輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2019.07.25
【ルノー トゥインゴ】リヤエンジン・リヤドライブのスモールカーという選択

海外のクルマには、興味深いモデルが少なくない。そのひとつに、ルノー トゥインゴが挙げられる。これは愛らしいデザインのスモールカーだが、リヤにエンジンを置いて後輪を駆動するRRレイアウトを採用するのが大きな特徴だ。RRと言えば、VWビートル(タイプI)や、かつてのフィアット500に採用されていた方式。しかし、近年のスモールカーはフロントエンジン・リヤドライブ(いわゆるFF)が主流で、RRのクルマはポルシェ911以外ではほとんど見られなくなった。しかし、現行型ルノー トゥインゴは、先代までのFFから一転しRRレイアウトを採用したことで、ひそかに注目を集めている。そこで、今回のテーマは現行型ルノー トゥインゴ。登場から3年が経過し、中古車にも物件が充実しているので、相場をチェックしてみたい。
ルノー トゥインゴってどんなクルマ?
1992年、ルノーのスモールハッチバック「トゥインゴ」が発表された。同社のコンパクトカーは、日本だとルーテシアが有名だが、トゥインゴはそれよりさらに小型のボディを持つAセグメントと呼ばれるカテゴリーに属している。初代トゥインゴの特徴は、なんと言ってもつぶらな瞳の愛らしいルックスで、日本にも正規導入された。2007年には2代目が登場したが、こちらは初代から一転し、エッジを効かせたスポーティなデザインとなったのが特徴。ルノー・スポール仕様も設定するなど、走りに振ったキャラクターが魅力だった。
そして2016年9月には、トゥインゴがフルモデルチェンジを受ける。新型は、前述のとおりRR方式を採用したのが特徴。じつはそれには理由があり、ダイムラー社「スマート」とのアライアンスにより、プラットフォームを共有化したことがその答え。つまり、現行型トゥインゴとスマート フォーフォーは姉妹モデルとなったのだ。後輪駆動のシャシーは優れた操縦性を生むだけでなく、フロントのスペースにゆとりができることで、タイヤの切れ角を増して小まわりが利くようにもなった。これはスモールカーにとって大きなメリットと言えそうだ。エンジンは、90馬力の0.9L 3気筒ターボを搭載し、これに6速デュアルクラッチ式トランスミッションが組み合わされている。
ルノー トゥインゴの年式別中古車相場は?

現行型トゥインゴが日本で発売されてから3年のため、年式による仕様の差はそれほど大きくない。2016年9月の発売時に用意されたグレードは、「インテンス」と「インテンス キャンバストップ」で、価格帯は189万円~199万円。翌年1月には装備を厳選して価格を抑えたエントリーモデル「ゼン」が登場。こちらはデュアルクラッチ式の6速EDCに加え、5速MTを選べるのがポイントだ。同年9月には、109馬力にまで出力を高めたスポーツモデル「GT」が200台限定で登場。ルノー・スポールがチューニングを担当するなど本格的なモデルとなっており、トランスミッションも5速MTのみが組み合わされる。なお、この「GT」は2018年2月よりカタログモデルとなり、現在でも新車購入が可能だ。
以上を踏まえ、中古車平均価格を見ていきたい。
年式 | 中古車平均価格 |
2016年式 | 145万円 |
2017年式 | 152万円 |
2018年式 | 178万円 |
年式にこだわらず、好みのグレードやカラーを選ぼう
発売してから3年が経過し、デビュー当初に登録された車両はそろそろ車検が近くなっている。2016年式の相場がもっとも低いものの、車検間近であることを考慮した場合、これが必ずしもお買い得とはかぎらない。車検が十分残る2018年式や、登録済未使用車を購入したほうが結果的に安くなることもある。ちなみにもっとも物件が多いのは2018年式となっており、好みのボディカラー、仕様を選べる可能性が高い。それらを加味して物件を探すとよいだろう。
ルノー トゥインゴのグレード別中古車相場は?

グレードは、エントリーモデル「ゼン」、アルミホイールや後席高さ調整式ヘッドレストなど快適装備が加わった「インテンス」、専用内外装を持つスポーツグレード「GT」の3つが基本モデル。これに加えて、特別なカラーリングの限定車も複数登場している。ここでは基本モデルの中古車平均価格を見ていこう。
装備が充実する「インテンス」が買いやすい
もっとも物件が充実するのは中間グレードの「インテンス」で、全体の8割近くを占めている。装備内容を考慮すると、こちらの「インテンス」をオススメしたい。物件数が多いということは、好みのボディカラーや仕様と巡り合う可能性が高いということ。一方、RRレイアウト+5速マニュアル(6速EDCも選択可)という異色のホットハッチ「GT」を選ぶのもあり。新車価格が229万円(5速MT)だから、中古車としてのお買い得感はそれほど高くない。しかし、流通する物件のほとんどが低走行の良コンディション車両のため、新車と比較検討する価値は十分あるだろう。
ルノー トゥインゴ中古車のまとめ

じつは、Aセグメントのスモールカーにはほかにも選択肢がある。最後に、トゥインゴのライバルモデルの中古車平均価格を見ていこう。ひとつ目はフィアット500。キュートなデザインが特徴のモデルで、かつては現行型トゥインゴと同じくRRの代表的モデルだったが、現行型は一般的なFFモデルとなっている。2008年に登場し、すでに10年以上も生産されるロングセラーであるが、中古車平均価格は108万円と、全体で見るとトゥインゴよりも幾分低い。しかし、高年式の相場は高めで、トゥインゴとはほぼ同じ程度の価格帯にある。物件はこちらのほうが豊富だから、選びやすいのもポイントだ。
もうひとつのライバルはVWアップ!。2012年に登場したVW最小のスモールハッチバックで、堅牢な走りと高品質な内外装が特徴のクルマである。中古車平均価格は91万円となっており、こちらも手頃な予算で購入できる。いずれもキャラクターが際立ち、乗り味、使い勝手も異なるから、購入の際は事前に下調べをしておくとよいだろう。