそのタイプはかなり少なめ。それでも、ディーラーが多く、信頼性の高い国産オープンカーは、維持がしやすくて人気が高い。ここでは、物件数が多く買いやすい国産オープンカーの中古車平均価格を見てみたい。
モデル | 中古車平均価格 |
ダイハツ コペン(現行) | 162万円 |
ホンダ S660 | 190万円 |
マツダ ロードスター(現行) | 224万円 |
マツダ ロードスター(先代) | 120万円 |
上の4台はどれも2座のスポーツタイプ。そしてコペンとS660は軽自動車である。なかでもコペンは、カジュアルにもスポーツにも応えてくれる人気車。現行型コペンは2代目で、全3タイプの外観デザインが設定されている。しかも、なんとこの外観は着せ替え可能で、ボディパネルを交換して別なタイプにチェンジできるのが大きな特徴。また、こちらはメタルトップを採用するから、屋根を閉じればクーペと変わらない空間になるし、防犯面でも安心度が高い。デビューは2014年6月と、今年で4年目。グーネット登録台数では300台ほど流通し、価格もわずかに下がっている。100万円台前半の予算から狙えるはずだ。
それに対し、同じ軽スポーツのホンダS660は、デビューが一年遅いこともあり、相場はコペンよりも30万円近く高くなっている。物件数はコペンよりも豊富だが、軽自動車としては決して安くない価格。その代わり、こちらはミッドシップレイアウトの専用設計シャシーを持ち、より本格的なスポーツカーという趣だ。コンディションをきちんと維持すれば、リセールバリューも期待できるはず。
また、マツダ ロードスターは国産オープンカーの鉄板と言えるチョイス。こちらも2座のスポーツカーだから、子どもがいるファミリー層には向かないものの、走りの楽しさはワールドワイド級だ。現行型は4代目となるが、初代も含めてどの世代のモデルでもまだ手に入る。ただし、コンディションにこだわると現行型と先代がターゲットになりそう。2015年5月に発表された現行型は、150万円前後の物件がちらほら出はじめてきた。しかし平均価格は224万円だから、中古車としてのお買い得感は薄い。一方、2005年8月に登場した先代は、今回紹介した4台の国産オープンカーのなかでもっとも安く買える。物件数もいちばん豊富だから、編集部イチオシのモデルだ。歴代ロードスターのなかでもっともパワフルなエンジンを積み、走りもスポーティ。屋根は、ソフトトップと電動開閉式メタルトップ(RHT)の両方から選べるのも大きなポイント。
ダイハツ コペン(現行型)
ホンダ S660
マツダ ロードスター(先代型)
マツダ ロードスター(現行型)
輸入車オープンカーは選択肢がいっぱい
DS3 カブリオ
次は輸入車の注目モデルをチェックしてみよう。こちらは国産車よりも種類が豊富で、見た目も個性的なモデルが多い。ここでは編集部が厳選した4台の中古車平均価格に注目したい。
モデル | 中古車平均価格 |
メルセデス・ベンツSLK(現行) | 290万円 |
BMW Z4(現行) | 285万円 |
ゴルフカブリオレ | 110万円 |
DS3 カブリオ | 196万円 |
電動開閉式メタルトップを備える2シーターのSLK(2011年7月発表)は、輸入オープンカーのなかでも値落ちが大きく、注目したい1台。新車時価格は500万円オーバーの高額車だったが、中古車平均価格は半額近くまで下がっている。全体的に低走行車も多く、国産2シータースポーツと差のない予算でねらえるのが強み。2シーターモデルだが、乗り味はマイルドでとても快適。スポーツ一辺倒なのはちょっと……という大人のユーザーにぴったりのクルマである。
そして、SLKのライバルとなるのがBMW Z4だ。現行型の登場は2009年5月で、もうすぐ新型登場が控える2シーターモデル。SLKと同じくメタルトップの屋根を持ち、個性あるスタイルが目を引く。中古車はSLKよりも多く、なおかつ物件数はさらに豊富なので、こちらもオススメ。初期型なら100万円台の予算でも購入可能である。
また、4座のカブリオレも選択肢から外せない。ゴルフカブリオレ(2011年10月発表)は平均価格が110万円と、かなり格安。リヤシートは、子どもが座れる程度のスペースしかないが、荷物置き場と割り切れば十分実用的だ。走りに定評あるゴルフがベースゆえ、この手のオープンカーとしては足まわりもしっかりしている。一方DS3カブリオ(2013年7月発表)は、ゴルフカブリオレよりもひとまわり小型のサイズだが、ハイセンスなボディカラーやソフトトップカラーと相まって、見ても乗っても楽しいクルマ。屋根はフルオープンではなく、ルーフレールが残るタイプで、コンパクトカーの延長線上にある使い勝手が特徴。ただ、これらは相場が安いものの、物件数はあまり多くないから、根気よく探す必要がある。
メルセデス・ベンツ SLK
BMW Z4
フォルクスワーゲン ゴルフ
DS3 カブリオ
オープンカーを買う時と買った後
マツダ ロードスター(現行型)
中古のオープンカーを買う際に気をつけたいこと。それは、このカテゴリーの要でもある屋根まわりの入念なチェックだ。ソフトトップ(幌)は、紫外線や経年劣化で思いのほか傷みやすい。ひび割れの有無、リヤウインドウのくもり具合(最近のモデルはガラス製で心配ないが、古いモデルの場合はくもりやすいビニール製のことがある)、開閉動作がスムーズかどうかなど購入前に必ず確認しておこう。メタルトップも同じで、電動開閉時にひっかかりがないかなど、事前に確認したい。ここに不具合があると、修理費用は後々高くつくことになる。
購入後の注意点として、ソフトトップ車は雨風や直射日光に晒されるのが苦手。個体によっては、雨漏りするケースもある。ボディカバーなどの対策をすると、コンディションを維持しやすい。オープン状態で走行すると、想像以上に室内が汚れるため、こまめにクロスなどで掃除することが大切。また防犯面は、ソフトトップはメタルトップに劣る。高額なモデルを手に入れたら、しっかりしたセキュリティ対策もしておくと安心だ。
それ以外は、オープンカーと普通のクルマで大きな違いはない。普段1名~2名乗車という使い方なら、日常の使い方なら意外となんとかなるもの。いつもコンパクトカーやセダンなどを選ぶひとも、この際オープンカーを候補に入れてみてはいかがだろう。いつもの街並みが、きっと違って見えるはず。