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更新日:2019.09.03 / 掲載日:2019.08.22
【ポルシェ パナメーラ】300万円台の予算から探せる、もっともお買い得なポルシェ

いつの時代も、ポルシェはクルマ好きにとって憧れのブランド。たとえば、主力モデル「911」は、年式が古くても価値が下がらず、むしろ空冷時代のモデルは現行型よりも高値なケースもある。それゆえポルシェオーナーになるには、相応の投資が必要となってくる。しかし、すべてのポルシェがそうというわけではなく、現実的な価格で入手できるモデルも少なからず存在する。そのひとつが初代パナメーラだ。デビュー当時の新車価格帯は1374万円~2061万円と非常に高額で、これは997型「991」より上の価格帯に位置していた。しかし、経年で値落ちしにくい911とは異なり、パナメーラはこの10年で大幅にプライスダウン。なかには200万円~300万円前後の格安物件も流通するほど。というわけで、今回は初代パナメーラの歴史を振り返りつつ、中古車相場を詳しく見ていこう。
ポルシェ パナメーラってどんなクルマ?
2009年4月の上海モーターショーでデビューした、ポルシェ初の4ドアサルーンがパナメーラである。サルーンと言っても独立したトランクルームを備えず、ハッチバック式の4ドアクーペというのが正しい。ポルシェと言えば長らく2ドアのみだったが、パナメーラはSUVのカイエンに続いて4ドアを備え、実用性を大きく高めたことがトピック。当時は新参のアストンマーティン ラピードをはじめ、マセラティ クアトロポルテなどハイパフォーマンスなラグジュアリーセダンに注目が集まっていた。その波に乗る形でデビューしたパナメーラは、日本でも注目を浴び、中古車にも豊富に流通するようになった。
ボディサイズは全長がおよそ5m、全幅が1.9mと、メルセデスSクラスとほぼ同等。エンジンは、当初は4.8L V8、同ターボが用意されたが、後に3.6L V6や3.0L V6+スーパーチャージャーにモーターを組み合わせたハイブリッドを設定するなど、パワートレーンのバリエーションは豊富である。走りはポルシェブランドにふさわしいダイナミックさを備え、スポーツカーに乗る楽しみも味わえるのが、パナメーラのキャラクターだ。
ポルシェ パナメーラの年式別中古車相場は?

まずは、初代パナメーラの改良遍歴を追ってみたい。日本で予約受注が開始されたのは、2009年4月。当初は4.8L V8の「S」、同エンジンを搭載した4WDの「4S」、ターボを組み合わせた「ターボ」の3グレードからスタートした。トランスミッションはいずれも7速PDKが組み合わされる。翌年の2010年2月、北京モーターショーで3.6L V6のエントリーモデルが登場。最高出力は300馬力を発揮し、パワーと経済性を両立したのが特徴となっている。さらに2011年5月には、550馬力というハイパフォーマンスを誇る「ターボS」、同年6月には「ハイブリッド」、11月には430馬力の自然吸気4.8L V8を搭載したスポーツモデル「GTS」が追加され、ラインアップを拡充していった。
2013年4月、パナメーラがマイナーチェンジを受ける。大型化されたエアインテーク、新デザインLEDヘッドライトなどエクステリアをリニューアル。さらに「S」系に搭載されるエンジンが、4.8L V8から3.0L V6ツインターボにダウンサイズされ、18%もの燃費向上を実現した。一方、従来の「S ハイブリッド」に代わり、バッテリー容量の拡大でモーターのみでの走行が可能な「S eハイブリッド」が登場するなど、新型の改良範囲は多岐に渡った。それらを踏まえ、中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2009年式 | 464万円 |
2010年式 | 481万円 |
2011年式 | 475万円 |
2012年式 | 550万円 |
2013年式 | 593万円 |
2014年式 | 680万円 |
2015年式 | 760万円 |
2016年式 | 802万円 |
2012年以前の前期フェイズがリーズナブル
初代パナメーラの年式別物件数を見ると、2012年以前の前期型の割合が多い。とくにデビュー翌年の2010年式が豊富で、この年式だと300万円台前半の予算から購入可能となっている。ただし、ゆとりを持って探すなら400万円~500万円ほどの予算を用意するのが理想的。新車時価格が1000万円オーバーということを考慮すると、相場はかなり下がっていると言っていいだろう。
ポルシェ パナメーラのグレード別中古車相場は?

初代パナメーラは、おおまかに分けると標準グレード、「S」、「GTS」、「ターボ」、「ターボS」、「S ハイブリッド」、「S eハイブリッド」が用意される。これらに加え、一部モデルは2WDと4WD(グレード名に4が付く)を設定しており、グレード数は非常に豊富。ここでは、主力モデルの中古車平均価格を見ていこう。
物件豊富でリーズナブルなV6モデルがオススメ
ポルシェというと、高性能バージョンに目が行きがちだが、中古車相場は少し高め。パナメーラをお得に入手するならV6モデルがオススメだ。標準グレード「パナメーラ」の平均価格は486万円となっているが、調べてみると400万円を切る物件も目立つ。また、排気量は3.0Lとなっており、長く乗るなら重要になる自動車税などの維持費でも有利。
一方、物件数の多さではV8エンジン(後期型はV6ターボ)の「S」系もオススメ。大柄なボディを軽々と加速させるパワフルなエンジンも見どころで、パフォーマンスを重視するならこちらを選ぼう。しかし300万円台の物件は非常に少なく、最低でも400万円の予算は確保したいところ。さらに高性能な「ターボ」は物件が少なめで、最低価格は450万円から(2019年8月調べ)。ハイブリッド系も数が少なく、やや探しにくい状況となっている。
ポルシェ パナメーラの中古車のまとめ

今回の調査をまとめると、低予算で入手するなら前期型(2012年以前)のV6モデル。予算は300万円台、可能であれば400万円~500万円の予算があると、手広く探しやすいだろう。なお、トランスミッション(PDK)は故障すると修理が大変なので、走行距離が伸びた個体はミッションオイルが交換されているか否かも要確認。またブレーキ、タイヤなどの消耗品も、一般的な乗用車と比べて高価になる。維持費についても、購入前に調べておくことが大切だ。