輸入車
更新日:2020.06.12 / 掲載日:2020.06.12
【ポルシェ マカン】400万円台前半の予算から狙えるポルシェSUVのエントリーモデル

中古車市場で、つねに高値を維持し続けるブランドと言えばポルシェ。その筆頭は伝統的スポーツカーの「911」で、空冷エンジン搭載のモデルは、年式が古くてもプレミア価格。ボクスター、ケイマンもコンディションのよい個体は年式問わず高値で取り引きされている。
一方、パナメーラ、カイエンなどの4ドア系は比較的価格が低い傾向にあるが、それでも高年式になると手が届きにくい。では、SUVのエントリーモデルであるマカンはどうか。調査したところ、現行モデルのなかでは相場がこなれており、現実的な価格で入手できることが判明した。今回はポルシェ マカンのグレード、年式別平均価格から買いの1台を探って行きたい。
ポルシェ マカンってどんなクルマ?
カイエンの弟分として2014年1月に発表されたマカン。全長4855mmのカイエンS(※2014年モデル)に対し、マカンの全長は4681mmとひとまわり小型。BMW X3に代表されるミドルクラスSUVとほぼ同じサイズのボディと考えればイメージしやすいだろう。
当初は2.0L直4ターボのベースグレード、3.0LV6ターボの「S」、3.6L V6ターボの「ターボ」という3モデルでスタート。後に走りの性能を高めた「GTS」なども加わり、一連のラインアップが揃った。
小型軽量なマカンは、SUVながらもスポーツカーのようなダイナミックな走りができるのが特徴。全高はおよそ1.6mに抑えられ、低重心化も効いている。そのフットワークは、ポルシェブランドの名に恥じない出来栄えで高評価。トランスミッションは、ダイレクトなシフト操作が可能な7速PDKを搭載し、ティプトロニックを採用する兄貴分カイエンとの相違点となっている。なお、駆動方式は全車4WDで2WDは用意されない。
ポルシェ マカンの年式別平均価格から見た狙い目の年式は?

まずはマカンの改良遍歴をおさらいしてみたい。日本で予約受注が開始されたのは2014年1月のこと。ラインアップは340馬力・3.0L V6ターボ搭載の「S」、400馬力・3.6L V6ターボ搭載の「ターボ」が用意された。その3カ月後となる同年4月には、237馬力・2.0L直4ターボを積む「ベースグレード」の予約も開始され、3グレード構成でスタート。
2015年10月には、さらに性能を高めた「GTS」もデビュー。こちらは360馬力・3.0L V6ターボを搭載し、15mm低められた車高とチューニングされたPASM(ポルシェ・アクティブサスペンションマネージメント)、前後異なるサイズの20インチホイールが特徴。トランスミッションはほかのモデルと同じく7速PDKが組み合わされた。
2018年12月、マカン(ベースグレード)がマイナーチェンジを受ける。一見すると従来型とそれほど変わらないように見えるが、LEDヘッドライトを標準装備するほか、リヤにはほかのポルシェと同じくLEDライトストリップを採用することで、よりモダンな外観に進化。サスペンションは一部アルミ製とすることで1.5kgの軽量化を実現したことに加え、アンチロールバー、スプリング、ダンパーなどのセッティングも見直されてシャープなハンドリングを身につけた。
また、2.0L直4ターボの最高出力が252馬力にアップしたことも見逃せない。そのほか、アダプティブクルーズコントロールにブレーキアシストおよび歩行者検知機能の追加、画面サイズが拡大されたタッチスクリーンの採用、それにともなうインフォテイメントおよびコネクティビティの改良もトピックである。
2019年1月にはベースグレードに続き「S」がマイナーチェンジ。新世代3.0L V6ターボを搭載し、354馬力にパワーアップしたのが注目点。同年10月には2.9L V6ターボを積む「ターボ」も登場するなど、各グレードが一新されていった。
それらを踏まえ、年式別中古車平均価格をチェックしてみよう。
年式 | 中古車平均価格 |
2014年式 | 501万円 |
2015年式 | 532万円 |
2016年式 | 651万円 |
2017年式 | 689万円 |
2018年式 | 717万円 |
2019年式 | 876万円 |
ボリュームゾーンは2015年~2016年
マカンの中古車は、現行型ポルシェのなかでもっとも台数が豊富。年式別では2015年式が最多で、次に2016年式、2017年式と続く。しかし2018年式以降は急激に物件が減少するから、中古車として買うなら前期型がターゲットとなるだろう。2015年式の平均価格は531万円だが、300万円台後半の物件もちらほら存在する。450万円の予算があれば広く探すことが可能だ。
ポルシェ マカンのグレード別平均価格から見た狙い目のグレードは?

マカンのグレード構成は、「ベースグレード」、「S」、「ターボ」、「GTS」の4モデル。名称から少しわかりにくいが、「ターボ」以外のモデルもターボチャージャーが搭載されていることに注意。「ターボ」は、911シリーズの伝統的なハイパフォーマンスモデルに倣った形式的な名称だ。4気筒ターボを搭載する「ベースグレード」以外、すべてV6ターボ。
同じ高性能仕様の「ターボ」と「GTS」の違いは排気量。後者は「S」の3.0Lターボをベースとしたもので、より高回転まで回る特性を持つ。ゆとりの排気量で走る「ターボ」、積極的にエンジンを回して走る「GTS」という方向性である。それらを踏まえ、グレード別中古車平均価格を見ていこう。
「ベースグレード」または「S」が充実している
もっとも物件が多いのは「ベースグレード」、次に「S」が豊富。逆に「ターボ」や「GTS」はやや少なめだ。とはいえ極端な偏りがなく、どのモデルも十分探しやすい状況なのは嬉しい。とくに、542万円と平均価格がもっとも低い「ベースグレード」は、手が出しやすくオススメしたい1台となっている。400万円台前半の予算で狙えるマカンの多くがベースグレードであることは念頭に置いておこう。
ちなみに「ターボ」の購入に必要最低限の予算は470万円、「GTS」は640万円ほど。これらのような「役付き」ポルシェは総じて経年でも値落ちしにくい傾向にあるが、マカンでもそれに近い状況と言えそうだ。
ポルシェ マカンの中古車価格相場のまとめ

以上をまとめると、マカンは現行型のポルシェのなかでは、もっとも手が届きやすいモデル。一見するとより身近に思える718シリーズも、平均価格は720万円以上とそれなりのお値段。マカンのなかでもとくに「ベースグレード」が物件豊富で、相場も手頃。より高性能な「S」も400万円台の予算があれば広く探せるはずだ。コンパクトなボディで使い勝手もよく、スポーティな走りも楽しめるマカンは、ポルシェファンならずとも買いの1台と言えるだろう。