輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2019.03.01

【BMW 1シリーズ】現行型は最後の小型FR? 価格もこなれて買い時の1台に

 BMWのエントリーモデル、1シリーズも登場から丸7年が経ち、フルモデルチェンジの噂が聞こえている。コンパクトなハッチバックでありながら後輪駆動(FR)というのが1シリーズのアイデンティティだが、なんと次期型は前輪駆動(FF)になる可能性が高いという。ライバルのメルセデスAクラス、アウディA3は、4WDも設定されているものの、基本はFF車。1シリーズのように、このクラスでFRを採用するというのは珍しいケースであり、これこそBMWの走りの哲学を感じさせる部分だった。そこで今回は、現行型1シリーズの中古車相場を徹底分析。市場には物件が豊富に流通しており、100万円以下の物件も目立つようになっている。走りが存分に楽しめるBMWのコンパクトハッチがリーズナブルで買えるなら、これは見逃す手はない!

BMW 1シリーズってどんなクルマ?

 BMW初のコンパクトハッチバックとして、2004年10月に登場したのが1シリーズ。それまでの3シリーズコンパクトの市場を受け継いでいるが、今回は派生車種ではなく独立したモデルとして設定された。全長およそ4200mmと当時の3シリーズよりもひとまわり小さいボディを持ち、VWゴルフなどの競合ひしめく欧州Cセグメントに属する。ただしプレミアムブランドゆえ価格設定はやや高めで、導入時の新車時価格はゴルフよりも高めの288万8000円~366万5000円を掲げていた。そんな1シリーズの特徴は、先にも述べたとおりFRシャシーを採用していたこと。大昔はFRレイアウトの小型車は珍しい存在ではなかったものの、現在Cセグメントの量産FRモデルは1シリーズのみ。コンパクトかつFRという恵まれた素地を活かし、冴えた走りが楽しめるモデルである。

 そんな1シリーズがモデルチェンジを受け、現行型になったのが2011年9月。基本フォルムはそのままに、走りをさらに洗練させているのが特徴。8速AT、ブレーキエネルギー回生システム、スタート&ストップなど現代的な環境技術を取り入れることで、燃費性能をさらに高めたのもトピックである。またガソリンに加えてディーゼルを設定するなど、エンジンの選択肢が幅広くなったことも新型のキーポイントと言えよう。

BMW 1シリーズの世代別中古車相場は?

 年式別中古車平均価格をチェックするにあたり、1シリーズの改良変遷を振り返ってみたい。

 2011年9月に発売された現行型1シリーズは、1.6L 直4ターボを搭載する「116i」、「120i」でスタート。最高出力は、前者が136馬力、後者が170馬力を発揮した。翌年5月には、それぞれのMスポーツ仕様が登場。こちらはパワートレーンこそそのままだが、専用エアロパーツやスポーツシート、スポーツサスペンションなどが与えられる。さらにこの年の8月、走りを極めた「M135i」がデビュー。320馬力を発揮する3.0L 直6ターボを搭載し、専用チューンのサスペンションやブレーキを装備。続く2013年9月、衝突被害軽減ブレーキを含む「ドライビングアシストパッケージ」がオプションで選択可能となり、安全性が強化された。さらに2014年8月の改良では、「USBオーディオインターフェース」、「ハンズフリーテレフォンシステム」が全車標準装備となった。

 そして2015年5月、1シリーズは大幅改良を受けて後期型に。ひと目でわかるのは、前期型の個性的なヘッドライト形状が、シンプルな横基調デザインに改められたこと。あわせて内装の上質感が高められ、iドライブナビゲーションが全車標準装備となったこともトピック。また、衝突回避軽減ブレーキなどの安全装備が盛り込まれた「ドライビングアシスト」が標準装備となっている。この年の8月には、新開発1.5L 直3ターボが搭載された118iが登場。こちらのJC08モード燃費は、従来から10%改善した18.1km/Lを実現。さらに2016年5月には新世代4気筒ディーゼルの「118d」、同年9月には「M135i」の改良型「M140i」も登場。11月には新世代4気筒ターボを搭載した「120i」が登場し、出力、燃費とも向上している。2017年8月には、2度目のマイナーチェンジが行われ、インテリアデザインをリニューアル。タッチパネルディスプレイを採用するなど、よりモダンな使い勝手となった。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2011年式  93万円 
 2012年式  109万円 
 2013年式  136万円 
 2014年式  151万円 
 2015年式  175万円 
 2016年式  209万円 
 2017年式  247万円 
 2018年式  291万円 
※中古車平均価格はグーネット2019年2月21日現在のデータによる。

前期型はコスパが抜群! 後期型はまだまだ高い

 輸入車メーカーは、年次改良により毎年改良されるのが常。1シリーズもそんなモデルのひとつで、高年式では内外装やエンジンがリファインされている。後期型は2015年式であれば150万円前後の物件も探せるが、全体の割合から考えるとそれほど数は多くない。そこでオススメしたいのは2014年式。前期型ではあるが、走行距離3万km前後の物件が100万円台前半の価格で豊富に流通している。2013年9月の改良で「ドライビングアシストパッケージ」が導入されているから、できればこれが装着されたものを選びたい。また、装備内容にこだわらないが、とにかく安く買いたいという人には、デビュー初期の2011年~2012年式という選択肢もある。こちらは100万円以下の物件が充実していながら、極端にコンディションの悪いものはそれほど見当たらない。前期型であれば、かなりリーズナブルに買える。

BMW 1シリーズのグレード別中古車相場は?

 1シリーズのグレード構成は、1.6L 直4ターボの「116i」と「120i」、1.5L 直3ターボの「118i」、2.0L 直4ディーゼルターボの「118d」、さらにスポーツバージョンとして3.0L 直6ターボの「M135i」と「M140i」が存在する。なお、2015年5月の改良時、それまでの「116i」が「118i」に名称変更され、その3カ月後に118iが1.5L 直3ターボに換装されている。少しややこしいが、「118i」には1.6L 4気筒ターボ搭載モデルも存在するから注意したい。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
116i119万円
118i237万円
120i148万円
118d260万円
M135i/M140i281万円
※中古車平均価格はグーネット2019年2月21日現在のデータによる。

エントリーモデル「116i」が物件豊富で探しやすい

 現行型1シリーズの軸となるのは、1.6Lガソリンターボの「116i」と「120i」。両者は最高出力などのエンジンスペックに差があるが、物件が充実しているのは前者。100万円前後の手頃な物件が多く探しやすいはずだ。一方、後期型にて追加された3気筒モデルは、物件が豊富なものの高年式に集中しているため相場は高め。ディーゼルも物件は充実するが、同じ理由で買いにくい状況だ。一方、スポーツモデルの「M135i/M140i」は、平均価格が281万円と、新車時からかなり下がっていることに注目。とくに前期型のM135iは200万円前半の物件が流通しており、高性能ホットハッチとしては破格の価格。一考の余地がある選択肢と言えそうだ。

BMW 1シリーズ中古車のまとめ

 ファミリー向けのハッチバックは、室内空間にゆとりのあるFFレイアウトが最適なのは当たり前。しかし、そんな価値観を覆してFRレイアウトを採用した1シリーズは、BMWだからこそ成り立つものだ。しかし、そんな1シリーズも次世代でFF化されるとなれば、現行型は今以上に貴重なモデルとなるのは間違いない。エントリーグレードの「116i」なら100万円以下の予算で購入可能で、BMWの走りの哲学もしっかり味わえる。同じ車格のライバルはメルセデスAクラスやアウディA3だが、むしろ同門である3シリーズと比較するべきクルマ。一方、その走りを突き詰めたMパフォーマンスの「135i」も要注目。新車時の半額程度に相場が下がり、まさに今が買い時。本格派FRスポーツとしても見逃せない存在である。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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