輸入車
更新日:2019.09.06 / 掲載日:2019.09.06
【プジョー508】プジョーのフラッグシップセダンが100万円以下で買えるってホント?

ここ最近、魅力的なモデルを数多くリリースしているブランドと言えばプジョー。フランスの3大ブランドのひとつで、同じPSAグループのシトロエンよりスポーティなイメージを押し出しているのが特徴。中古車の世界において、フランス車やイタリア車は熱烈なファンが存在する一方、日本では依然ドイツ車に人気が集まるから相場が下がりやすい。それゆえ同クラスのクルマを買うなら、イタリア/フランス車は穴場とも言えるのだ。そこで今回注目したいのは、プジョーの最上級セダン「508」。フラッグシップモデルだけあり、存在感がひと際大きくプレミアム感もある。セダン/ワゴン不況のため価格がさらに下がっていることも、我々消費者としては嬉しいポイントだ。ここでは、先代508の中古車平均価格を掘り下げ、買いの年式やグレードを探っていこう。
プジョー508ってどんなクルマ?
ミドルクラスセダン407の後継として、2011年に日本に導入された508。ボディサイズは全長4815mm、全幅1855mm、全高1505mmと、407よりもひとまわり大型化。これは、以前に販売されていた最上級セダン607との隙間を埋めるためのサイズアップと考えられる。新たに登場した508はDセグメントと呼ばれるクラスに属し、大きさはVWパサートに近い。日本車と比較するならトヨタ カムリよりもやや小ぶりなセダンをイメージ。プジョーと言えばコンパクトカーというイメージがあるが、508は後席に大人が座ってもゆとりがあり、ロングツーリングも快適にこなせるモデルである。
エンジンは、当初156馬力の1.6L 直4ターボを搭載。トランスミッションはアイシン製6速ATが組み合わされ、日本の道路事情でも違和感の少ない変速マナーを披露してくれる。後に180馬力の2.0L 直4ターボディーゼルも搭載され、こちらはJC08モード燃費18.0km/Lと、このクラスとしては優秀な数値を達成。また、ステーションワゴン「SW」もデビュー当初から設定され、幅広いユーザーのニーズに対応したことも特筆すべきポイントだ。なお、2018年11月には2代目508が登場し、さらなるプレミアム性を身につけている。
プジョー508の年式別中古車相場は?

2011年3月のデビュー当初に設定されていたのは、ベーシックな「アリュール」と上級グレードの「グリフ」の2モデルである。2015年初頭にはマイナーチェンジが行われ、エクステリアを意匠変更。上品な佇まいはそのままにフルLEDヘッドライトの導入、スタート&ストップ機構の採用など、全体的なブラッシュアップを図ったのがポイントだ。また、最高出力は156馬力から165馬力に高められたこともトピック。さらに2016年7月、新世代クリーンディーゼル「GT ブルーHDi」も登場した。こちらは尿素水溶液(アドブルー)を用いて窒素酸化物を大幅に低減できるのが特徴で、優れた環境性能が自慢のエンジン。これはセダン、SWともに選択可能となっている。これらを踏まえ、年式別の中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2011年式 | 79万円 |
2012年式 | 87万円 |
2013年式 | 99万円 |
2014年式 | 149万円 |
2015年式 | 172万円 |
2016年式 | 206万円 |
2017年式 | 279万円 |
2018年式 | 312万円 |
2014年式以前の前期型がリーズナブル
上の表を見ると、デビュー当初の2011年~2012年式が非常に安いことがわかる。なにしろデビュー時の新車価格帯が374万円~437万円で、その4分の1にまで下がっているからだ。この辺りの年式は物件数が多く、探しやすいことも大きなメリット。しかし、車検なしの物件も多いから、その費用を考慮したクルマ選びが大切。平均価格は100万円を切っているが、150万円ほどの予算があるとゆとりをもって探せるだろう。
なお、前述の年式だとガソリン車のみしか存在しない。ディーゼル車は高年式が中心となっており、平均価格は200万円以上。もちろん新車価格と比べるとリーズナブルであるが、それなりの予算は確保する必要がある。一方、2016年式以降の高年式もそれなりに数が揃い探しやすい。ドイツ系ブランドに比べると物件のボリュームは控えめだが、良質な個体が目立つのが508の傾向と言えそうだ。
プジョー508のグレード別中古車相場は?

先代508のグレード構成は、ガソリンが「アリュール」、「グリフ」、ディーゼルが「GT ブルーHDi」の3つ。ちなみにガソリンの上級グレード「グリフ」にはヘッドアップディスプレイ、ナッパレザーシート(2015年~2018年)、17インチホイールなど豪華な仕立てとなるのが特徴。グレード別の中古車平均価格は次のとおりとなっている。
グレード | 中古車平均価格 |
アリュール | 90万円 |
SW アリュール | 83万円 |
グリフ | 117万円 |
SW グリフ | 128万円 |
GT ブルーHDi | 277万円 |
SW GT ブルーHDi | 300万円 |
※「SW アリュール」は物件が少ないため、リンクは省略。
「SWグリフ」が物件豊富で探しやすい
セダンとSW(ワゴン)を比べると、物件は後者の方が多い。両者の相場に大きな差がないため、ボディタイプにこだわらないクルマ選びをするとよい。エントリーグレード「アリュール」は100万円を切る物件が中心となっているが、物件数は少なめ。ここは思い切って装備が充実した「グリフ」を探したいところ。とくにワゴンモデル「SW グリフ」は全グレード中もっとも豊富に流通し、探しやすいモデルとなっている。先にも述べたが、遅れて追加されたディーゼルは相場が高めだ。
プジョー508の中古車のまとめ

今回の調査で、先代プジョー508はお買い得なオススメモデルであることが分かった。とくにデビュー当初のモデルでは100万円以下の物件も目立ち、非常に買いやすくなっている。例えば同年式のトヨタ カムリは平均価格がおよそ130万円となっており、先代508よりも高額。一聞すると高額と思われがちだが、中古車ならば国産車より低価格で入手できるケースがあるのも輸入車選びの醍醐味である。次期愛車は、個性があってお買い得なフランス車を選んでみるのも楽しいだろう。