輸入車
更新日:2021.03.04 / 掲載日:2018.10.02

メルセデス・ベンツ Eクラス/気になる中古車【試乗判定】

文●竹岡圭、九島辰也、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2018年11月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?

Member Profile

  • 自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】
    人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2018-2019 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

  • 自動車ジャーナリスト【九島辰也】
    長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

安全、走行性能、快適、すべてを高次元で備えた看板モデル

SUVブームのいまこそ高級セダンが買い時!?

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、メルセデス・ベンツの伝統あるミディアムセダン「Eクラス」が登場です。お借りした車両は2015年モデルで、グレードは「E250アバンギャルド」、走行距離は4万kmとなっています。
九島●僕にとってEクラスは「上がり」の1台なんだよね。
竹岡●そういえばそんなこと言ってたよね。それってEクラスに乗ると満足して、「もうクルマはこれでいいや!」ってなることだよね。
編集部●確かに、メルセデスには癒やしというか、疲れているときほど、しっくりくる感じはあります。
九島●それは昔から変わらないね。箱根でジャーマン3(メルセデス、BMW、アウディ)を比較試乗すると、その瞬間はハンドリングがいいBMWとかが人気なんだけど、取材が終わりさあ帰ろうってなると、みんなメルセデスに乗りたがる(笑)。
編集部●すごくわかる気がします。さて、今日のテーマは、2009年から2016年まで販売されていた「W212」と呼ばれる先代Eクラスです。じつは今、高級セダンの中古車がお買い得なんですよ。
九島●SUVが人気だからね。
竹岡●私自身のクルマ選びがそうなんだけど、「ワクワクする」かどうかで言えば、セダンよりもSUV。セダンはリラックスできるし、バランスがいいのは間違いないんだけど。
九島●俺はセダン好きだよ。とくにEクラスはすべてがしっくりくる。もうこれにしようかな(笑)。
竹岡●(笑)。Eクラスってボディタイプもセダン、ワゴン、クーペ、カブリオレってたくさんあるし、エンジンの種類も多いじゃない。
編集部●今回はセダンのAMG以外に焦点を絞って紹介させて頂きます。種類が多いというエンジンですが、基本的には松竹梅の3パターンです。エントリーの2L直4ターボ(「E250」)、中核モデルの3L及び3.5LV6(「E300」、「E350」)、上級モデルの5.5LV8及び4.7LV8ツインターボ(「E550」)。前期はエンジンが直噴化される端境期で、直噴エンジンには、「ブルーエフィシェンシー」というニックネームが付きます。後期になると全エンジンが直噴です。
九島●それに加えてディーゼルが2.2L直4ターボの「E250ブルーテック」、3LV6ターボの「E350ブルーテック」。
竹岡●後期に追加された3LV6ハイブリッドの「E400ハイブリッド」も忘れないでくださいね。やっぱりいっぱいあるじゃない(笑)。
九島●Eクラスとひと口にいっても、価格帯は600万円から1000万円オーバーまでと幅広いからね。それから左ハンドル仕様がけっこう選べるのもEクラスの特徴かな。
編集部●装備的には、2011年11月から追加された「レーダーセーフティパッケージ」が注目です。
竹岡●自動ブレーキを中心とした先進安全装備ね。「ディストロニックプラス(アクティブ・クルーズ・コントロール機能)」はすごく便利だから、選ぶときには気を付けたいね。
編集部●それではそろそろ、試乗の方をお願いします。


九島「クルマに求めるすべてがEクラスには備わっている」

竹岡「ワクワクさではSUVだけど乗せてもらうなら最高(笑)」

DETAIL CHECK

いま高級セダンの中古車価格は割安、先代Eクラスはまさにねらい目!

編集部●お二人が試乗から戻ってきました。いかがでしたか?
竹岡●テレビが小さい(笑)。
九島●小さいよね(笑)。冗談はさておき、気になったのはそれくらいで、相変わらずいいクルマ。
竹岡●そう、快適で何も文句なし。だって登録から3年でしょ、まだまだこれからって感じ。
九島●Eクラスに限らずメルセデスって癒やしなんだよな。気持ちが落ち着いてまったりしてくる。中古車っていくらくらいなの?
編集部●今日乗った後期モデルは300万円台から、前期モデルなら認定中古車でも200万円半ばです。
九島●そんなに安いの!? 2015年モデルって、まだ最初の車検受けたくらいでしょ。
竹岡●イメージしていたよりも100万円以上安かった。とても300万円台のクルマには見えない。
編集部●SUV人気に隠れていますが、Eクラスや5シリーズのセダンの中古車は、非常にコストパフォーマンスがいい状況です。お二人それぞれのオススメのグレードを教えてください。
竹岡●自分用じゃなくて、彼氏やパートナー用のクルマだとしたら(笑)、ガソリンエンジンのV6モデルかな。静かで快適だから、乗せてもらうには最高!
九島●Eクラスは、どのエンジンを搭載するモデルも完成度が高いから、どのグレードを選んでも後悔するってことにはならない。むしろボディカラーや装備を重視して中古車を選んでもいいんじゃないかな。
編集部●実車を色々と見比べながら、好みの1台を選ぶというのは、まさに中古車購入の醍醐味ですから。

伝統の使いやすさに先進安全装備をプラス

 歴代Eクラスのデザインを受け継いだインテリアデザイン。3眼メーター内には液晶モニターが内蔵され、各種機能を表示する。自動ブレーキを含む先進装備である「レーダーセーフティパッケージ」を採用しており、安全技術についても現代のレベルで見ても充実した内容となっている。

オーソドックスでありながら完成度の高いインテリア

 オーソドックスなセダンスタイルの居住空間。適度な包まれ感と視界のよさからくる開放感がバランスしている。シートはサイズも大きく、運転席と助手席はサイドサポートも大きく張り出し、身体を支える形状。シートの位置に合わせて電動でヘッドレストの高さが調整される。

高級セダンに要求されるラゲッジスペースを確保

 ゴルフバッグが4つ積載できる容量が確保されているラゲッジスペース。後席は6対4の分割可倒式で、荷室側からレバー操作で倒せるのが便利だ。その際はさらにスペースを広げることができる。また、後席中央には長尺物を積載するためのトンネルも用意されている。

豊富なエンジンラインアップ、ディーゼルエンジンも存在

 エンジンラインアップは前期モデルはガソリンが1.8L直4ターボ、3LV6、3.5LV6、4.7LV8ツインターボでディーゼルが3LV6ターボ。後期になるとガソリンが2L直4ターボ、3.5LV6、4.7LV8ツインターボ、ディーゼルが2.2L直4ターボ、3LV6ターボとなる。

試乗判定レビュー

※各項目に対して10点満点評価。

竹岡 圭

  • 【10点】メルセデス・ベンツのEクラスって、パーソナルユースの最高峰じゃないですか(Sクラスはビジネスユースも多いので)。言ってみれば上がり!の1台。乗ってみると、やっぱりいいよね!と、だれもが普通に思えるクルマなんですよ。でもワクワクするかというと……、そうではない。とはいえ、そういうところを求められてるクルマじゃないのでこれでOK。

  • 【10点】メルセデス・ベンツと言えば安全性能も、世界で1、2位を争うメーカーですから、最新鋭安全装備も文句ナシでついてます。とはいえ、この部分は日進月歩で進んでいますので、何が付いているかは購入時にしっかりチェックした方がよいですね。無論、現行型のEクラスは装備もアップしてますが、内装がやや派手なのでこっちが好きという方も多いかも。

  • 【9点】「250」でも十二分に走るんですけど、やっぱり上がりのEクラスですから「350」の方が重厚感があっていいかなと。サウンド的にもやっぱり高級感あるじゃないですか。とはいえ、走りにこだわりがあるとかいうのでなければ、AMGまではいらないと思うんですけどね。Cだったら「180」でいいけど、Eだったら「350」かな~と思うのは庶民感覚でしょうかね?

  • 竹岡さんにとってEクラスは、あまりにも大人っぽいキャラクターだそう。自分で運転するよりも、助手席に乗せてもらう方が嬉しいとのことでした。

九島辰也

  • 【10点】ずいぶん前から、自分にとっての最後の1台、つまり「上がり」はメルセデスのEクラスだろうって思っているし、公言している。ファッショナブルだったり、興奮するクルマはほかにもあるけど、色々と経験したうえで、最後に選ぶ1台となるとそれはEクラスになる。先進的なのに、時が経つとスタンダードに見えるスタイリングも好ましい。

  • 【9点】乗り込んだ瞬間に、ナビゲーションの画面が小さいことに驚いたが、古さを感じさせるのはそれくらい。試乗した後期モデルであればベーシックグレードであってもレーダーセーフティパッケージは標準装備になるし、先進安全装備のレベルも十分に高い。中古車を選ぶなら、どういった装備が装着されているのか、しっかり吟味することをオススメする。

  • 【9点】直4からV8まで、ガソリンエンジンだけでなく、ディーゼルやハイブリッドまでと幅広い選択肢が用意されている。もちろんそれぞれによさがあるが、試乗した「E250」であっても十分に速く快適だった。パワートレーンだけでなく、足まわりも含めて調和が取れているからだろう。基本的にはどのグレードを選んでも十分に満足できるクルマだ。

  • Eクラスを「永遠のスタンダード」と評価する九島さん。走り、快適性、安全性、ステイタス性、あらゆる性能のレベルが高く、バランスが取れているとコメント。

グーワールド 編集部

  • 【10点】メルセデス・ベンツのEクラスは、輸入車の代表選手とも言える存在です。高級車のスタンダードであり、とくに快適性や安全性については、つねに時代の先端を行くモデル。中古車マーケット的には、SUV人気に押されて若干存在感が薄くなっていますが、それでも物件量、質ともに最高レベル。まだ新しい先代モデルでありながら、100万円台から選べます。

  • 【10点】Eクラスは、フラッグシップのSクラスと同じように、最先端装備や機能がいち早く採用されるクルマです。当時まだ珍しかった自動ブレーキ、しかも高精度なミリ波レーダー方式が低年式モデルから装備されています。エントリーグレードでもレザーシートなど装備が充実しているのも嬉しいところですが、上級モデルはさらに豪華。満足度は高いでしょう。

  • 【9点】2L直4ターボでも、必要にして十分なパフォーマンスで、街中から高速道路まであらゆるシーンで快適さを提供してくれます。それ以上のモデルを選ぶ理由は、ゆとりや上質さ、パワフルさをどこまで求めるかになるでしょう。後輪駆動モデルが基本ですが、「4MATIC」と呼ばれる4WDモデルもラインアップ。こちらはさらなる安定性を提供します。

  • 中古輸入車界で長く人気を誇るEクラス。お手頃価格のものから、新車に近い高年式・高品質モデルまで、選択肢が非常に多いのも特徴です。

メルセデス・ベンツ Eクラスのモデル主要変遷やスペック情報はこちら

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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