輸入車
更新日:2020.04.24 / 掲載日:2020.04.24
【スタイリッシュSUV特集】クーペのような最新SUV、どのくらいの予算で買える?
空前のSUVブームが到来してから5年以上が経過した。多くのメーカーが大小さまざまなSUVを展開し、時代は次のステップに突入している。それはクーペのようなスタイリッシュさ、スポーツカーのような高い運動性能を与えたモデル。普通のSUVじゃ飽き足らないユーザーに向け、各ブランドのキャラクターを強く押し出したSUVが近年続々と登場している。そんななか注目したいのが、ジャガーFペイス。ジャガー初のSUVとなるFペイスは、アルミを用いた軽量かつスタイリッシュなボディに、高性能なエンジンとシャシーを組み合わせたのが見どころ。SUVでありながらもダイナミックな走りは、デビュー以来ファンが多い。今回はFペイスを中心に、ライバル達にもフォーカスを当て、中古車動向を探っていきたい。
400万円前後の予算から狙えるジャガーFペイス
ジャガーFペイスが日本で発表されたのは2015年11月だから、今年で5年目になる。当初は1000万円オーバーの「ファーストエディション」のみで受注をスタートしたが、翌年からスタンダードモデルのラインアップも展開。これらの価格帯は639万円~981万円。エンジンは2.0L 直4ディーゼルターボ、3.0L V6ガソリンスーパーチャージャーの2機種が用意された。また後に2.0L ガソリンターボも設定するなど、そのバリエーションは幅広い。
ボディサイズは全長4740mm、全幅1935mm、全高1665mmと、一般的なミドルサイズSUVと変わらない。ライバルのBMW X3(現行型)とほぼ同等の大きさと考えるとイメージしやすいだろう。Fペイスの特徴と言えば、なんと言ってもスポーティな走り。2座スポーツカーのFタイプを思い起こすダイレクトなハンドリングが大きな魅力となっている。また、2018年3月には高性能バージョン「SVR」も登場した。こちらには5.0L V8ガソリンスーパーチャージャーを搭載し、550馬力を発揮。メルセデスのAMG、BMWのMのような存在のモデルである。それらを踏まえ、年式別中古車平均価格をチェックしてみたい。
年式 | 中古車平均価格 |
2016年式 | 453万円 |
2017年式 | 475万円 |
2018年式 | 553万円 |
2019年式 | 571万円 |
※SVRは除く。
2016年式ならば新車時価格から200万円ほど安い
2016年の新車時価格は、もっとも安いグレードでも600万円オーバー。一方、中古車平均価格は453万円と、当時から200万円ほど安くなっている。なかには300万円台後半の物件も存在するから、以前と比べて手が出しやすくなったと言えよう。年式ごとの物件数に注目すると、2019年式がもっとも多い。その一方、それ以外の年式は同程度の物件数。また、全体的に多走行車が少ないのもうれしい。グレードは、装備が充実した「プレステージ」が多く、「Rスポーツ」や「S」などのスポーティ系は少ない傾向。高性能バージョン「SVR」も市場にはほとんど流通していないようだ。
BMW X4とアルファロメオ ステルヴィオ、どちらが安い?
アルファロメオ ステルヴィオ
BMW X4(先代)
魅力的なスタイリッシュSUVはジャガーFペイスだけではない。BMWやアルファロメオも、これに匹敵するオーラを放つモデルが存在する。BMW X4(現行型)とアルファロメオ ステルヴィオの2台だ。前者は2018年7月、後者は同年9月と日本発表のタイミングが近く、クーペのようなルックスと、スポーツカーのような走りを持つことも共通項。X4は2.0L 直4ガソリンターボ(xDrive30i)と3.0L 直6ガソリンターボ(M40i/X4M)、ステルヴィオは2.0L 直4ガソリンターボ、2.2L 直4ディーゼルターボ、そして2.9L V6ガソリンターボ(クアドリフォリオ)のエンジンを搭載。いずれも4WD+8速ATという構成は共通だが、ステルヴィオはディーゼルエンジンも選べる。それぞれの中古車平均価格は次のとおり。
モデル名 | 中古車平均価格 |
BMW X4 | 670万円 |
アルファロメオ ステルヴィオ | 480万円 |
※X4M、クアドリフォリオを除く。
ステルヴィオのほうが手頃に購入可能
物件数を比較すると、ステルヴィオのほうがX4より2倍以上も多い。また、中古車平均価格は200万円ほど安くなっているため、購入のハードルはステルヴィオのほうが低い。ほぼ同時期に登場したモデルながら、ここまで差が付くのは興味深い。逆に言えば安く買える=リセール価値が低いということでもあるので、どのくらい長く乗るかを考慮したクルマ選びが必要だ。なお、上の表は高性能モデルを除いた値。なお、X4Mの相場は1000万円、クアドリフォリオは800万円と、どちらも1000万円オーバーの高額モデルだが、こちらも価格差が開いている。
ハイパフォーマンスSUV、「アウディRS Q3」と「ポルシェ マカン」
アウディ RS Q3
ポルシェ マカン
コンパクトなボディに高性能エンジンを積んだハイパフォーマンスSUVにも注目してみよう。ここでピックアップするのはアウディ RS Q3とポルシェ マカン。RS Q3は、コンパクトSUVのQ3をベースとした高性能バージョンで、2014年3月に発表された(新車時価格698万円)。搭載エンジンは、アウディTT RSにも搭載された2.5L 直5ターボで、当初は310馬力を発揮。後に「RS Q3 パフォーマンス」登場し、最終的には367馬力という高性能ぶりを誇る。全長がおよそ4.4m、車両重量が1700kgという小型軽量さも、運動性能に拍車をかける。
一方、2014年4月に発表ポルシェ マカン(新車時価格616万円~997万円)は、それよりもひとまわり大きく、全直4.6mボディを持つ。搭載エンジンは2.0L 直4ターボ(ベースグレード)から3.6L V6ターボ(ターボ)まで幅広く、最近は2.9L V6ターボを積む「GTS」も登場。カイエンよりも小型で、走りはポルシェにふわさしい高い次元にあるから、スポーツカー好きにはたまらない。ほぼ同じタイミングで登場したこの2台の中古車平均価格をチェックしてみよう。
幅広い予算から狙えるマカンに注目
RS Q3は、中古車平均価格は手頃であるものの、物件数はごくわずか。なかには200万円台の物件も存在するが、条件に見合った個体を探すのはややハードルが高い。一方マカンは中古車が充実して予算に応じたクルマ選びが可能。中古車平均価格は658万円と、一見すると高額であるが、これは最新型の物件も含むため。価格帯は360万円~1000万円となっており、初期型ならば400万円前後の予算でも購入可能だ。グレードはどれも偏りなく流通しているが、2.0L 直4ターボの「ベースグレード」または3.0L V6ターボの「S」がリーズナブル。
まとめ
スタイリッシュなSUVは、現在もバリエーションを拡大中。とくに、クーペルックのSUVは今後ますます増加するのは間違いない。今回注目したFペイスをはじめとする現行型モデルも、登場から数年経過したことで値落ちが目立つ。実用性重視のクルマ選びもよいが、個性派SUVを検討するのもよいかもしれない。