一度は手に入れてみたいポルシェのスポーツカー【輸入車コンシェルジュ】

相談者［O・Tさん］40歳／独身／会社員
　相談者のＯ・Tさんは、笑顔がさわやかでアウトドアブランドのアパレルがお似合いの好男子。現在の愛車は６年前に新車で購入した国産クロスオーバーですが、欲しいのはポルシェのスポーツカー。「昔からの憧れで、好きなクルマに乗れるのは今だけかも」と夢の実現に向けて一歩を踏み出したいとのこと。

　ポルシェ、本当に人気です。一時期の熱狂的な価格高騰こそ落ち着きましたが、同年式、同新車価格帯のクルマたちと比べると、価格帯の高さに驚くでしょう。
　少し話はまわりくどくなりますが、なぜポルシェのスポーツカーが特別なのかを説明しましょう。
　そもそも、ポルシェは高性能スポーツカーを作るために誕生したブランドです。そして、その実力をモータースポーツで証明してきました。さらに名声を高めたのが911（1964年～）の存在。唯一無二のデザインに加えて、純粋なスポーツカーに負けない高性能を、高い居住性と両立させたところもマーケットから高く評価されました。
　その後、多くのブランドがポルシェと911に挑んできましたが、結局911を王座から引きずり落とすことはできていません。そのカリスマ性が、ポルシェというブランド全体にパワーを与えているのです。
　ポルシェには今、911のほかにボクスター、ケイマンというミッドシップスポーツカーがラインアップされています。
　いずれも手に入れる価値のあるモデルとなっています。中古車市場の動向も見極めながら、ぜひ夢を叶えていただければ幸いです。

　もしもポルシェをスポーツカーらしく乗りたいというなら、ケイマンをオススメモデルとして推薦します。その理由は、近年の911があまりにも高性能になってきていて、スポーツカーらしく走らせるには、もはやサーキットが必須となるから。
　それに比べてケイマンは、ボディサイズもパワーも911よりひとまわり小さく、そこが日本の狭いワインディングにはちょうどいい。リアミッドに低く搭載されたエンジンが生み出すハンドリングは、多くのクルマ好きがイメージするとおりの切れ味の鋭さ。もうたまりません。
　ケイマンは初代（タイプ987）が2005年に登場、2013年から2代目（タイプ981）に進化し、2016年以降は718ケイマンとしてモデルライフを継続しています。フラット6を搭載していること、なおかつコンディションと価格のバランスが取れていること。以上の理由から2代目ケイマンを推薦します。
　予算的にはギリギリですが、買って後悔することはまずないでしょう。それがポルシェだからです。

2013年 ポルシェ ケイマン（７速AT・PDK） ●全長×全幅×全高：4380×1800×1295mm ●ホイールベース：2475mm ●車両重量：1360kg ●エンジン：水平対向６DOHC　●排気量：2706cc ●最高出力：275ps／7400rpm ●最大トルク：29.6kgm／4500-6500rpm ●中古車参考価格：430万円～1100万円（13年～16年 全グレード）

　ポルシェといえば911。ですが、問題は車両価格が高価なこと。予算を考えると年式を落とす必要があります。しかし、趣味車と割り切り、年間走行距離を抑制すれば、売却時の価格も期待できます。その考え方なら、911購入も夢ではありません。タイプ997が価格と状態のバランス的にオススメです。

2006年 ポルシェ 911カレラ４（６速MT） ●全長×全幅×全高：4425×1850×1310mm ●ホイールベース：2350mm ●車両重量：1500kg ●エンジン：水平対向６DOHC　●排気量：3595cc ●最高出力：325ps／6800rpm ●最大トルク：37.7kgm／4250rpm ●中古車参考価格：380万円～1500万円（04年～13年 全グレード）

　領域によっては911に勝るとも劣らないパフォーマンスを発揮するケイマン。それに対してもう少し肩の力を抜いて付き合えるのがオープンボディのボクスターです。スポーツカーとしてのたしかな実力を持ちつつ、スピードを出さなくても運転を楽しめるのもチャームポイントとなっています。

2014年 ポルシェ ボクスター（６速AT） ●全長×全幅×全高：4375×1800×1285mm ●ホイールベース：2475mm ●車両重量：1310kg ●エンジン：水平対向６DOHC　●排気量：2706cc ●最高出力：265ps／6700rpm ●最大トルク：28.6kgm／4500-6500rpm ●中古車参考価格：200万円～410万円（12年～16年 全グレード）