車の歴史
更新日:2021.05.20 / 掲載日:2021.05.20

Zの魂 フェアレディZ年代記 ~世界を虜にした和製スポーツ~

 日産はその黎明期からスポーツカー開発に情熱を注いできたメーカーである。終戦からわずか7年後の1952年、故・片山豊氏が企画し、日本で初めてスポーツカーを名乗ったショーモデルDC-3を発売。今なお続く国産スポーツカーを代表するZの長い歴史はここから始まった。

●初代(S30)
Z432(’71年式)主要諸元●全長×全幅×全高:4115mm×1630mm×1290mm●ホイールベース:2305mm●車両重量:1040kg●エンジン(S20型):水冷直列6気筒DOHC1989cc●最高出力:160PS/7000rpm●最大トルク:18.0kg・m/5600rpm●最高速度:210km/h●0-400m加速:15.8秒●最小回転半径:4.8m●燃料タンク容量:60L●サスペンション:前後ストラット式●ブレーキ:前ディスク/ドラム●トランスミッション:5速MT●タイヤサイズ:6.95-14-4PR●乗車定員:2名●価格:185万円

●2代目(S130)
280Z-T2by2(’78年式)主要諸元●全長×全幅×全高:4620mm×1690mm×1305mm●ホイールベース:2520mm●車両重量:1305kg●エンジン(L28E型):水冷直列6気筒SOHC2753cc●最高出力:145PS/5200rpm●最大トルク:23.0kg・m/4000rpm●10モード燃費:8.0km/L●最小回転半径:5.3m●燃料タンク容量:80L●サスペンション(前/後):ストラット式/セミトレーリングアーム式●ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク/ディスク●トランスミッション:5速MT●タイヤサイズ:195/70HR14●乗車定員:4名●価格:237万3000円

●3代目(Z31)
300ZX2by2(’83年式)主要諸元●全長×全幅×全高:4535mm×1725mm×1310mm●ホイールベース:2520mm●車両重量:1365kg●エンジン(VG30E・T型):水冷V型6気筒SOHC2960cc+ターボ●最高出力:230PS/5200rpm●最大トルク:34.0kg・m/3600rpm●10モード燃費:9.0km/L●最小回転半径:5.3m●燃料タンク容量:72L●サスペンション(前/後):ストラット式/セミトレーリングアーム式●ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク/ディスク●トランスミッション:5速MT●タイヤサイズ:215/60HR15●乗車定員:4名●価格:327万円

●4代目(Z32)
300ZXツインターボ2by2Tバールーフ(’89年式)主要諸元●全長×全幅×全高:4525mm×1800mm×1255mm●ホイールベース:2570mm●車両重量:1570kg●エンジン(VG30DETT型):水冷V型6気筒DOHC2960cc+ツインターボ●最高出力:280PS/6400rpm●最大トルク:39.6kg・m/3600rpm●10モード燃費:6.4km/L●最小回転半径:5.6m●燃料タンク容量:72L●サスペンション(前/後):マルチリンク式/マルチリンク式●ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク●トランスミッション:4速AT●タイヤサイズ:225/50R1692V●乗車定員:4名●価格:440万円

●5代目(Z33)
バージョンS(’02年式)主要諸元●全長×全幅×全高:4310mm×1815mm×1315mm●ホイールベース:2650mm●車両重量:1440kg●エンジン(VQ35DE型):水冷V型6気筒DOHC3498cc●最高出力:280PS/6200rpm●最大トルク:37.0kg・m/4800rpm●10・15モード燃費:9.7km/L●最小回転半径:5.4m●燃料タンク容量:80L●サスペンション(前/後):マルチリンク式/マルチリンク式●ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク●トランスミッション:4速AT●タイヤサイズ(前・後):225/45R1891W・245/45R1896W●乗車定員:2名●価格:330万円

●6代目(Z34)
バージョンST(’08年式)主要諸元●全長×全幅×全高:4250mm×1845mm×1315mm●ホイールベース:2550mm●車両重量:1520kg●エンジン(VQ37VHR型):水冷V型6気筒DOHC3696cc●最高出力:336PS/7000rpm●最大トルク:37.2kg・m/5200rpm●10・15モード燃費:9.5km/L●最小回転半径:5.2m●燃料タンク容量:72L●サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン式/マルチリンク式●ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク●トランスミッション:6速MT●タイヤサイズ(前・後):245/40R1994W・275/35R1996W●乗車定員:2名●価格:437万8500円

国産スポーツの扉を開いた日産

 市販車の商品企画では、ロマンよりソロバンが優先される。巨額の投資に見合う利益の出ないクルマは、生き残ることはできない。近年の自動車メーカーのラインナップからスポーツカーが姿を消していくのも、だから当然のことだ。
 しかしモータリゼーションの黎明期には、ときにソロバンよりロマンからクルマが生まれた。戦後初の国産スポーツカーとされるダットサンスポーツDC-3も、日産社内の好き者エンジニアによる、課外活動的な経緯から1952年に生まれ、約50台が手作りされた。
 量産トラックのフレームを裏返しにして車高を下げ、足回りは全輪リーフリジッド。サイドバルブの860ccエンジンを積み、最高速は80km/h。83万5000円は当時のダットサンセダンより安かったが、MGなどの輸入スポーツカーがすでに上陸していたため、それが買える富裕層は作りも走りも貧相な国産スポーツカーに興味を示すことはなかった。
 続く’57年のS211型ダットサンスポーツ1000は、第四回全日本自動車ショウの目玉として展示する、今でいうコンセプトカーとして生まれた。企画したのはショウの仕掛け人にして、のちにフェアレディの父と呼ばれることになる日産宣伝部員の片山豊氏だ。
 ダットサン211型をベースに、当時の最先端技術だったFRP製のオープンボディをまとったこのモデルは’58年に市販され、例によって国内ではパッとしなかったが、’60年にスチールボディで左ハンドル仕様のSPL212型となり、北米に輸出された。このモデルに当時の川又克二社長がつけた「フェアレデー」の車名が、今日のフェアレディZの起源だ。
 量産車の部品を使った手ごろなスポーツカーとして、それは北米で人気を呼び、ブルーバードベースの後継車を経て、真打であるZの登場につながるのだ。

提供元:オートメカニック

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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