輸入車
更新日:2024.10.21 / 掲載日:2024.10.14
美しき本格スポーツセダン【アルファ ロメオ ジュリア】の歴史といま買いの中古車

アルファ ロメオ ジュリア|語り継がれる名車の系譜 vol.46|
文●ユニット・コンパス 写真●アルファ ロメオ
※中古車参考価格はすべてグーネット2024年9月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年11月号の内容です)
トナーレに続く新型コンパクトSUVミラノを発表するなど、勢いづくアルファ ロメオ。その本質を純粋に体現したのがジュリアだ。
ブランドのプライドをかけた本格スポーツセダン
ジュリアはイタリア人にとって特別なネーミング
美しく、そして速い。アルファ ロメオが目指すクルマの理想は、極めてシンプルだ。20世紀初頭、ブランドとして初めて生産した24HPにも「コルサ」と呼ばれるレーシングバージョンが存在したくらいである。
第二次世界大戦前は、富裕層向けの高級車を手がけていたアルファ ロメオであったが、戦後は徐々に量産メーカーへの道を歩み始める。その最初の1歩となったのが1900シリーズ(1950年)で、一里塚と言えるのが「イタリアの恋人」と呼ばれたヒット作のジュリエッタ(1954年)。そして、メジャーブランド入りを決定づけたのが、今回の主役ジュリア(1962年)である。
レースでの成功に裏打ちされた技術を量産車に持ち込んだジュリアはイタリア人の心を掴み、大ヒットモデルへと成長。アルファをイタリアを代表するブランドに成長させた。
時代は進み2015年(日本導入は2017年)。ジュリアは新生アルファ ロメオの旗印として再び走り出した。後輪駆動またはAWDによる優れた走行性能を目指した美しい本格スポーツセダンだ。
ユニークなのが、まず最初に開発したのが最高出力510馬力の最上級グレード「クアドリフォリオ」だったということ。ビジネスだけで考えられたプロジェクトではない。イタリア人にとって、ジュリアはまさにプライドそのものなのだ。
アルファ ロメオ ジュリアはこんなクルマ

2023年の仕様変更でグリルやヘッドライトのデザインを刷新。新しい「フルLEDマトリクスヘッドライト」はカメラの情報に基づき、天候などによってライトの照射範囲を変化させるなど機能も向上した。

センターディスプレイは12.3インチで、インフォテインメントシステムも登場当初から進化。一方でスポーツサルーンとしてのキャラクターは不変だ。

後輪駆動らしいプロポーション。標準モデルは2L直4ターボを搭載。高性能仕様では2.9LV6ツインターボを積む。
[アルファ ロメオ ジュリアが名車になった理由]美しさと性能を磨き上げてきたアルファらしさの塊
小型軽量なセダンがアルファ ロメオの歴史を大きく変えた

1962年に登場した初代ジュリアは、小型軽量高性能というコンセプトで登場した。スパッと切り落としたようなリアデザインは空力性能から考案されたもので、実際に空力性能は優れていた。
若き日の巨匠が手がけたマスターピース

1963年に登場したジュリア スプリントGTは、アルファを一躍メジャーブランドへと押し上げた。デザインを手掛けたのはベルトーネ時代のジウジアーロ。ジュリア、そしてアルファ ロメオのキャラクター性を決定づけた。
ドイツ勢と真っ向から勝負し勝利を勝ち取った

高性能セダン=ドイツ車という図式に真っ向から立ち向かったアルファ ロメオ。「ハコのF1」と呼ばれるほどの高性能マシンで戦われた90年代のツーリングカーレースで、アルファは大活躍。イタリアのプライドを見せつけた。
開発は少人数チームで異例の短期間で開発

21世紀に蘇ったジュリアは、アルファ ロメオを再定義するという大役を与えられていた。そのコンセプトこそ「感情の力学」というもの。ジュリアの開発は、少数精鋭のチームにより2年という短期間で行われた。
本格的な後輪駆動プラットフォームを新たに開発

アルファにとって久しぶりとなる後輪駆動プラットフォーム「ジョルジオ」を採用。そのパフォーマンスを高めるために、開発時にはニュルブルクリンクを走り込み、スポーツセダンとしての素養を磨き上げた。
高性能モデルありきで作られた真のハイパフォーマンスセダン

通常はベースモデルがあった上で高性能版が開発されるが、ジュリアは逆。まず最強モデルのクアドリフォリオを作り上げた。エンジンは2.9LV6ツインターボで最高出力は510馬力と圧倒的。
新車といま買いの中古車たち
アルファ ロメオ ジュリア

現在新車として販売されている現行モデルは、ヘッドライトが高性能なフルLED仕様となり、インフォテインメントシステムも改良され画面サイズが大型化し操作性も向上している。
新車価格:717万円~1387万円(ジュリア 全グレード)
アルファ ロメオ ジュリア クアドリフォリオ

高性能を追求した最上級グレードが「クアドリフォリオ」。エンジンは2.9LV6ツインターボで、内外装のデザインやトリムも特別なものが与えられている。台数は少なく希少価値もある。
中古車参考価格帯:540万円~1200万円(17年~24年 ジュリア クアドリフォリオ 全グレード)
アルファ ロメオ ジュリア

ベースモデルと「スーパー」、「スプリント」、「TI」は200馬力で、「ヴェローチェ」は280馬力でFRのほかAWDも存在した。中古車の物件はドイツ車より少ないため、良質車は早めに確保を。
中古車参考価格帯:200万円~570万円(17年~24年 ジュリア 全グレード)