輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2018.05.18
【MINI】100万円台から買える! 先代MINIの相場を徹底分析

MINIの歴史を振り返る
グーネット中古車検索ランキングで、輸入車の上位にランクインされているのがMINI。中古車物件数が充実し、注目度の高いブランドである。「MINI」が誕生したのは、2001年のこと。旧Mini(ミニ)が属する英国のローバー社を傘下に収めたBMWのもとで、ブランドが再建されたのがはじまりだ。ちなみBMW以降の新世代ミニは大文字で「MINI」と表記され、ローバー以前の旧Miniと明確に区別されている。なお、旧Miniはオリジナルミニと呼ばれることもある。
BMWが送り出したMINIは、旧Miniの愛らしいデザインテイストをうまく取り入れながら、プレミアムブランドに相応しい質感と走りが与えられたのがポイント。旧Miniよりもサイズがひとまわり大きくなり、室内にゆとりが生まれることになった。また、コンパクトカーながらも造りがしっかりしているのも特徴で、剛性感のあるソリッドな走りが楽しめるのは、BMWプロデュースの賜物と言えそうだ。ちなみに、同時期に発売されたVWニュービートルもMINIと同じく旧車のリメイク作品だが、ルックス重視のニュービートルに対し、MINIは見た目はもちろん、走る楽しさまでしっかり考慮した1台に仕上がっている。
そんなMINIは、2007年にフルモデルチェンジを受ける。初代MINIとさほど変わらないようなデザインに見えるが、若干のサイズアップを果たし、ボディは完全にリニューアルされた。エンジンは、初代はクライスラーと共同開発されたものが搭載されていたが、2代目はプジョー・シトロエンとの共同開発に。そして、初代に見られた荒削りな部分(それが走る楽しさにも繋がっていた)が見直され、プレミアムコンパクトらしい洗練さを備えた1台に進化したのだった。初代は3ドアとコンバーチブルのみだったボディタイプは、新型ではクラブマン、クーペ、ロードスター、クロスオーバー、ペースマンも新たに登場。とくに4ドアのクロスオーバーは、後席へのアクセス性がよいことからファミリー層に支持され、いまでは3ドアに並ぶ人気モデルとなっている。
そして2014年には、現行型となる3代目が登場した。オリジナルミニから続くファニーな外観はそのままだが、細部をブラッシュアップ。室内は大型センターメーターが廃止されたのがトピックで、プレミアムコンパクトの新基準を作り上げた。ボディタイプは、新たに5ドアが登場したのもポイントで、先代以上に幅広い層をターゲットとしたクルマに進化している。
今回は、登場から10年以上が経ち、手頃な予算で買えるようになった先代モデルの相場を徹底分析していきたい。
ボディタイプ別の相場を見る

写真はクロスオーバー
上の表を見ると、ボディタイプによって相場に差があるのがわかる。もっとも価格が低いのは、ベーシックな3ドア。平均価格は122万円とかなり手頃になっている。物件数も3ドアが群を抜いて多く、もっとも買いやすいタイプと言っていい。次いで物件が多いのはクロスオーバーだが、こちらは平均価格が233万円と高めで、中古車市場での人気を物語っている。また、ワゴンタイプのクラブマンは、物件もそれなりに豊富で3ドアと変わらない相場だから、こちらも狙いやすいはず。
一方、コンバーチブル、クーペ、ロードスター、ペースマンなど趣味性重視のタイプは、総じて物件数が少ない。とくにクーペとロードスターはかなり希少で、中古車市場ではなかなかお目にかかれない。しかし相場が極端に高いわけではないから、購入の敷居はそれほど高くない。
どのグレードがもっともお買い得?

MINIは、ボディタイプとグレード数を考慮すると、その組み合わせは膨大。まずは人気の3ドアを中心に、グレード別の相場を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
ワン | 86万円 |
クーパー | 135万円 |
クーパーS | 115万円 |
ジョン・クーパー・ワークス | 195万円 |
※ボディタイプは3ドア。
3ドアに設定されるのは全4グレード。1.6Lエンジンを積むエントリーモデル「ワン」がもっとも安く、平均価格は100万円を下まわる。価格面では買いやすいが、物件は全体の2割以下とやや少なめだ。同じく1.6L自然吸気を積み、「ワン」よりも高出力な「クーパー」は、中古車のボリュームがもっとも大きいグレード。実用性と走りのバランスがよく、万人にオススメしたいモデルである。1.6Lターボのスポーツ仕様「クーパーS」は、「クーパー」と比べてやや物件が少ないものの、相場はほとんど変わらない。スポーティな走りを重視するなら、これがベストバイだろう。最後に、ハイパフォーマンス仕様「ジョン・クーパー・ワークス」だが、いまだに値崩れしにくく高値傾向にある。サーキット走行も視野に入れたハード志向のユーザー向けで、物件数も少ないから乗り手を選びそうだ。
次に、クロスオーバーの相場も簡単に見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
ワン | 138万円 |
クーパー | 155万円 |
クーパーS | 230万円 |
クーパーD | 229万円 |
クーパーSD | 245万円 |
ジョン・クーパー・ワークス | 291万円 |
もっともボリュームのあるグレードは「クーパー」。平均価格155万円という安さも大きな魅力だ。また、クロスオーバーには3ドアには設定されないディーゼル仕様も存在する。ガソリン車よりも数は少ないが、ランニングコストを考慮すると、こちらを狙うのもアリだろう。ただしガソリン車よりも相場が高めであることを覚えておきたい。
MINI世代別の中古車相場を比較すると?

初代の相場はほぼ底値と言える状態。50万円以下の物件もかなり豊富に流通するが、最終年式でも11年落ちという古さだから、車両のコンディションをしっかり見極める必要がある。オイルまわり、タイヤなど消耗品の交換を含めると、乗り出し100万円というケースも十分考えられる。2代目も当然同じことが言えるが、最終年式が2013年だからヤレ具合の酷い個体は初代よりも少ない。どちらを選ぶかは好みによるところが大きいが、実用車として使うなら洗練度が増した2代目をオススメしたい。3代目(現行型)は、どのグレードもまだまだ高値。ここ最近は100万円台後半の物件も増えてきたが、お買い得感はまだ薄い。しかし先日マイナーチェンジが行われたので、今後は3代目も少しずつ価格が下がっていくはず。現行型を狙うなら、もうしばらく待つのがよいだろう。
まとめると、MINIは初代、2代目はどちらもお買い得。コンディションなどを考慮すると2代目が選びやすく、「クーパー」ならば100万円台前半の予算からねらえる。ボディタイプも豊富だから、選ぶ楽しさも大きい。クルマとしての完成度が高く、初期投資額も低めだから、はじめての輸入車としても魅力的なクルマと言えそうだ。